幾度かブログに記してきたことなのですが、

先日、スーパービジョンを実施していて改めて考えたことがあるので記事にします。

 

1級キャリアコンサルティング技能検定試験の実技論述・面接試験の受検にも役立つことだと思います。

 

例えば…

 

困難な問題に直面しているキャリアコンサルタント

(事例相談者やスーパーバイジー)がいるとします。

※勿論、実際はその方が問題に直面しているか否かは決めつけられません。

事例相談者によってその目的は色々です。

 

1級の実技試験の場合、

事例相談者が何かしら問題を抱えているか、

もしくは、

自分の面談にしっくりきていないのか、

はたまた、

どうしたらもう少し良い面談になるのだろうか…

何か問題があったのだろうか…

等々

 

相談内容は人によってニュアンスがそれぞれかもしれませんが、

何はともあれ、

事例相談者が事例指導を受けるため(何かしらの相談)に来ていることが前提です。

 

対して、

 

事例指導者(受検者)が、

 

《教育指導関係を築かなければ…》

《気づきを促し情報提供や助言をしなければ…》

《育成的な目標を設定しなきゃ!!》

 

などと、

1級実技(面接)試験実施概要等に記載された文字をそのまま表層的に解釈し、

気持ち的に肩肘張った態度をとっていると、

その多くは、事例相談者の認識ペースなどとズレてしまい、

やることなすこと空回りしてしまう結果にもなりかねませんね。

 

キャリア形成支援者に対する

事例指導者やスーパーバイザーは一体何をする人なんでしょう。

 

まず、自分自身がその考えを固めておく必要もあるのかもしれません。

誰かが明確な定義を示してくれることを待っていても仕方ありませんね。

 

この業界でのスーパーバイザーや事例指導者は、

バイジーや事例相談者に対して何か指示したり肩代わりすることではないと考えます。

 

事例指導者が持つ経験値や価値観などで他者の担当事例を物語ることはできませんし、

《こうすればいいんじゃない?》などと言えることはありません。

※事例を一般化して解釈していくとそうなりがちです。

 

本当に大事なことは、

事例指導者はある意味我慢強く、そして事例相談者の圧倒的な理解者であり、

結局は、事例相談者本人が自ら課題を見つけることができ、

その持っている解決力を工夫し変化させ、

更なる能力を発揮できるように見守るしかないのです。

 

事例指導やスーパービジョンでは、

決して高い水準での気付きを求めることではありません。

事例相談者の今ここで気付けることで十分なのかもしれません。

 

その気付きを他の事例に置き換えてみるなどして、

より有意味な受容的学習へと広げていく関わりが必要なのでしょう。

 

また、過剰な受容や共感などの姿勢もよろしくないと考えます。

※社交辞令的な形だけの態度はもっと良くありません…。

 

事例指導者のその態度は、

事例相談者が自分の面談について適切な振り返りを行おうとしている機会を奪うことにもなり得ます。

 

相手のことを過剰に是認・承認する態度を持つことでもなく、

一貫して寛容であれ…ということでもありません。

 

本当に事例相談者の専門家としての成長を願うのであれば、

まず、事例指導者自身が、

しなやかな姿勢や態度、思考をもつことが一番重要なんだと感じます。