一昨日から昨日まで2日間、

大阪会場にて1級キャリアコンサルティング技能検定試験の対策講座を開催することができました。

 

台風14号の影響が心配だったのですが、

一昨日は受講者様全員(6名様定員)、

そして昨日はご予約いただいた半数の方(3名様)にご参加いただき、

計9名様へ予定通り講座プログラムをご提供しています。

※昨日は交通機関の関係から3名様が欠席となりました。

 

こればかりはいかんともしがたいことです。

また次回、お会いできることを楽しみにしています。

 

そして今週末から3日間、

横浜会場において9月の講座プログラムを実施いたします。

さらにその後は平日の夜にオンライン講座もございます。

 

同じプログラムをご提供していても、

毎回、受講者様が異なることと、受講者様ご自身のその時々の状態等から、

インプット・アウトプットされるものが違います。

 

人間同士がその場でダイナミックな感情や思考を刺激し合うことで生み出されるものは、

二度と起こり得ない宝物となります。

 

一昨日、昨日に参加いただいた一部の方から、

「貴重な時間を過ごすことができた」

「異なる視点等を数多く体験できた」

といったメッセージをいただきました。

大変な中、ご参加いただき本当にありがとうございました。

 

本日から受検申請期間が始まり、

試験への意識が徐々に高まり始めている方も多いかと思います。

 

《受検に向けた準備についてもう少し早く取り組めばよかった…》

というようなことにならないよう、

事例指導の目的やキャリア形成支援のあり方等を改めて振り返りながら、

如何に基本に忠実な視点を持ち、物事にとらわれず、

柔軟に見つめられる力を鍛えることが大事なのだと考えています。

 

このような偉そうな記事を書きながら、

私自身もHeavyなことが身の回りで起こればナーバスな状態にもなり、

人に心配をかけたり迷惑をかけてしまうこともあります。

 

そんな時こそ、目の前の物事にとらわれず、

バルコニーから自分自身を眺めるつもりで冷静になってみたいものです。

 

さて、今回の記事タイトルですが、

1級キャリアコンサルティング技能検定の実技試験において、

事例の内容にある目の前の物事にとらわれてしまい、

そもそもの事例指導の目的全体を忘れてしまうことがあります。

 

事例指導者がそのような状態に陥ると、

事例相談者までもが同じ状態になり、とても居心地の悪い空気感が生まれることでしょう。

 

それでは事例指導の関係が微妙なものになるでしょうし、

目的を果たすことにはならないと思います。

 

今回ここではひとつの例として、

1級の論述試験を取り上げて記事を続けますが、

事例を熟読すればするほど色々な考えが浮かんでくるという現象が起きませんか。

 

ひとつの事例を2時間も3時間もかけて考えたり、

一休みして翌日また熟読すると、他の視点も出てくる。

あるキーワードをインターネットで検索すれば、

さらに視点がたくさん増え、答えに書きたくなることばかり。

 

試験でそうしたことはできませんよね。

 

結局、ご自身が時間の制約と緊張、

そして不自然とも言える特別な試験環境の場で、

自身の力だけで事例を読み事例を掴むしかないわけです。

 

事例を掴むということは、

実践的に表現すればキャリアコンサルタントとしての事例相談者を

理解していくように事例を読むということです。

 

過去問や練習問題等を用意して、事例に書かれた文字を熟読し、

インターネットでキーワード等を検索しながら時間をかけて理想的な解答を導き出す…

これではただ作為的な自身の能力範囲から外れたような記述文章になりかねません。

 

事例の文字を熟読・精読すればするほど、

事例に書かれた文字のあちこちが気になります。

 

それは事例に書かれたことに注目しているだけに過ぎません。

そうなると、どんな事例でも関係構築が弱い点、問題把握が弱い点、

目標の明確化、共有化が弱い点、方策のタイミングが悪い、内容が悪い点、自己評価がずれている点等々、

当たり前の一般化した査定方法でチェックしていくだけの表面的取り組みとなります。

それではどんな事例を読んでも結局同じになってしまうでしょう。

 

ご自身で論述の解答をアウトプットしていてそうした傾向になっていませんか。

どこかご自身でフィットしないような解答になっていることがあるのではないかと思います。

 

事例に書かれている文字、書かれた目の前の物事に注意が向いているだけかもしれません。

 

一旦、立ち止まってみることも大切だと思います。

その営みが本来の事例指導なのか…と自問自答してみることもいいでしょう。

 

論述だったとしても実技試験として位置付けられているわけで、

上記のようなチェックリスト方式で事例相談者のことを評価していたら、

事例相談者が置き去りになってしまうと私は思います。

 

そもそも試験でそうした程度のことで良いとされているとすれば、

論述試験の攻略書とか参考書等でも簡単に出せますよね。

あり得ない…というか、そうしたものが存在するとすればおかしなお話しです。


なぜかといえば、

事例情報からどのような刺激を受けるのかは、

その人一人ひとりが積み重ねてきた経験などから極自然体でアウトプットされていくものであり、

操作的にするものが有ればそれは阻害要因、実害となり得ると思います。

要するにそれは個性を邪魔をしていることになるでしょう。

一人ひとりの感性から導かれるその技能は自由であることが必要です。

それは対人援助職にとても大切な側面をもつと思います。

 

お話しが戻りますが、

 

事例を熟読すればするほど、

事例の細かな物事にとらわれていく自分に気づけるのではないかと思います。

 

試験会場ではそうした時間がありません。

 

事例相談者にフォーカスして考えていくことで、

そうしたとらわれから解放されやすくなるのではと考えます。

 

事例にチェックばかりしてしまう方は、もう少し肩の力を抜いて、

事例をまとめたご本人のことを感じることができるように訓練されるとよいのではないでしょうか。