改めて「自己一致」について考えてみる機会があったので、
ここで少し触れてみたいと思います。
1級キャリアコンサルティング技能検定試験においても事例相談者へのかかわり方などで役立つこともあるので、
しっくりくる方は論述やロールプレイなどで取り入れてみてください。
ここ最近でも講座などで、
事例相談者を通して相談者の理解をしていこうとするワークを行なっていたときに、
(事例相談者の記録から読み取れることはこの相談者は理想と現実のギャップに悩まされていると考えられる)
などの見立てとその根拠を色々話し合ったことがありました。
そのようなとき、
例えば、
それは違うのではないかということではなく、
私の中で何を感じるかというと、
「相談者ご自身がそのギャップ自体を受け入れたいと奥底で感じていたらどういうことが考えられるだろう…」
と、今話し合っている内容と少し離れた感覚で、
少しのいたずら心みたいなものが過ぎります。
皆さまの前では、
皆さまの考えや感じ方などに沿ってギャップを問題とした見方で支援のあり方などを考えてみるのですが、
頭のどこかで、
理想に向かって頑張って課題を一つひとつクリアしていくというプランを大切にしながらも、
現実を知り、それを受け入れていく潔さも大切で、
実は相談者はその諦めの決心をしたいのかもしれない…
などと考えていることもあります。
事例相談者は相談者が発言した一部の言葉だけが脳裏に焼き付いてしまっていて、
(なんとか諦めさせたくない)
(なんとか本人の理想に近づけていく努力を支援するべきではないか)
現実は難しいと思いながらも、
こうした狭めた考え方に陥ってしまったのかもしれないのです。
これではこの事例相談者も勿論相談者もとても苦しいでしょう。
相談者本人が諦めるという決断をすることも自己一致であるということ、
事例相談者がそんな支援のあり方を知らない、
その素晴らしさを理解していないということは、偏った支援となりがちです。
自己一致にもその人その人によって様々な捉え方があり、
やはりその人をわかろうとする試みを重ねていくことが、その人にとって最大の支援にもなるのかもしれません。
事例相談者がふとそんなところに気がついたとき、
事例相談者の持ち味を発揮するチャンスが訪れるのかもしれません。