禁断的なる日記タイトルですが…

 

最近、流行っているからなのか、

「人それぞれだから…」

という言葉の表現を否定的に示す方が随分と増えました。

 

インターネットなどでも検索してみるとごまんと出てきます。

 

今までその言葉を大切に使っていらっしゃいましたよね…

と、ある先生にお聞きしたくもなることもあります。

 

わざわざ蘊蓄をもって「人それぞれ」という考えを否定される人もいます。

 

人は変わるし、正しいことも変わっていく。

当然なのかもしれませんが…

大事なところで矛盾していると、どうも気になってしまいます。

 

「人それぞれ」

というのは、ある意味確かであり、冷たいことでもなんでもなく、

 

例えば、

お互いに尊重し得る関係性ができるとするならば、

それはそれぞれ自然体で個別性を感じられるものです。

 

いちいち「人それぞれ」と言わなくても、

当然のようにその「それぞれ」についての魅力を互いに尊重し、

認識し合えることが素敵だなと感じます。

 

私はキャリア形成支援にかかわっていて

「人それぞれ」という考えを大切だと思うことがとても多いです。

 

大なり小なりそれぞれ異なりがあるわけですから、

例えば、どうしてそのように考えるのか、

あなたのことを本当に知りたいと思えることも大事ですよね。

 

「人それぞれ」の魅力を発見できたり気づきを感じます。

 

さて、今回はその「人それぞれ」につながるお話しなのですが、

CVCLABの1級キャリアコンサルティング技能検定試験対策講座の中で、

「論述試験の問題をどのように考えるのがよいか…」

といったご質問をいただくことがあります。

 

これもまた「人それぞれ」だと表現しても間違ってはいない気がします。

 

もう少し丁寧に書くと、

「正しいは人それぞれ」と表現した方が適切なのかもしれません。

 

「あなたの考えを記述せよ」と問われているのですから、

ここはご自身の考え(認識等)を正しくそのまま出せるといいですよね。

 

それが間違っていたら怖いとか、嫌だとか。。。

試験に失敗しないためにも方向性だけでも確認しておきたいという気持ちがあるかもしれません。

 

いや、大丈夫でしょう。

 

キャリアコンサルティングについて真剣に考えている方であれば、

そのままでいいのではないかと思うのですが、何かダメなことなどあるのでしょうか。

 

問題全体から何を掴み、各問をどのように受け止め、

何を解答に記述することがこの事例を持ってきた事例相談者の目的達成に近づくのか。

 

要するに

「キャリアコンサルタント(事例相談者)の成長を目的とした関わり」

を実技として示すことができれば良いと思うのです。

 

各問での考え方について

(どう書けばいいのか)(これでいいのだろうか)

といった不安が生じることがあるのかもしれません。

 

ただ、それを誰か(先生や先輩等)に聞いて、

「ここはこう考えたらいい」「これが正しい」

と教えてもらったところで、その通りにしてその方は本当に合格できるのでしょうか。

 

特段、その通りにしなくても1級に合格する人は何人もいます。

 

「正しいは人ぞれぞれ」でしかありません。

 

人から聞いた話をきっかけに

「あの人はこう言ってる」「この人はああ言っている」「ごちゃごちゃになりそう」

と混乱している人もいらっしゃいます。

 

試験に対して他者の考え方を受け入れ過ぎなのかもしれません。

 

先日、私もあるきっかけから、

ある記述式問題のことで、尊敬している先生に考え方を伺いました。

 

すると結果、私の考え方と異なるところがあったのです。

 

10年ほど先生から教わってきたことを大切にしていますが、

改めて新たな発見となりとても刺激的でした。

※試験対策としてお聞きしたのではなく実践での進め方についての考えを聞きました。

 

興味深いもので、

同じ考えを持つ人、全く違う人、それぞれなんですよね。

1級ホルダーでも「人それぞれ」です。

 

改めて信頼のある仲間や先輩等と意見交換し、

それは私の中でひとつの新たな答えが出た瞬間でもあり、

これもまた受検者の方へ伝えていく必要があることなのかもしれないと改めて考えました。

 

要するに、自分で自分なりに基礎を土台に能動的に創造していくしかないわけです。

 

あれこれと納得できる道(正しい道)を先生に示してもらいたいというニーズがあるうちは学習に対して受動的だと感じます。

 

自分の考えを軸にして、それをみがいていくつもりで色々取り入れていけばいい。

 

他者の考えや意見から答えを導き出そうとするからうまくいかないのだと感じます。

 

どんな素晴らしい先生(仮に試験官の先生)が言ったところで、

正解はひとつではないでしょう。

 

考え方も人それぞれでいいはずだと思います。

勿論、CCの基本的スキルを備えていることが前提ですが…。

 

特に1級キャリアコンサルティング技能検定試験の論述試験や面接試験について、

ある特定の他者の考えに依存し、本来の自分を発揮できなくなっているとすれば、

それはすごく勿体無い話しだと感じます。

 

論述試験の正しい考え方としてひとついえることだと思うのですが、

事例指導者として必要以上に高い水準を求められていると認識している受検者ほど、

事例相談者の問題点を探り、命令的・観念的、紋切り型の記述が多くなったりします。

 

圧力を自分でかけているからこそ、

教育的、管理的な側面が出てくるのではないかと思うのです。

 

支持的な側面を大切にした解答もできる試験なので、

ご自身の中で色々と試してみてほしいと思います。