この週末の2日間、
横浜で1級キャリアコンサルティング技能検定の対策講座を実施いたしました。
ご参加いただいた皆様、どうもありがとうございます。
受講者様の様々な考えを共有していく時間になり、
一人ひとりの疑問や課題などもお話しいただく時間もできました。
本日、横浜では8月の講座プログラムの3日目となります。
ご予約をいただいている方には横浜までご足労をお掛けいたしますが、
どうぞよろしくお願いいたします。
さて、今回の記事タイトルは、
事例指導を実施する際、事例相談者の積極的思考が面談の振り返りに重要な働きを持つことをテーマにしたいと考え決めました。
例えば、
事例相談者に対してネガティブフィードバックを中心に実施した場合どんな現象が起きるか。
事例相談者の積極的思考を阻害することになり兼ねません。
これは事例指導の場面だけではなく、
学習者に向かって指導者がネガティブフィードバックを行うことが、
どんな現象を引き起こすのか、実際にやってみると割とわかりやすい結果が得られます。
勿論、人それぞれの反応が起きるので一般化することは不可能ですが、
大凡の傾向としてネガティブな現象が起こりやすいことは想像に容易いことです。
多くの研究事例等においても紹介されていることですが、
人にストレスとなるプレッシャーを与えたり、指摘する、否定する、非難するなど、
相手に与えるであろう影響を考えずに行った指導らしき行為は、
指導者が意図しないところで暴走することがあります。
事例相談者の問題を示すとします。
それが事例相談者が納得できる内容であればいいのかもしれません。
納得できるとは、事例相談者が求めていることだったり、
事例相談者自身が気にしているところにつながるときなど、
その納得度合いは高いものになるでしょう。
一方、
単にキャリアコンサルタント的(指導者)な見方「あるある視点」からの指摘だった場合、
それは指導者側の視点が優位に立ってしまい一般化しているに過ぎないことにもなります。
事例相談者からすると心外なこともあるでしょう。
事例相談者は学びにきている立場だからこそ、
事例指導者に対して滅多なことではあからさまに反発することはないかもしれません。
しかし、事例相談者の脳機能としてはどうでしょうか。
事例指導者にとって、
事例相談者の脳機能の状態まで観察することは難しいです。
前頭前野が感情コントロールで手一杯になってしまい、
無気力な感覚が出てきたり、放り投げたくなってしまったり、
また、集中力が低くなっていくことから多面的な視点や柔軟な思考が得られなくなります。
事例指導に向く力が削がれてしまうのです。
結局、積極的な考えは失われていくことにもなるでしょう。
1級キャリアコンサルティング技能検定の実技試験(論述・面接)では、
そうした実際の事例指導を極自然に表現していく場面であると思います。
形式的な解答記述、ロールプレイ、口頭試問になることはナンセンスです。
事例相談者のキャリアコンサルタントとしての成長を目指すためには、
事例相談者が自身の面談経験からの開放性を高められるような関わりを意識することが、
事例指導者の役目だと思います。
それは事例相談者の喜びや好奇心などのつながりに大きく影響していきます。
ポジティブフィードバックが事例指導の場面でどれだけ有益なことかを、
事例指導者が知っていることが重要なのだと考えます。
事例指導者のあり方が、
事例相談者の専門家としての人間的成長にも影響するのでしょう。
問題を問われているからといって、
事例の中の問題(現象)ばかりに焦点を当てるのではなく、
事例相談者に焦点を当てながら事例相談者が抱くモヤモヤにつながる点を課題に設定していくことができる指導者が必要だと思います。