私たちは日々の生活の中で得られた情報等によってあらゆる認識や判断をおこなっています。

 

キャリアコンサルティングの中でもクライエントが諸結果や数値情報等にネガティブ感情を抱いていることも少なくありません。

根拠のない数値情報や想定外の結果に右往左往して悩んでいる人もいます。

 

キャリアコンサルタントもその結果にとらわれていることもあり、

クライエントが発した情報の意味を深められないまま理解が浅く面談を進めようとしていることもあります。

 

事例指導の面接においては、

そうした事例相談者(キャリアコンサルタント)の認識状態を背景まで把握し、

事例相談者のことをどこまで理解できるかは指導ポイントの大切なところにもなるように思います。

 

お話しは少し戻り、

人は結果のインパクトだけで判断をしてしまうことが多いようです。

 

結果が出たときはほめ、結果がでないときは努力不足を指摘する。

自身にもそんな態度をとってしまうこともある。

こうしたシーンは日常生活の中であちこちに溢れていますよね。

 

結果と成果はまるで異なります。

一緒にしてしまうと混乱します。

 

結果がどうであれ、その人の成長に繋がることは必ずある。

その行動や取り組み方によって成長できているところをフィードバックすることもできるのです。

それはその取り組みの成果とも言えるのでしょう。

 

キャリアコンサルタント同士で学び合っているときに、

時々「そこ、ほめなきゃ」「承認しなきゃ!」という表現を言い合っているシーンにであいます。

 

改めて、記事にしてみたいと思うのですが、

「ほめる」「承認する」という行為は、

例えば、ほめようとしている側が上に立っているようなイメージがあると良くない気がします。

 

勿論「ほめる」ことは悪いことではないでしょう。

 

ただ、勿体ないことに、これをセンスのないところでやってしまうと、

逆効果というか、ほめられた方は馬鹿にされた感覚に襲われることがあります。

 

誰かをほめるということは、

何か良き結果(良い現象や行動)に対してほめるということになるのかもしれません。

ではもし結果が悪かったときはどうでしょうか。ほめられるでしょうか。

悪い結果に対して慰めや励ましではなくほめることができるのでしょうか。

ほめることや承認することは、

どうやら良き結果が出ているときに行う行為に近いかもしれません。

 

悪く表現してしまうと、

良き結果を出せない人はダメという評価にもなることもあり、

残念ですが、この世の中そうしたことをおっしゃる偉い方は未だに多いと思います。

 

生きるということは、結果が出せるか出せないかではないと思うのです。

それは何かにとらわれている感じです。

つまり長続きしないことが多い。

結果を出すためだけに生きることはきついことでしょう。

そもそも結果ってなんなのだ?とわからなくなることもあります。

 

人は、そこに存在しているだけで誰かの力になります。

 

少なくともそれがわかっていること、

それがカウンセラーとしての真の仕事に繋がるのではないでしょうか。

 

本質は人を「ほめる」のではなく、この限られた特別な時間だけでも、

その人と共に喜ぶ、共に悩む、共に生きることが大事だと信じています。

 

それがキャリアコンサルタントを生きる原点であり、

他者の人生に関わっていく仕事のあり方のひとつなのだと考えます。