普段、鏡に映る自分や友人、
その顔をみたとき、特に違和感なくみえています。
意識してみれば、反対に映っていることはわかりますが、
普段から鏡に慣れている私たちにとってはそこまで妙な感覚にはならないと思います。
しかし鏡ではなく、
実際にその人に会って認識できるライブのその人の顔が、
実は本当の顔であるということも大事な理解だと思います。
鏡で映り込むときの顔の表情を普段の生活観で眺めてみることと、
キャリアコンサルティングやカウンセリングの面談をおこなっていきながら確認していくその人の顔の表情の変化などはまるで異なりがあります。
特に、何か言葉や態度による刺激を受けた側の
その瞬間のその人の顔の変化、声の変化等は相当に重要なサインとなります。
実はその人のその時の顔は、
その人自身は自分でみることはできません。
その本当の顔の表情というものは、他人がみている、知っていることになります。
本当の顔、その時々の自分の表情の変化等、
それを知っているのは自分ではなく他者なのです。
多くの方はそれを普段の生活の中で語ることはありません。
大抵の場合、
自分のことは自分が一番よくわかっていると発言されますし、
本当にそう思っているようです。
「他人には私のことはわからない」と思っている人がなんと多いことでしょう。
自分(私)が知っていると思っている「思い込んでいる」自分自身(私)と、
他者が知っているとする自分(私)のこととの隔たりのようなものが埋まることはないにしても、
少なくとも、他人が知っているとする自分(私)は、
その人にとって自分自身(私)そのものなのであり、
実はその理解がキャリア形成上の自己理解に重要だということもあります。
だけれど、それはとても難しいことですよね。
例えば、
(あなたのことを知っています)
と伝え、
(この時、あなたの表情にこうやって出ていた…だからこうでしょ?)
と教えたところで、その人は違うと言いたくなるでしょうし、
他人に自分のことを決めつけられることは心外でしょう。
ご本人が、
「自分のことが見ることができていない」
「この人に自分自身の見え方を教えてもらおう!」
といったモードの切り替えができていれば少し異なるかもしれませんが、
普段の生活の中でそのようなことをきっかけにした
建設的な話し合いが行われることは少ないかもしれません。
そもそも相談をする人が、
自分の理解を深めておく必要があるということにもなります。
そして大事なことは、それは相談する側が自分一人ではできない。
だからこそ私たちが鏡のような役割を担いながらも大事なところで適度なボールを投げる。
相談している人にとってそのボールがビンボール(危険球)でない限り、
ちょっと手を伸ばしてボールを取りにいきたくなる。
つまり、自分の見方等を変えてでも鏡に映っていない自分を見直すことにつながります。
私たちは目の前の人(クライエントでも事例相談者でも)に純粋な関心を抱くことで、
自分自身の気づきや成長感に関心をもつことができるようになっていきます。
※先輩から教わってきたことです。
それは鏡に映っている自分だけではない、
専門家としての重要な自己理解に発達していくのではないかと感じます。
1級キャリアコンサルティング技能検定試験に挑戦すると決め、
キャリアコンサルタント人生を生きると覚悟したのであれば、
心理支援を行うものとして自己理解は永遠の成長テーマになるのでしょう。