1級キャリアコンサルティング技能検定試験を受検される予定の方にとって、
気になることのひとつに実技論述試験があると思います。
特にひとりで論述過去問に向き合って試験対策をしていると、
《果たしてこれでいいのだろうか?》
と疑問がわいてくるものです。
自分の枠組みで解答を書いていても同じことの繰り返しになることがあります。
そしてどこかで自分の考えに自信を持てなくなることがあるんですよね。
特に各問の内容が、
わりとどうにでも取れる質問だったりもしますので、
《こう考えればいいんだよね…》
と自分の都合のいいように解釈している場合もあります。
また、
自分にどこか自信が持てずネット検索してみたり色んな人に考えを聞いて、
人と同じ場合は安心して自身の考えを強化していったり、
人と異なった場合は考え方を修正したり、
信頼できる複数の人から異なることを言われたときは忽ち迷ってしまったり…
と、
このように些か心が忙しないというか、
弱さみたいなものが出てくるようにも思います。
人との異なりがあることは大切でしょうし同じである必要はない気がします。
もし受検者の方々が同じ考えであったとしたら、
それはそれで不自然ですし違和感を覚えます。
一例として異なりがあることのひとつに、
論述問題の字面を追って読むという傾向が強い方とそうでない方といらっしゃるかと思います。
恐らく、前者は事例問題に書かれている問いに注目して考えを答えていくという作業になりやすいと思います。
特に書き手の立場より、自分ならどうするかという視点が強い方も多いかもしれません。
この場合、自分で書いた解答文章を読んでみて、
なんとなく《これでいいのだろうか》という正体のわからない疑問がわくこともあります。
どうしても自分が中心になってのパターン化した書き方になる傾向があるからかもしれません。
一方、
文章の意味を理解して読もうとする傾向がある方は、
書き手の立場に立ってその場面を汲み取って読んで感じてみたり、
自分の感じ方を客観的にみて自問自答できたりするのかもしれません。
今読んでいる事例が事例相談者のまとめたものであるということを大切にできることもあると思います。
よって然程紋切り的な考えや表現にはならないのではないかと考えます。
論述過去問の必須問題について、
問1をどのように考えていくかというとき、
その事例を読んで記録情報だけからAの問題を書く人、
事例をまとめた事例相談者がAの問題をどう捉えているのかを読み取りながら自分の考えを整理してみる人、
この二つの考え方だけでも大きく異なりが出てきます。
各問の考え方は受検者の考え方それぞれでよいと思いますが、
実技試験として論述問題を考えていくことを意識してみると、それぞれの経験や価値観等がそこに表れるようにも思います。
事例指導やスーパービジョンの面接を日頃から実践経験している人は、
その感覚をもって事例を扱うことができると思います。
実践経験がなかったとしても、
自分自身が事例相談者の立場に立って事例指導を受けにいくイメージを膨らませられる方は、
自分がまとめた事例をどのように扱って欲しいか、
それを想像してみれば何か浮かんでくることがあると思います。
事例指導を通して事例相談者がどうなることがよいのか、
決して事例指導者のコントロール下に置いてはならないことを含め、
効果的な事例指導をどのように考えるかは、
自分自身の経験や考えを大切にして臨むことだと思います。
それは筋の通った自分の答えを導き出す最良の方法なのだと私は感じています。