1級キャリアコンサルティング技能検定の面接試験の初日が3日後となりましたね。
お仕事をされている方は、日頃の忙しさに重ねて、
この時期は、事例指導のロールプレイのことや、
口頭試問のことがずっと頭から離れない方も多いのではないでしょうか。
〈早くこの状態から解放されたい!〉
なんて思っている人もいらっしゃるでしょう。
程度は異なれど、
特に試験前は緊張感がずっと続くものだと思います。
私も受検期間等は、外では冷静な振る舞いをしつつ、
気もそぞろな状態だったと振り返ります。
これからも挑戦していくことがあるので、
私の場合、まだまだ試験から解放されることはありません(苦笑)
いずれにせよ、
せっかくの機会ですから、事例指導実践の学びの機会として、
悔いの残らない取り組みを目指して欲しいと思います。
そしてこの1級受検が、
皆様のキャリアコンサルタント人生における一つの成長過程の節目となることを願っております。
1級合格、頑張りましょう!!!
さて、今回の記事ですが、1級の面接会場を思い浮かべたり、
事例指導のロールプレイを思い浮かべながら文字に起こしています。
面接で、
事例相談者(キャリアコンサルタント)に対し、
(〇〇さんのケースをシステマティックアプローチに沿って考えてみましょう)
(コーヒーカップモデルってご存知ですか?)
(ケースを構造化して点検していきましょう)
(面談プロセスに沿って考えてみましょう)
(面談フレームに置き換えてみていきましょうか)
等々。
事例指導者(受検者)から事例相談者に問いかけることがあります。
このかかわりの是非をここで書くつもりではなく、
事例相談者との教育指導関係にどんな影響を及ぼすことがありそうか、
少し記事にしてみたいと思います。
事例相談者の感じ方とか捉え方などから、
言葉を変化させることや使うか使わないかの判断等が必要だと思うのです。
《こう言えば相手に伝わるはず》
《こう表現すれば嫌味のない捉え方をしてくれるはず》
というような普遍的な答えはないでしょう。
例えば、違和感を覚える表現として、
プロセスとかフレームに沿って…とか
システマティックアプローチ…とか
こうしたことを当然のように問いかけられると、
少し嫌な感じを受けることもあります。
だからといって、
試験結果にそれがどれだけ影響を及ぼすのか…
これも分かりません。
事例指導者として我が道をいく、
自らの信念を曲げない姿勢でいくのは自由だと思うのですが、
先ずは、目の前に座っている事例相談者から目を離さないことは、
事例指導者(受検者)として重要なことだと考えています。
少し視点を変えると、
システマティックアプローチは私たちの面談実践において立ち返るよりどころとなる普遍的な面談支援の核を示すものです。
しかし、関係性が弱いままに、
(小林さんの面談をシステマティックアプローチを使ってできているところ、
改善できそうなところを確認してみましょう)
と働きかけてもらっても、
「はい。お願いします。」とは純粋に答えられないことがあります。
それはなぜか。
もしかしたら、それを自分が求めていることではない、
または、その有効性が感じられないからかもしれませんね。
※それは事例相談者に聞いてみなければ分かりません。
かといって、ロールプレイセッション初対面の中で、
すぐに人間関係が深く構築されるかといえばなかなか難しいこともありますね。
試験って緊張し過ぎて、
普段の自分の力が出し難いこともあります。
どんなプロフェッショナルでも、
本番が一年に一回、しかも30分間と限られていれば、
半端ない緊張感ですよね。
仮に、人間関係性は相応に作ることができたとしても、
事例指導者のシナリオ通りの言葉を安易に使われると、
事例相談者としてはそこに違和感みたいな注意が向いてしまい、
なぜか素直に考えられなくなることがあります。
事例指導のロールプレイ面接で、
システマティックアプローチやコーヒーカップモデルの勉強会が始まってしまった…
なんてことにもなり得ます。
事例相談者が面談フレーム等の説明や学習を求めているのであればいいかもしれません。
そういうことを真から求めている事例相談者ってあまりいない気がします。
事例指導者が面談フレームをわざわざ宣言する必要などない気がするのです。
それよりも、
事例相談者が面談の中で自分がやったこと、その意図、
それを受けたクライエントの反応やそこから考えられそうな受け止め方等、
これらを事例相談者自身が要所要所でどのように考えているのか、
自分がやったことの是非をどう自己評価してるのか、それはどうしてなのか、
事例相談者のことをキャリアコンサルタント同士だからこそ
わかるところがあるわけですね。
それらを事例指導者の頭の中で面談フレームのどの辺りと整理しておき、
その要点を事例相談者に簡潔にフィードバックすることができるといいかもしれません。
事例指導者が自分の面接の流れに持っていこうとすればするほど、
事例相談者は戸惑うことがあります。
事例相談者のことをひとつでも多くわかること、
それは事例相談者の成長支援に役立つことにつながるのではないかと思います。