1級キャリアコンサルティング技能検定試験のロールプレイで
「システマティックアプローチをご存知ですか・覚えていますか」
「マイクロカウンセリングのかかわり技法と積極技法はご存知ですか」
「コーヒーカップモデルはご存知ですか」
という意味合いのことを
事例指導の面接がある程度進んだところで
事例相談者に問いかけるシーンを観ることがあります。
場合によっては、このやり取りだけで、
事例相談者の時間を数分間使っているケースもあり、
結局は30分間の中であと数分あれば目標の共有くらいまで行けたのに…
というような自己評価をしている。
※実技のトレーニングを観察していてそうしたシーンに出会います。
私が感じることは、時間がもったいないということです。
事例指導の面接の場は、
システマティックアプローチの学習会・講習の場ではないのに、
なぜ今ここでその説明を事例相談者に行うのだろう?ということです。
勿論、事例相談者がシステマティックアプローチを勉強したいと希望している、
または、
事例相談者の理解を深めていくため、今ここでシステマティックアプローチの解説が必要なのだということであればいいかもしれません。
なぜか事例指導者がそれを当然且つ積極的に説明し、
事例相談者の問題に如何につながるかを説得しようとしている場面があるのです。
気の弱い??事例相談者の場合、
事例指導者のその説明に付き合ってくださるかもしれませんが、
疑問を感じた時にはっきりと言える事例相談者の場合、
「だからそれがなんなのですか?」
「そんなことは知ってますよ!!」
「現場ではいちいちそのようなことを考えてクライエントに向き合っていません!」
といった感じの情動が沸き起こることがあります。
要するに事例相談者からすると、
なんだか馬鹿にされた気分になることもあれば、
事例指導者の上から目線に嫌気がさすこともあるかもしれません。
決して、システマティックアプローチがよくないと書きたいのではなく、
わざわざ前置きのようにそれを説明することは必要ないようにも思います。
システマチックアプローチを知っているかどうかということよりも、
事例相談者が考えているキャリアコンサルティングの過程を理解しながら、
どんなところがプラスされると、クライエントにとってより良い支援につながりそうか、
共通の視界をもって話し合うことが大切です。
システマティックアプローチとわざわざ宣言しなくともいい。
こちらの考えや理解に合わせてもらうのではなく、
相手を尊重した姿勢で臨みたいものです。