昨日までの3日間、福岡会場で、

2020年度の1級キャリアコンサルティング技能検定試験対策講座を初回プログラムを無事に開催し終えることができました。

 

受講いただいた方の中には、

飛行機や新幹線などの交通機関を利用してご来場くださった方もおられました。

 

皆様の貴重な時間をいただき本当に感謝です。

どうもありがとうございました。

 

そして昨夜、7月の福岡会場における講座スケジュールをご案内したところですが、

この3日間の受講者様のほぼ全ての方からリピートをいただき、

既に半分の日程が満席となっております。

 

重ねて御礼申し上げます。

 

さて、今回の記事タイトルですが昨日の講座の中でも出てきた話題です。

 

事例指導者は事例相談者のことを

〈とにかく褒める〉

〈承認しなきゃ〉

というように考えている方もいらっしゃると思います。

 

人は褒められて嬉しい時がありますし、

それがきっかけでやる気パワーが向上し狭まっていた視界に開放感が生まれ、

思考力を発揮できることもあります。

 

承認されれば「これで良かったのか」と安心したり、

何かつかえていたものが取れて前に進める時もあります。

 

一方、逆効果…

 

というか、

信用や信頼感の低下を生んでしまう、

 

せっかくの事例相談者が学びたいと考えた時間が台無しになってしまう、

 

こうした例もあります。

 

一例として、

 

《自己の利益のため》

に褒めたり、承認したりすることが挙げられます。

 

〈この場で事例相談者のことを承認することにより、

気持ちよくなってくれて自分との関係性が高まるだろう〉

 

このようにどこか相手を利用するような、

自分の株を上げていくような、

操作的になっていくことは事例相談者のためにはならないことも多いものです。

 

ただ承認すればいいというわけではありません。

 

結局、その承認の目的が、事例相談者のためではなく、

事例指導者側が、事例相談者との関係性を深めたいと求めていることからであれば、

事例相談者からすれば、

違和感を感じたり、居心地の悪さを感じたりすることがあります。

 

関係構築は、

事例指導者が事例相談者と関係を築こうとすることではなく、

事例相談者が安心して自分のポテンシャルを発揮することができる場面を提供できるようにしていくことです。

 

ということは、

 

事例相談者がその場を安心の場であると感じられるかが大切なことです。

事例指導者が自身の仕事のやりやすさのために関係構築をするわけではありません。

 

技能検定試験に例えれば、

事例指導者が関係構築力の点を上げるために関係構築を行うのではないということです。

 

そう思っていないのに逆のことを言ったり、書いたり、

フィードバックとして重要なところなのにその場を平穏に済ませようとしたり、

客観的に観察すると妙な感じになります。

 

何かと比較して褒めようとしたり、あまりにも大袈裟な褒め方をされたりすると、

どうも受け入れられなくなってしまいます。

 

『本当にこの人そう思っているのだろうか?』

と疑いたくなってしまうことがあるのです。

 

事例相談者が少しでも自分で認めているところ(自己評価)があるのであれば、

それを糸口に根拠づけていきフィードバックになるようにかかわることが、

その人の成長につながるのだと思います。

 

また、

 

事例相談者が自己を過小評価しているところがあったとして、

それをリフレーミングしていくようにかかわって、

事例相談者の視界を広げながらサポートすることもその人の成長につながります。

 

〈ここでこれを褒めなきゃ〉

〈来談したことを承認しなきゃ〉

 

そのような観念があると、

大事な要点がズレてくるような感じで、

どこか上から目線になってしまいそうです。

 

本当にそう思えているのであればそれを根拠をもって表現すれば良いわけで、

相手の内側の理解ペースにはそれぞれに異なりがあることを理解し、

相手のペースを大切にしていこうとするかかわりが一番大事なんだと思います。

 

それができて、結果として事例相談者から、

『わかってくれようとしている。認めてくれている。」

と感じられるものだと思います。

 

最後に「褒める」と「承認」は違いますが、

対話を重ねるうえでつながっていくところも大いにあります。

 

事例相談者にとって、

その人が豊かな気持ちや考えを持つことができるように、

精一杯支援していくための「心」が、

自然と発せられる事例相談者にとって有益な「褒め」や「承認」となるのかもしれません。