昨日の「事例相談者の自己評価」に関するテーマに続けて、
今日は事例指導者が事例相談者へ行う「評価」について書いてみたいと思います。

最初にここで表現しておいた方が良いと考えていることを記しますが、
スーパービジョンと事例指導は実践的にも異なる点が多くあると考えています。

例えば今回のテーマですが、
「評価」について、
スーパービジョンのように諸々の契約事項等に基づいて数回に渡って行われていくものと、
ここで書いている事例指導面接とは、
その評価の意味合いが、

バイジーとバイザー、
事例相談者と事例指導者、

双方にとって異なるでしょうし、

また、
バイジーや事例相談者が所属している機関や環境にとっても影響が異なることになると思います。

要は、スーパービジョンと事例指導は異なるのだと私は認識しています。

勿論、同様の機能面はあると思いますが、
その深まりと広がりみたいなもの、
継続的な約束事等が諸々異なってきます。

ここでは事例指導について、
私が考えていることを少し書きます。

1級キャリアコンサルティング技能検定の面接試験の考え方などにおいてお役に立てば幸いです。

もし、
事例相談者が事例指導を受ける目的が、

《自分の立ち位置を確認して理解したい》
《自分はどの程度クライエントや相談機関の中において期待に見合っているのか知りたい》
《同じ水準の教育や経験を有するキャリアコンサルタントとどのように比較されるのか知りたい》

このような目的を双方でグリップしていくのであれば、
その目的を果たすためにも最初から最後までそれなりの時間を要することでしょう。

しかしながら、
今後の契約も定かでなく、
事例指導として先ずは初対面の一回の面接ということであれば、
その目的自体からお互いに明確化していくことや、

また、

評価するに至る前の段階での
必要なステップを踏むつもりで面接を進めた方が、
事例相談者にとっても割と居心地の良い時間を過ごすことができるものです。

下手に評価をしていくと、
人はときに嫌悪感や恐怖感を抱くものです。

事例相談者が自己の欠点を認めながらも、
キャリアコンサルタントとして成長したいと素直に自己開示できるには、
事例相談者が現実的にありのままに自己の面談を振り返り、
これからを展望して実行できるように援助することが必要です。

もし評価するチャンスがあり、
それが必要なのであれば、
その時は良き評価を根拠をもって示していくことの余裕があると良いでしょう。

これはスーパービジョンにおいても同じことですが、
30分でも60分でも、
先ず最初の事例指導面接で行えることは、
大それたことをやろうとしても空回りするだけではないかと感じます。

このブログで何度も記していますが、
先ずは、事例相談者の良い所を伸ばしていくかかわりを考えた方が、
より良い面談を検討していける糸口が見つかるのではないでしょうか。

勿論、それは事例相談者が決めることですが、
私たちはそこに向けた効果的なガイドを行なっていく必要があると思います。

評価は、
事例相談者の職業的発達を助けることにもなり、
また逆に、
自信を失ってしまったり、自身の業務遂行を過小評価してしまうきっかけを作ってしまう恐れもあります。

事例指導者は相手に与えていく影響力を自覚し、
事例相談者にかかわっていく必要があると思います。

1級技能検定試験等になると、
つい自分の能力を試験官に見てもらおうと考えがちですが、
ロールプレイは事例指導者の役割になり切ることが最も重要で、
そもそも試験官の方々へのアピールではないと考えます。

目の前の事例相談者だけに集中して、
そこで起こることをキャッチしていく必要がありますので、
型通りに自分のやり方だけを中心に進めることがないように注意したいところです。

頑張りましょう!