本日から3連休の方もいれば、
お仕事等諸活動に励む方もいらっしゃいます。
カラッとした秋晴れを期待したいところですが、
先週に引き続き、また台風が発生していますね。
影響を受ける可能性がある地域の方は十分にお気をつけください。
本日から横浜に入り、
明日からの講座開催に向けて準備をいたします。
朝一番の福岡空港ですが、
3連休の初日ということもあり、ご家族やお友達との旅行に出発するぞ!
という雰囲気の人たちが多くみられ楽しそうです。
※今朝6時半頃の福岡空港です。
福岡から羽田に向かって飛ぶ朝一番の飛行機も満席だそうで、
旅行・観光業界も新型コロナの影響が少なくなってきたというか、
なんとなく皆さまがより積極的に行動されるようになってきた感じがいたします。
経済的な諸活動が益々活発になっていくことを願います。
さて、本日の記事タイトルなのですが、
1級キャリアコンサルティング技能検定試験の実技論述問題について書いてみたいと思います。
講座を開催していてご質問いただくことに、
《1級の論述試験には必須問題と選択問題がありますがどのような違いがあるのでしょうか?》
といった内容があります。
試験基準の設計等を構築している先生方や試験官を務める方々にしかわからないことだと思いますが、
受検者の立場で考えてみることや事例指導やスーパービジョンを実践的に考えてみることはできるので、
そうした視座・視点で私の考えを記事にいたします。
今年度5月と6月にかけてCVCLABの講座でもお話ししたことなのですが、
必須問題については、事例相談者と相談者のステージを少しひいて事例を掴むイメージで、
選択問題については、事例相談者と事例指導者(受検者)の関係の中で成長支援を直接実施していくイメージです。
すると必須問題は評価細目等に示されているキャリアコンサルティングの能力を評価され、
選択問題は指導者スキルを評価されていると大雑把に表現できそうです。
しかし…気をつけたいことがあります。
事例指導者(受検者)は相談者(クライエント)には会えない(会っていない)ということです。
会っていない相談者のことを、
事例相談者がまとめた主観的な記録だけを読んで、
そのまま見立てることや評価することは不可能なのです。
要するに事例相談者がキャリアコンサルタントとしてどのように捉えているのか…
この視点が事例指導やスーパービジョンには必須になります。
※上記の「この事例相談者は相談者の問題をどのように捉えているか」という表現は、
そのまま第1回1級技能検定論述試験で出題されました。
検定試験の評価細目によれば、
1級においてもキャリアコンサルタントとしての能力も評価されるわけですが、
事例相談者(キャリアコンサルタント)の思考や行動特性などを専門的な視点で把握する力というものは、
キャリアコンサルティングを自身でプレイヤーとして行う以上のスキルが必要にもなります。
よって、
そうした捉え方ができる=キャリアコンサルタントとしての能力
と置き換えることができると思うのです。
事例指導で一貫して必要なことは、
他のキャリアコンサルタントのやり方を尊重しつつ、
相談者へのより良い支援を考えられる力です。
事例指導者のやり方を押し付けることではありません。
試験においても、
事例指導者が相談者に対して直接的にキャリアコンサルティングをおこなわなくても、
事例指導者の事例の掴み方や事例相談者への関わりかたなどから、
事例指導者のキャリアコンサルタントとしての能力をはかることはできるはずです。
さらに大切なことは、論述問題には
「次の文章は、事例相談者が事例指導を受けるためにまとめた事例である。」
と注意書きがなされていることです。
実技試験だと考えてみれば、
そもそも事例指導者が相談者へキャリアコンサルティングを提供することはできません。
つまり各問が何を問うているのか、
改めて考えてみる必要があると思います。
必須問題では事例相談者と相談者の相互に起こっていることを事例相談者を中心におきながら事例をみていく。
選択問題では事例相談者と事例指導者(自分)の相互に起きることを推測しながら事例相談者を中心にした成長プランを立てていく。
ざっくりとした表現になりますが、
私自身、現場でこれを常に大切にして仕事をしています。
安定した指導力、人を育てる関わりを提供し続けるには、
こうした基礎的トレーニングに卒業はありません。
この基本がズレていくと、
選り好みが出てきたり、自己都合の強い思考が出てきたりするのかもしれません。
どのようなキャリア形成支援者やカウンセラーの方でも、
指導者側が選り好みするのでは良くないと私は教えられてきています。
広く受け入れられる心、
来るもの拒まず、去るもの追わずの精神は、
ある意味大切なことですね。
それを信じて来てくれている事例相談者に、
事例指導者が急に自分の視点だけでものを言い始めたら、
それはある意味裏切りにも近い行為かもしれません。
論述問題においても、
主役である事例相談者を中心にして考えていきたいものです。