1級キャリアコンサルティング技能検定試験を受検される際、

「事例指導」という言葉の意味を色々考えてみることがあると思います。

 

ある先生がポロッと言葉にされていたことがありました。

 

《「指導」って言葉はあまり良くないのかもしれないね。

例えば、柔道では「指導」という表現はどんな時に使われるかな。》

 

このお話しを受けた時、

確かに、

柔道精神に反するような際に「指導」が告げられるな…

と想像したものです。

 

さて、今回はキャリアコンサルタントとの事例指導面接をイメージしながら、

1級キャリアコンサルティング技能検定の実技試験(論述・面接)について、

考え方を一つの視点で意見してみたいと思います。


※今回の記事タイトル「正しい面談方法」としていますが、

そもそも「正しい面談方法」という表現自体、相応しくないのですが、

短くわかりやすく書いているつもりです。

 

多くの事例指導者(受検者)の方は、

事例相談者の職業的・人間的な成長や、また相談者へのより良い支援を考え、良かれと考え、

事例相談者に不足している知識や技能、態度等々を育成しようと思っているかもしれません。

 

目の前のキャリアコンサルタントが一定水準での能力等の質を獲得してもらうことによって、

相談者(クライエント)に対して適切な対応・サービスが提供できることにつながると思うからこそなせる業だと感じます。

 

しかし、

このような考え方を持っている事例指導者の場合、

キャリアコンサルタントとしての使命感や職業観などに過度に焦点が絞られがちになる可能性があると感じます。

 

ご縁のある熟達者の方々と話しをしていて思うことは、

倫理観はもちろん、とても高い水準での知識や能力基盤をベースに意見交換等を行なっているシーンに出会うことがあります。

 

見方を変えるとそこで話し合っていることは、

その人たちの価値観の押し付けにもなり得るのではないかと感じることがあります。

※かくいう私も…(私の場合、決して高い水準ではありません)確かに自分の価値観や枠組み等でそこに注目してムキになって議論してしまいます。

 

事例指導の面接は、

事例相談者に対し、キャリアコンサルタントとして必要な知識や技能、

能力等を育成していくものに留まるわけではなく、

それ以上に、

その事例相談者が自身の段階や職業的な発達を踏まえ、

社会的自立・自律のために必要となる基盤を理解し、

主体的に自己指導スキルを高められ、

自身の能力育成に努めようと意思決定できる場になるのではと思います。

 

そうした場を事例指導者が提供・創造できることが必要なんだとつくづく感じています。

 

1級CC論述試験等においても、

せっかく自由に記述ができるスペースがあるにもかかわらず、

事例指導者(受検者)が何かにとらわれた考え方になってしまい、

結果、画一的な表現に収まっている状態になることはもったいない気がします。

 

事例に書かれている文字を表面的に追っかけてしまうことにならないよう、

事例をまとめている事例相談者への事例指導面接を立体的にイメージして考えてみたいものです。

 

事例指導の面接は、

相談者(クライエント)への適切な面談方法や諸活動観(仕事観)等のみに

焦点を当てていく場ではありません。

※事例相談者に言い訳をさせてしまう場にしていること自体、その人の成長を邪魔していることになると思います。

 

私たちが自分自身を含めキャリアコンサルタントのキャリア観のあり方、

キャリアの中心的な課題を明確にしていく必要があるように思います。

 

技能検定試験を通し、

そうした視点等を得られる訓練を重ねていくことが真の学びにつながるのではと感じています。