昨夜はオンラインで1級キャリアコンサルティング技能検定試験の対策講座を開催いたしました。


全国から20名の1級受検予定者の方にご参加いただき、

私がご提供した架空の事例をもとにして事例指導を考えました。


グループで意見交換をしたりその内容を発表いただいたりしながら、

個々での新たな気づきなどにつながる時間が得られたのではないかと思っています。


平日の夜、

お忙しいところ欠席される方は一人もなく、

講座を無事に開催出来たこと、心より感謝申し上げます。

どうもありがとうございました。


さて、今回ですが、

キャリアコンサルティングの基本にもなるのではないかと考えていることを改めて記事に書いてみます。


実践家の端くれとして必要なスタンスではないかと真に考えていることです。


読者の皆様はキャリアコンサルティングをする人をキャリアコンサルタントだと考え日々学びを深めているかと思います。

勿論、私もそのひとりのつもりです。


表現を変えてみたとき、

キャリアコンサルタントは、

目の前の個人や組織がキャリア形成について、

何かしらの支援をお望み(顕在的•潜在的含む)であれば、

カウンセリング的、コンサルティング的な側面的な関わりを通し、

いつでもその人にとっての真ん中への支援が提供できる姿勢を整えている人ということだと思います。


少し変化させて、

手あげではない「仕方なく面談に来た人」をテーマにお望みがない場合を想定した面談方法等を考えていることもあるようですが、

わざわざそのような切り返しの方略みたいなことをしなくとも、

原点には、人には何かしらの望みはあるわけで、

如何に安心してそれを言葉にして語ることができるのか…

そこに人間同士の真の交流のポイントがあるのだともいえます。


そのために色々と武装し、諸道具や情報等を使い、

なんとか自分の技能が高いものになるように準備を重ねているということもあります。


クライエントを含む、

誰か、何か、

に認めてもらうために私たちは勉強しているということもあるかもしれません。


ここまで人や組織へのサポートに関わってきて、

改めて基本中の基本に立ち返ってみたとき、

キャリアコンサルタントとかキャリアカウンセラーという人が、

何かを提供しなければ…と考えていること自体、

実は人のキャリア形成支援になっていないのではないか、ということを感じたりします。


つまり、

キャリアコンサルタントが何か特別なスキルを持って目の前の人へミラクルなサービスを提供する…


こんなことはあり得ないことでしょう。

※たまたまということはあるかとは思いますが…。


そんなことができる…

と自信をもっているキャリアコンサルタントの方がいたとしたら、

その方がみえていないところでクライエントが怒っていたり泣いているかもしれません。


一例として、

科学的な根拠に基づき一時的に誰かを説得することは出来るかもしれませんが、

それがキャリアコンサルタントの学びや仕事なのかといえば、

それは随分と偏った専門家らしき人たち中心の考えにもなりそうです。


何が基本中の基本になるのかな…


と考えたとき、

結局は目の前の人との交流がすべてだということがわかります。


それを自分でできていると評価したのならば、

随分と傲慢な傾向があるのかもしれません。


交流はひとりではできません。


この個別の相互の交流について常に真剣に考えている人が、

対話の醸成を図ることが上手な人なのだと今更ながら実感します。


ある人にとって、

人生の過渡期に差し掛かっているとき。


その人のお話しを聴きながら、

その人の中心からズレていくキャリアコンサルタントほど、

キャリアコンサルティング面談がうまくいかない結果となっています。


要するに、

キャリアコンサルタント側の視点(価値観みたいなもの)が邪魔をしているようです。


キャリアコンサルタントが何か専門的な特別サービスをしなければ…と考えている場合、

面談を専門的、構造的に分析するとか、事例の見立ての訓練をし過ぎているのかもしれません…


と、このように思うことがあります。


これでは人のキャリアを大切にしていることにはならないようにも感じます。


そして、

実は事例指導やスーパービジョンでも同じことが起きやすい気がします。


できる人ほど人の気持ちがわからないこともありますよね。

理論武装された隙のないような人に自分の弱さを曝け出せない。

そういう人もいらっしゃいます。


勉強の考え方次第では、

同じようなお考えの人が集まり歪みや偏りが生じることもあると思うのです。

そして思い込みが強化されていくことも…。


人と人との交流(コミュニケーション等)をなるべく中心からブレることなく意識しようとすることは、

キャリア形成支援に必要な技能なのだと考えます。


また、キャリアコンサルタントを育成支援する事例指導者やスーパーバイザーの必須のスタンスや技能でもあります。


語る人の中心からブレずにお話しができるってかなり難しいことで、

なかなか上出来とは言えないのではないでしょうか。


何か新たな面接方法やノウハウ等を頭で考えるより、

常に原点に集中していくことが必要なのだと改めて考えます。


そしてそれは普段の生活から変わらないところもあり、

ただ大抵の人は人との相性等に左右されてしまうことが多いでしょう。


キャリアコンサルタントはそのブレみたいなものがトレーニングや経験などによって、

比較的抑えられる技能があるということにもなると思うのです。


一般の方とプロフェッショナルとの境目はそんなところにみえてくる気がします。