1級キャリアコンサルティング技能検定の論述試験について、

少し異なる視点から考えてみたことを記事にします。

 

読者の皆様が事例指導者(指導レベルキャリアコンサルタント)という役割で、

そして、

相談歴・経験の浅い事例相談者(標準レベルキャリアコンサルタント)と出会ったとします。

 

事例相談者は自身のケースをできる限り思い出しながら

事例指導者に指導を受けるために自分の力でケースをまとめて持ってきています。

 

多くの事例指導者役割の方はこうした出会いを歓迎し、

目の前の事例相談者を心から励ましていくことだと思います。

 

ただ、その姿勢や態度を最後まで維持できるかどうか…

 

人は他者から統制を受けることを真から快いとは思えないことも多い。

 

しかし事例指導者は自己の役割を果たそうとし、

事例相談者よりもケースに注目し、

記録内容を中心に評価を重ねていく傾向にあるように思うのです。

 

記録から諸要素を構造化して読み取ろうとし、

書かれている事柄から問題を抽出しようと躍起になる。

 

これでは、

実際、事例相談者の選択したやり方を締め付け、

狭めていくことにもなり得ます。

 

事例指導の面接では、事例相談者が、

キャリアコンサルティングのある場面等において他の選択機会を得られることが、

事例相談者の専門家としての自律性を支えることにもつながります。

 

つまり、そのように実践的に考えてみることができれば、

論述試験の各問においても、

事例相談者を中心にした視点を取り入れて解答ができると思うのです。

 

このお話しが気になったり、関心のある方は、

「WHY WE DO WHAT WE DO」

Edward L.Deci and Richard Fiaste

を読んでみてください。

 

私の場合、以前先生から教えていただいたことと実務での経験等をつなげ、

直近では1年ほど前に読んだ上記ご紹介の書籍から、

改めて自分の考えを一致させ今回の記事を書いています。

 

面白い一冊だと思います。