1級キャリアコンサルティング技能検定試験の受検準備を進めている方にとって、

実技論述試験はなんとも気にかかる存在ではないでしょうか。

 

(これまでこう書いてきて合格水準に達していたから今回もそんな感じでいいかな…)

(論述ではこれまで65点〜70点は取れているから大丈夫!とにかく面接なんだよね…)

 

このように論述試験に関し〈安泰だ〉と考えていると、

自己評価とズレた結果となるケースがあるからこわいですね。

 

ご自身が適切に課題認識ができていると思い込んでいると、

それがズレてしまっていることに気づきも得られず、

結局、論述だけではなく、面接試験で安定感がなかったり、

自己が中心となる事例指導のロールプレイにつながってしまうこともあります。

 

論述試験も面接試験と同じく実技試験であることを理解しておきたいものです。

※同じく…という表現が適切ではないとも思いますが。。。

 

あの時は論述試験で〈こう書いていて合格に到達〉していたのに

今回はなぜか全くダメだった…なんで?どうして??

というような感想はとても多いのです。

 

こう書けば合格点に到達するのだ…思っていること自体、

ズレている可能性があるかもしれません。

 

《そのように書いたから合格の水準に到達していたのではない》

ということを考えてみたいものです。

 

論述試験においても、

先ず、実際の事例指導の面接場面を浮かべられることが大事だと思います。

 

この場が誰のための時間であり、そして何が目的であるのか。

 

受検者の評価のためにこの場(試験)があるのだと考えている方もいらっしゃるかと思います。

それは試験官側のお仕事であり、

受検者としては、事例指導を実施するにあたっての実技基礎レベルを点検してもらうつもりで臨むことが大切な気がします。

勿論、試験官から評価を得るために受検するという目的もあるかもしれませんが、

実技試験ですので筆記試験のような感覚で論述試験に臨んでいるとズレていく気がします。

 

そのズレを考えても考えてもわからない場合は、

ランダムに自問自答する形で実践的に文字で表現していくのです。

※私の毎日の練習帳です。

今でも繰り返し続けていますが型にはめたようなブロック学習的なことは一切しません。

 

過去問はそれぞれの方に独力の学習等で活用して欲しいと考えられ、

キャリアコンサルティング協議会で公式にアップしているのだと思います。

 

せっかく過去問が公開されているのですから、

そこに掲載されている事例を活用して、本来の事例指導の基本的なポイントにフォーカスし、自問自答していけばアウトプット力は極自然についてきます。

 

その基本的なポイントというのは、

事例指導の面接を考えていくときに実技として必要な要点です。

 

例えば、

「この事例相談者は相談者の問題をどのように捉えているか…」

と自問自答するとします。

 

キャリアコンサルタントがクライエントの問題を把握していく際、

大概は、

・相談者視点の問題(相談者がキャリアコンサルタントに聴いて欲しいこと)

・事例相談者視点での問題(相談者が気づいていない自分の問題等)

の二つが浮かんできますよね。

 

それらを「この事例相談者」がどのように捉えているかが重要です。

 

一例ですが、事例指導を実技として実施していく際、

事例相談者の成長支援プランを立てる必要があります。

結局、それを言葉にすることが重要です。

 

その時に事例指導者の勝手な解釈で事例を決めつけてはなりません。

 

一番に大切なことは、

この事例をまとめた事例相談者が、この事例をどう掴んでいるのか、

これを事例指導者が理解していく過程なのです。

 

論述試験はまさにそこがポイントになると考えます。

 

事例(過去問ケース)を読んで、

上記のような自問自答を繰り返ししていると、

自分自身の今の状態の変化によって事例を異なる見方でみる力も付きます。

 

このノートは2022年からの分。既に7冊になりました。

ノートの種類を揃えたいとは思うのですが…その時の気分でノートを変えています。

 

私のこのアウトプットの学習方法は10年以上継続しているところで、

今では段ボールいっぱいにノートが蓄積しています。まさに宝物です。

 

その時々の時代背景を生きる自分自身から生み出されたノートに描かれた文字達。

それは実際に現場の相談者支援にも、事例相談者支援にも、

そして自身の成長にも生かされています。

 

1級の論述試験に向き合うとき、

自分の言葉で実技として表現していく力を育てていくには、

やはりご自身でやるしかありません。

 

何より、現場力。

 

それを大切にして臨んで欲しいと願います。

それは自分にぴったりの生きた教科書になるのではないかと感じます。