1級キャリアコンサルティング技能検定の過去問などを使いながら試験対策を進めていらっしゃる方は多いと思います。
「ボキャブラリーが足りないから表現力が…」
「適切な言葉が見当たらず書きたいことがまとまらない…」
などなど、
悩みが尽きない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
以前このブログで記事にしたことがあるのですが、
キャリアコンサルティングに関する基本テキストなどを読み返してみると、
自分が伝えたかった言葉や表現などが見つかることもあると思います。
10数年前に学んでいたテキストが今の現場でも役立つものです。
時々
「古いんだよね…」
という言い方をする方もいらっしゃいますが…。
正直言って、古いっていう表現、
どうなのかな…という感じがします。
そもそも心理学の歴史は古いと表現できるほどの分野ではない感じもしますし、
人間の発達自体も古いとか新しいとか…関係ない気もします。
さておき、
日々新鮮な発見を続けている方は、
何事も常に新しさを捉え、現代の語彙力に繋がっているとも思います。
お話しは論述の事例に戻り、
1級の論述の事例の中に登場しているクライエントのことを
《どんな人か》
と表現してみるとしましょう。
※よかったらやってみてください。
単に、一般的な表現で留めておけば平易な言葉を並べられるかもしれませんが、
事例をまとめてきた事例相談者の動機付けにもつながるような指導の関わりを考えてみたとき、
相応に裏付けられた内容を踏まえ事例を通して伝えていきたいことも出てきます。
論述試験とはそうした能力を試している側面もあると私は思います。
一例ですが、
人の個性を表現するのであれば、
ビッグファイブを活用することができます。
ビッグファイブから、
・開放性
・誠実性
・外交性
・調和性
・神経症傾向
という因子を示すことができます。
この事例相談者は自身が担当したクライエントのことを、
どのように捉えているのかを考えてみるときに役立つと思います。
例えば、
事例相談者の記録から、
クライエントの「誠実性」を感じられたとします。
その因子の下位次元を表現してみると、
《コンピテンス、秩序、良心性、達成追求、自己鍛錬、慎重さ》
という具合に言葉の視野が広がっていきます。
どんな人かという表現に役立ちます。
事例相談者が記述したクライエントの特徴的なところを、
事例指導者(受検者)はどのように考えるか。
つまり、
この事例相談者は自身が担当したクライエントのことを、
どのように捉えているのかを考えてみるときに役立つと思います。
ひとつ「慎重さ」と表現しても、
それを文脈上、ネガティブに記述するのか、
ポジティブに表現できるのかによって、
随分と解答自体が異なってくるでしょう。
言葉をどのように選択していくのか、それを常日頃から考えられることは、
キャリア形成支援を実施する援助者に必要なポイントにもなります。
語彙力とかボキャブラリーに問題の本質があると考えるのではなく、
如何に現場で起きていることを、
ほんの少しで良いのでよりスタンダードなキャリア理論や知識等に置き換え、
実践的に表現することができるのかが、
論述試験をスマートにクリアできるパワーとなる気がします。
なお、論述試験は学科試験ではなく実技試験ですので、
偏った学術的な知識等はもしかしたら阻害要因になるかもしれません。
通常の生活の中で起こり得るお話しの方をスルーせず大切にできることが、
1級CCの試験対策にお役に立つ気がします。