毎日に感謝を感じられること…
意外と難しいことなのかもしれません。
キャリアコンサルタントを生きる人は、
「人の役に立つこと」「他人を助けよう」といった思いがあると思います。
キャリアコンサルティングの土台はカウンセリングであり、
カウンセリングを実施するカウンセラーの人間性とか人間観はどうしても外せません。
カウンセラーの人間力はクライエント支援に反映していくると思います。
「人の役に立つ」「他人を助ける」といった思いは、
日常の中で本当に感謝を感じられるか否かで随分と異なるようです。
感謝を感じることが、その人の心にどのような影響を及ぼすのか、
そんな研究もあるようですね。
カウンセラー、そしてキャリアコンサルタントが、
ご自身の毎日に感謝を感じられない状態であるのならば、
それはクライエント支援が適切にできる状態にあるとは言えないのかもしれません。
勿論、これは事例指導やスーパービジョンにも当てはまることだと思っています。
さて、感謝という言葉は偉大で…
本当に心から滲み出る感謝はとても素直で謙虚で誠実な心の状態だと感じます。
人によって実に様々な感謝が生まれます。
少し私のエピソードにお付き合いください。
先日、このブログ記事で、最近ビルの階段を見つけたら体力作りの一環として、
階段を上ったり下りたりしているお話しを書きました。
私事のつまらないお話しで恐縮してしまいますが、
記事をお読みいただいた読者の皆様に感謝です!
講座等で読者の方にお会いすると、
「小林さんは階段を見つけるのが趣味なんですね。
体力作りなんてすごいです。見習いたいけど無理だわ〜。」
というようなお言葉をかけてくださることもあり、
私は褒められたような錯覚に溺れ、わりと喜びを感じてしまいます。
随分と単純ですよね…苦笑
ここからが本題なのですが、数日前、あるビルの階段を上っていたら、
5階ほどのあたりに小学生の男の子がポツンと非常階段に腰をかけていました。
その男の子はランドセルを背負ったまま、
手に色紙の切れ端を持って元気がなさそうな感じです。
私はまさか人が座っているとは想像もしていなかったので、
突然の男の子の出現に「わぁ…」と少し小さめで驚きの声を出してしまい、
また、その男の子も『わぁ!』という感じに驚いた表情をしてました。
「ごめんね」と謝って目的の階まで階段を上り、
30分ほど要件を済ませてから今度は階段を下りていきました。
先ほどの上りの時に出会った男の子を思い出し、
流石にこの暑い日にそのまま階段にはいないだろうと思っていたのですが…
なんと、同じところにまだ男の子は座っていたのです。
心配になり「どうしたの?」
と聞くと、首を横に振るだけ。
手に持っていた色紙に目を向けると、
そこには(ホームランをうちたい)と小さな文字が記されていました。
「野球…やってるのかな?」
と聞くと「うん」と力強く答えてくれました。
5分ほど話しをしてわかったことなのですが、
男の子が手にしていた色紙について、
そのビルのエントランスに飾ってある七夕の笹に願い事をするための短冊でした。
「一緒に行ってお願いしようか?」
と聞くと、最初は少し迷っていたのですが、
男の子は勇気を出して短冊を飾ることに決めたのです。
「ホームランが打てるかどうかわからないけど…がんばる」と言ってました。
お母さんが病院から応援してくれているということです。
階段の上り下りでまさかこのような出会いがあるとは思いませんでしたが、
男の子との出会いに感謝です。
その男の子のおかげで、
昔人生の先輩から教えていただいた言葉を思い出すことができました。
【夢が叶っても叶わなくても、今、願えることに感謝。】
今になって、この言葉が身にしみます。