熟達していない事例指導者が事例相談者から相談を受けたとき、
自身で気がつかないうちにある種の効率化を考えている場合があるかもしれません。
※私自身のことを含めて書いてます。

本来であれば、
事例相談者のその時その場での状況を入念に捉え理解して、
事例相談者側が感じているその状況に左右されている感覚をわかろうとする努力が必要です。

そうした過程を知らず知らずのうちに面倒に感じていると、
統制的処理(修正していく)過程が皆無に等しくなり、
結局は、入ってきた表層的情報を処理して帰属判断してしまい、
またそれの特徴づけを進めそこ止まりになってしまっている…

さらにはそれを証明していこうとして事例指導者の中で思い込みを強化していくような考え方で事例指導面接を行なってしまうことがあるのです。

《事例相談者はここができないタイプだ…》
《この事例相談者はここが弱い…》

これは自動的な処理過程に依存して事例指導者の枠組みで推論をしているに過ぎません。

こうした効率化を図るためにタスクワーク的処理をしてしまうと、
目の前の事例相談者固有の想いや考えが掴めなくなるかもしれませんね。

1級の受検においても、
効率的に答えばかり追い求めていると肝心な点を忘れてしまいがちです。

曖昧さに耐えられない
検定試験なんだから効率的にできるはず
どうすればいいのか答えが欲しい

もしこうしたことを考えている時間があるのであれば、
キャリア発達支援の現場をより多く持ち、
そしてその面談の事例指導を受講してみると何かわかることがあるのかもしれません。
※様々な特徴を持った事例指導者やスーパーバイザーがいらっしゃるので、
今の自分にフィットする人を見つけるまであきらめないでくださいね!

なお、事例指導者やスーパーバイザーはキャリア領域でなくとも大丈夫だと私は思います。
※対人援助職のスタッフ育成を現場で行なっている方にスーパービジョンをお願いすることはとても効果的です。
例えば、ケアマネージャー、ソーシャルワーカーを専門にしているスーパーバイザーの方からでも役に立つ学びを得られます。
※偏った情報が入らず自分の振り返りが適切にできることがあるのです。

こうしたことでもなるべく型にはめない方が視野が広がると信じています。

それが一番の効率的な1級の試験対策でしょうし、
またモヤモヤしていることの正体が見つかるかもしれません。