先日11月22日にアップしましたCVCLABのオリジナル論述事例問題(需給調整機関分野)について、

ひとつの視点で記事を書きますので何か参考になれば幸いです。


※2021年11月25日更新

オリジナル事例は非公開といたしました。


なお、ここでは今の私のひとつの考えを記述していますので、

読者の皆様におかれましてはご自身の考えを大切にして検討をしてみてください。


先ず、

この事例相談者(キャリアコンサルタント)は、

相談者Cの戸惑いや焦りを捉えて奥様からも冷静になるように言われていることに注目しているようですね。


それは【面談経過】【所感】から読み取ることができます。


【面談経過】の前半部分には相談者Cのこれまでの出来事や付随する気持ちなども記録にされています。


【所感】に

(追い詰められた相談者Cの気持ちを受け止め)

とありますので、

相談者Cの状態を少しでも和らげていこうとしたのでしょう。


後半では励ましの効果を考えてか、

如何にもこうにもならない状態にある相談者Cに対して、

(今の状況の中でも求人は色々あります。)

と言い切っていますね。


そして、

この事例相談者が相談者Cに面談の中で展開していることは、

経験や能力の見える化、求人情報とのマッチング、

さらにはマネープランの明確化のようです。


つまり、

自己理解と環境理解、必要に応じたリカレント、

マネープランニング…

諸々の理解が不足しているとの見立てでしょうか。


私はキャリアコンサルタントとして、この事例相談者の考えは理解しやすいと感じます。


この業界人同士なら共感しやすいかもしれませんね。


他の事例指導者の方によっては、

《だからダメなんだよ!》

と事例相談者に対して厳しいことを考える人もいらっしゃるかもしれませんが、


罰は人を成長させ難い…

罰の効果は長続きしない…

罰を与えられた人は他者にも同じことをしてしまう傾向がある…


学習心理学の基本だということです。


お話しは戻り、

クライエントのことを上記のように見立てる傾向が前面に出るキャリアコンサルタントの方は、

わりとベテランほど多い気がします。


勿論、それがどうのこうのというわけでなく、

ここで書こうとしていることは、

相談者Cに対して提供していることは、

キャリアコンサルタントからすれば当然かもしれません。


一方、クライエントからすれば盛り沢山過ぎて、

余計困惑してしまうこともあるかも。

聞いてみなければわかりませんが。


もう少し、

クライエントに合わせてペースを落としてもよかったとも言えますね。


確かに棚卸しは有効なこともありますし、

クライエントにとって改めて自己を見つめなおす良い機会になるかもしれません。


だからこそ相談者Cにとっては結構プレッシャーのかかるワークになることもあるでしょう。


棚卸しをもっと具体的に細分化したいものです。


キャリアコンサルタントの私たちですら自己理解など十分だといえないことは多いわけで…汗


こう考えてみると、

この事例相談者のやろうとしていたことを生かしたような事例指導プランが立てられそうですね。


また、


もし異なる視点から事例指導プランを考えてみるとしたら、


(戸惑い焦ってしまっている)

(追い詰められたCさん)


とみている事例相談者の視点を大切にしつつ、


クライエントが戸惑い焦ってしまっていたり、

追い詰められた状況にあるようなとき、


その戸惑いや焦りの理由や根拠を

改めてクライエントの言葉で表してもらい、


さらには、


Cさん自らの視点でそれに反することや見逃している事実はないか、


もしCさんの仲間がそのような状態に陥っていたときCさんならその人にどのように声をかけてあげるか等、


少しクライエントの見方を変えていくようなかかわりができそうだったのでは…


と事例相談者に問いかけてみたいものですね。


この事例相談者が考えていた

(自分を見つめる機会にもなれば)

という方策がうまくいくためにも、

そのようなクライエント主体にした認知の再構成は意義深いかかわりになるかもしれません。


つまり、


この事例相談者の問題点は、

クライエント自身が抱えている問題自体に注目してしまっていることで、

問題を抱えているクライエントを理解することが少し弱いところがありそうです。


するとクライエントの主訴の明確化が足りないことにもなるでしょう。


このように事例指導者の視点を軸にして事例相談者の成長プランを計画することが事例指導の実践にもつながると思います。