1級キャリアコンサルティング技能検定の実技面接試験で用意されているメモ用紙の使い方について書きます。
なお、このブログに書くことは私のひとつの考え方であり、
技能検定試験の試験官の方の評価等とは関係がありません。
先ず、1級CC技能検定試験の面接試験では受検室の机にメモ用紙とペンが用意されていて、
ロールプレイの30分間の中で事例指導者(受検者)がそれを自由に使用することができます。
※メモの持ち出しはできません。
このメモ用紙の使い方については様々な意見や考え方があるかと思いますが、
時々ご自身の都合を中心にしたお話しになっているように感じることがあります。
勿論、試験ですから、受検者の方の都合が中心になることはやむを得ないのかもしれません。
しかし、なんといってもこの実技試験に大きく影響するお相手は事例相談者(キャリアコンサルタント)です。
実技として、この面接で相談する側が中心となることが重要だと思うのです。
例えばこうした視点から、
メモ用紙の使い方も、先ずは事例相談者に役に立つように考えてみて欲しいと思います。
仮に人のお話しを聴く時、ずっとペンを持ったままの姿勢で面接をしているとお相手はどう思うのでしょうか。
何も感じない人もいれば、嫌悪感を抱く人もいます。
それはその人の価値観や経験等からくる見方だったりします。
私たちは、日々キャリアコンサルティングを行うとき、
相手を観察しながらそうした点をとても大切にしていますよね。
それは対人関係性を築く際、専門職として普通に行うことと同じ面があります。
下を向いたままメモを取る人、
人の話しを聞きながら下を見ずにメモを取り続ける人、
ペンを揺らしながら人の話しを聞く人、
実に色んなスタイルがあります。
その自分の姿を自分自身が知っていること、
そして、それが目の前の事例相談者にどう影響を与えるものなのかを感じられること、
皆同じではありません。
目の前の相手のためにならないのであれば、自分のスタイルを変える必要もあるのです。
ですから、誰にでも(メモを取っても良いですか?)と聞けばいいわけではないと私は思います。
もうひとつ事例を書くと、
(このメモはこちらで責任をもって破棄しますのでご安心ください)
という意味合いの言葉を事例相談者にかけている場面に出会います。
果たして破棄していいのでしょうか。
誰にでも画一的にそうした発言をしていませんか?
事例指導者は、面接の中で事例相談者のお話しを聞きながら、
大切なことと思われることをメモにしているのでしょう。
そのメモを破棄するとは、
守秘義務の観点から事例相談者全員に伝えているつもりなのかもしれません。
少なくとも事例指導を受講する側からすれば、
事例指導者の新たな視点等、メモに残された内容は事例相談者にとって学びのポイントになることがあります。
実際の現場であれば、それは事例相談者にお渡しして欲しいものだと私は思います。
そうでなくとも、
面接の終了間際に、事例相談者に対してメモの内容をみてもらい要否を確認するなどするでしょう。
最後に、
事例相談者のためにならないメモであれば、私は取らない方が良い気がします。
それよりも事例相談者の方のお話しに集中された方が良いかもしれません。
因みに、私は1級CCの実技試験を3回受検してメモは一切取りませんでした。
※手が震えるからです…(苦笑)
その分、30分間の時間は、ただただ事例相談者のお話しを理解することに集中したものです。
30分間の中で、事例指導者から何か言えることなど、ほんの少しです。
その位の面接にメモが必要かと考えれば、本来は不要なのかもしれませんね。
勿論、実際の事例指導を目的とした面接では、
90分~120分という時間の中で進めていくことも多く、
複数回の面接があることからもお互いメモを取り合います。
この記事を読んでいただき、どう考えるのかは受検者の方によって異なるわけで、
それはどのように考えてみても良いと思います。
ただ(こうしなければならない)というようなことはありません。
私の考えは、もし事例指導者がメモを取るのであれば、
事例相談者の面談について、無意識であった思考や行動などを可視化するなどして、
そのメモが、事例相談者の成長につながるツールになれば効果的ではないかと考えるのです。