「汎用性のあるスーパービジョンモデルの確立」
ある先生がこのようにお話しされました。
※平木典子先生がお示しされたことを踏まえて話をしていると当時お聞きしました。
上記の言葉を私なりに今理解している範囲で日記にします。
それぞれに特化したスーパービジョン(それに類似しているとされる行為等)は、
様々な形で各領域の現場等で実践されていて(されようとして)、
特定した専門領域での研究等は日々進み、変化し、
深められながら広がっていくのではないかと想像します。
各分野に関わる人や組織にとって、
その得意分野に没入することは重要だと思います。
それとは分けて考えて書きます。
特定の分野だけのことではなく基本的な考え方。
様々な領域でのキャリア形成支援に応用できるスキル。
あらゆる理論、種々の学問等に通ずる訓練プログラムは確立されているものではありません。
だからこそ様々な分野で活躍している実践者同士が自分の専門領域の枠組みを外し、
一人の振り返りとは異なる水準で取り組むことができる。
バイザーの役割の人が基本を大切にされていることが必須です。
基本は卒業したという自己評価が強いと、
つい自分にとっての高次なステップにいきたくなることもあります。
特定の領域に特化した学びやトレンドワードが取り込まれた場は魅力を感じたり、
早く取り込みたくなるという心理が働きます。
こうした勘違い等からクライエント支援が偏ってしまうリスクも多々あるのです。
仮にその業界でいくら「凄い人」だとしても、
それはその世界の中で役立つことは良いのですが、
仮にそれでは、
面談の基本となる視点でのバイジーの成長ポイントについての問題把握が弱くなることがあります。
バイジーとの関係性にもよくない影響が起こることもあるでしょう。
あらゆる分野でのバイジーを、
本当に理解しようとできるところに、
スーパービジョンの強くしなやかな土台が成り立つ大切なポイントがあるように思うのです。
キャリア形成支援を業として生きようとする全ての人に通ずるスーパービジョンの基礎。
例えば
企業領域だけではなく…
教育領域だけではなく…
医療領域だけではなく…
いわば、
スーパーバイザー初学者・訓練生にとってのベーシック且つ本質的な学習モデルは、
結局のところどれだけ経験を積んでも、
いつまでも初学時の基本の学びを卒業することは出来ない。
卒業どころか、
初学者と共に自身が基本を深めていく必要があると考えます。
キャリアコンサルタントの基本を卒業するプログラムはこの世に確立することは永遠にないでしょう。
勿論、ご自身の得意とする専門分野をも同時に実践的な学びを続け深めていく努力を行う。
どちらの学びも並行していくことは大事だと思います。
こうしたバイザーの姿勢や態度自体がモデルとなり、
あらゆるキャリアコンサルタントへのメッセージにもなり、
あまねくゆきわたることにつながると思うのです。
スーパーバイザーというタイトルは特段すごくない。
業界内でスーパーバイザーというキーワードが内輪なる歩きをしてもなにもならない。
本当にすごいのはクライエントであり、
また、そのクライエントの幸せを常に願っているキャリアコンサルタントです。
※「すごい」という表現が抽象的ですがその意味はそれぞれの感じていることに置き換えていただけたらと思います。
自分はできてないと本心から思えているキャリアコンサルタント、
そんな方が本当のバイザー役割ができる人だと思います。
だからこそ自分の面談について常に反省的振り返りをしようと心得、
スーパービジョンを受けたいと行動できるのかもしれません。
スーパービジョンを適宜受けている人はバイザーの役割を学ぶときもまた新鮮で得るものも多いです。
そしてスーパービジョンは「こういうものだ」
とバイザー側が決めつけた瞬間に視野が狭くなり、
またそれはバイジーやクライエントの成長を邪魔する発想につながります。
基本について、いつも向き合っていることが、
自己そして他者の人生を豊かにするひとつの姿のように思います。