社会人の能力開発は、
その70%以上が現場経験によって成立していくと言われています。
私たちはこの実際を様々な社会的モデルを通じて経験していますし、
事実として向き合っているわけです。
やはり現場経験から得ることが圧倒的に多くあります。
私自身の偏りかもしれません…苦笑
要は、
大学院や学部、伝統的とも言われる教室学習等で得られるものは、
どうしても汎用的な理論や知識に基づいて伝えられていることが多く(だからこそ意味があるのですが)、
実践能力開発に直接的に関わる部分はほんのわずかに過ぎません。
※そうした学びだけが一人歩きすることは個々の捉え方によっては逆効果とも言われます。
一方、
個別具体的なあらゆるシーンでの現場経験は自身の能力開発にとても有益です。
キャリアコンサルタントは、
こうしたことを自覚できていることが重要なことだと私は思います。
教室等で学んだことをそのままで満足することなく、
確実に現場諸活動につなげていく努力を重ねることが必要です。
キャリアコンサルティングスキルを活用できる現場を探すこと
(場数を増やし意味を持つこと)だと思います。
最新の体系化が進んでいる医療現場等ですら、
それは顕著にあらわれていると言われています。
コルブの経験学習モデルを中心にして、
CCの事例指導の面接機能の一面について少しイメージを膨らませたいと思います。
※あくまで私の理論解釈で実践していることのひとつです。
・具体的経験
その人が置かれている職場環境等(活動環境等)で具体的に経験を重ねていく
・省察
具体的な経験を多面的、多角的に振り返りを行いその人自身の気づきを持つ
・概念化
その気づき、そして具体的経験を文脈から切り離していき、他の事例に置き換えての活用事例を検討する
・実験
検討した内容を新たな状況(事例等)において意識して試行していく(啓発的イメージ体験をも含む)
このサイクルを回していくことで、
経験が知識の本質へと育まれていくという考え方です。
事例指導面接というのは、
事例相談者のこのサイクルを回すサポートを行いながら、
事例指導者自身もその体験から学んでいくようなものでもあります。
キャリアコンサルタントが陥りやすいことには、
心理学の名門大学に通っている、著名な先生についたつかない、
洗練された最新カリキュラムを受けている等々…
学歴やブランド、目新しい知識等を表層的に捉え踊らされている面が拭えません。
※当然、異なる人も多くいらっしゃいます。
何を学習をしているのかが大切なことなのに、
未だに学歴や資格、所属団体などに注目することが、
発展を阻害しているとも感じます。
人の「キャリア発達」を支援することに、
今現場にいる人は、現場力の足りなさを痛いほど感じているはずです。
キャリアの支援者がズレた方向に向かうと、
本質的にキャリア発達に関する支援を求めている人に、
キャリアコンサルタント自身が出会えなくなることが危惧されます。
※ここでは特別な支援ニーズとは異なる面で記しています。
それでは元も子もないことになります。
キャリアコンサルタントにその気がなくとも、
上から目線の高圧的な雰囲気を醸し出しているようなところに、
クライエントが自らの人生を相談したいとは思えないのかもしれません。
我々自体が、現場から学ぶこと自体が、
自分の知識力、能力開発に必要であるということに信念を持って生きていることが大切であり、
誰かに自身のキャリアコンサルティング能力の開発をしてもらうことではないと思います。
なお、この記事は、自分に書き留めている内容でもあり、
決して、今の社会人院生や学部生、
養成学校等のプログラムを否定しているものではありません。
キャリアコンサルタントがネットワークを構築するとは、
内輪で作るものではなく、
枠組みを変えて、様々な領域をも超えて、
本質的な現場のネットワークを持つことだと思います。
どこかで学んだということだけで満足しては現場を担うことができないと思うのです。
とにかく実践あるのみ。
くらいの気持ちで現場を重ねていきたいものです。