よく「現場が大事」ということを言ってくれる方がいらっしゃいます。

キャリアコンサルタントにとっても現場が重要であり、
それは当然のことであり、そのために日々学びを重ねています。

リアルに現場を担っている我々にとって、
影響力のある方から「現場が大事」「現場に行け」とメッセージを発していただけることは本当に様々な面で助かりますし、
改めて勇気を持てる機会にもなります。

反面、
そうしたメッセージを受け取った側が誤解して捉えてしまう場合、

(お勉強より現場だ)
(現場から学ぶべき)
(今は現場のために勉強は後回しで良い)

という認識を持ち、
学びに時間をかけるよりも

(そこにクライエントがいるから…学ぶよりも先に現場だ…)

と自身の行動を正当化しようとすることがあります。
※ここでは学ぶこと=試験対策の学びも含めて記しています。

現場として困るのは、
個人の独善的な考えや知識、手法等で現場に立とうとすることです。

最低限、そこに関する倫理観や正義感、
人間観、そして基本的な知識と能力、経験値が備わっていることが重要です。

そしてキャリアコンサルティングは、
人間が誰しも本質的に持ち合わせているような心理的な側面やそれに伴う思考行動等を知りながら、
何ら特別ではないかかわりによって支援につながることに魅力があります。

社会環境変化などとの相互作用によって生じるその人の課題は無限に存在します。

だからこそ、
様々なことを同時進行で学び続けていく必要があり、
そのひとつの過程の中に、大切な自己の節目ともなる資格試験等があると私は思っています。

現場主義を強く発する人ほど、
実は現場を知らない場合もあったり、
また逆に現場以外に目を向けられない偏った考えに凝り固まっていたり、
はたまた、現場という言葉が一人歩きしていて、どんな場面も現場だということが見えていない場合もあるのです。

我々が生きるその場は全て現場であり、
何をもって現場というのかは、その人の価値観だったり一組織固有の風潮から来ていたり…

考えてみると「現場」などという表現は人によって異なることを知ることが大事かもしれませんね。

試験の場面も現場っていえば現場です。

何のために資格試験にチャレンジしているのか、
そうしたことを軸に持っている人、
そんな自分を知っている人はブレずにすむのかもしれません。

私も人のことは言えませんが、
先日、そんなお話しをある先生と意見交換していて学びました。

現場を知ることは、
色んな意味合いを含めているのだということを書いてみたいと思いました。