1級キャリアコンサルティング技能検定試験の実技に向け、

様々な学習方法を模索していらっしゃる方は多いと思います。


実践的な学びを進めていく場合でも、

また1級CC実技(論述・面接)試験の対策の勉強においても、

わりとロジカルで構造化したプログラムは、

思考をくすぐる勉強法等として魅力を感じやすいかと思います。


特に物事を明確にしたいという欲求が強い方は、

そうしたプログラムを好まれる傾向があると感じます。

※私個人の感想です。


大事なことに、

実際はそこには大きなデメリットも存在していることに留意する必要があると思います。


構造化と非構造化を考えてみた場合、

私は構造化されている方が明確な基準によってアセスメントができると感じる方なので安心を覚えますが、

反面、過度に構造化したアセスメントの仕方は、

相手にとっても自分にとっても非常に窮屈な印象を受けます。


一例ですが、


1級論述試験の事例の読み取り方も構造化された評価方法で進めれば、

問題として把握していくところへの根拠付けもし易く、

説得力のあるまとまりの良い解答が得られそうな気もします。


一方、


実技として考えてみた場合、

そのような構造化されたものの見方や視点でケースを扱われるとすれば、

事例相談者からすると心外に感じるかもしれません。


私だったら事例指導者に対して

《もっと状況や背景などを理解して欲しい》

《私のケースを型にはめないで欲しい》

と感じると思います。


過剰に一般化され、

事例指導者が依る方程式に重ねられ評価を受けることは、

《私という一人のキャリア支援者》

を個別に見てくれていないようにも感じます。


また、それは事例相談者に対してだけでなく、

会ったこともない事例相談者の向こうにいる相談者(クライエント)のことまでも、

画一的に評価していることにつながってしまうかもしれないのです。


試験ではショートカットした考えで答えを早く導き出したいという焦る気持ちがあるかもしれませんが、

過度に構造化された考えをもって人のケースを読むことは、

実は実技としてよろしくないことなんだと考えます。


構造化によって、

本来は構造化することなく事例相談者が自由に考えられる場面だったにも関わらず、

それを奪うことにつながるのを知っておく必要があるでしょう。


このようなことに十分に注意して、

事例相談者から預かったケースを大切に扱いたいものです。


曖昧さを歓迎でき、

柔軟性・しなやかさをもって取り組めることが、

多面的な視点を備えるためのひとつの大切なポイントなのかもしれません。