どのような世界でも情報はとても大切です。

情報活用の目的や時間等に応じ、

収集、整理、分析、伝達の重きを置くところが変化することもあるでしょう。

興味深いことに、情報を収集するにしても整理するにしても、

また分析、伝達するにしても、それは全て自ら創り出していく力のあり方によって、

その情報の存在感や影響力が相当異なるということです。

情報の受け手、そして送り手の双方にとって影響があります。

 

少しだけ具体例として記事にしてみたいと思います。

 

1級キャリアコンサルティング技能検定試験を受検しようと考えたとき、

現代では、多くの方がインターネットの検索という行動をとります。

キーワードは「1級キャリアコンサルティング技能検定」「合格」「受検」「試験対策」「合格体験記」「難易度」「過去問」「口コミ」「人気」「合格方法」等々。

挙げたらキリがありませんね。

概ね上記のようなキーワードは受検を考えた人であれば入力したご経験があるのではないかと存じます。

 

しかし、自分が持つ課題解決の方法がどこかに書いてあるわけはありません。

自分の状態に近い情報を見つけたときは、何かの光を見つけたような錯覚に陥ってしまうこともあるでしょう。

勿論、それで元気が出るのであればいいのだと思います。

 

インターネットだけではありませんが動けば様々な情報がヒットします。

この行為自体は情報収集の入り口のひとつにもなり、踏み込んでいけばいくほど、

情報の取捨選択を自動的にも意図的にも行っていることになります。

 

自分の情報収集の行動自体を丁寧に記録して得た情報を整理していく人もいれば、

自身の感覚や記憶に頼って特段代償的な記録もせず適当に整理していく人もいます。

どのようなスタイルもありだと思います。

つまり、こうした行動自体、自ら情報を創り上げていることであり、

それ自体を自身で理解できているのかどうかが大切なのです。

 

例えば、ネット検索の情報自体をあくまで他者の情報と認識している方が多い。

発信している側も、実は「自分の情報」としている人も多いのです。

それはある面ではそうかもしれませんが…

要するに各メディアから得た情報とか、人から聞いた情報とか、

その人はそのように表現するかもしれませんが、

人によって同じ情報を得たところで注意が向くところが人によって全て異なる。

その解釈も全く異なることがあるのです。

 

これは発信者と受信者のギャップとして必ずといっていいほど起こります。

 

ここで何をお伝えしたいのかというと、

情報収集・整理・分析・伝達という過程の全てにおいて、

更なる情報をその人が自分自身でつくっているのだということです。

 

だからこそ、情報収集の目的がそこにしっかりあり、

自分で必要な情報を集めてくるという行為に意味を持ち始めるのだと考えます。

 

キャリアコンサルティングを実施していて、

クライエントの情報収集不足を感じることがありますよね。

それはキャリアコンサルタントが考える情報収集の目的と、

クライエントが考えている目的が異なれば当然にギャップが生じます。

その根幹にあるものを理解しないままキャリアコンサルティングを進めようとしても大きなお世話になってしまいます。

事例指導もスーパービジョンも類似したことがいえると思います。

 

お話しは戻りますが、

1級キャリアコンサルティング技能検定試験を受検しようと考え対策方法を検討していこうと考えているとき、

そもそも、それはどこかに書いてあるのでしょうか。

 

《合格の秘訣につながる情報》=《私が納得できる合格方法》

といった感覚で情報がどこかに書いていないだろうかと考える。

 

そうしたモードのまま、

仮にインターネット検索をして良さげな情報に頼ってしまったり、

例えば他者の合格体験記を読んだところで有益な情報とはなり難いのではないでしょうか。《こうすればいいのかぁ》《これでいいんだな》といった安堵感を誘発する言葉でしょうか。

 

ご自身に必要な情報はなんなのか。

1級キャリアコンサルティング技能士を生きると決めたのであれば、

これをしっかりと自分の中で整理しオンリーワンな情報を創り出していって欲しいと願います。

 

1級キャリアコンサルティング技能検定試験は実技の合格率が結果として独り歩きしていますが、実技試験の合格を難しくしているのは受検者ご自身であるとも表現できます。(私の感覚です)

本当に必要な人にとって全員が合格してもおかしくない資格試験だと思います。

※本物のキャリア形成支援に取り組もうとしている方であれば事例指導やスーパービジョンは必要になります。(資格ではなくて)

 

目的を持った情報収集というのは、

本当は情報を自分でつくり(収集し)整理することです。

他者の情報に寄りかかっていくことではありません。

いくらデータの科学的根拠が整っていようと、

いくら著名人がものを発していようと、

それを受け取る側の枠組みで情報は処理されていくこと、

そんな自分をわかっていることを大切にして欲しいと思います。