1級キャリアコンサルティング技能検定試験では、
コーディネートの力も求められています。
論述過去問では選択で、
問3 この事例相談者が相談者を支援するために必要なネットワークや環境への働きかけは何か。
また、なぜそれが必要であるか根拠を記述せよ。
この問題が該当し、ストレートにそれを問われているので、
実技としてこの事例相談者にそぐった内容を示すことができるといいですね。
ここまでずっと事例の事柄に巻き込まれないで、
「この事例相談者を大切に」
ということを書いてきていますが、
ここでも事例そのものではなく、
この事例相談者に注目しておきたいところです。
そして、事例指導者(受検者)の方によって、日頃の活動領域や経験値、
スキル等によって実践的にイメージできることが異なってきて当然であり、
記述内容は人それぞれになって当然かと思います。
ここで型通りなことしか思いつかないという方は、
一旦、論述試験の解答の書き方みたいなものをリセットされるとよいでしょう!
ネットワークの形成について、
日頃から様々な場面で専門機関や専門家との協働を想像、イメージして言葉に出していくとよいかもしれません。
また、キャリアコンサルタントの能力範囲外のことは、迅速且つ適切な判断が必要であり、
その際のリファーについてクライエントの納得を得られることも大事なので、事例指導者はそうした視点でこの事例相談者にはどんな指導が必要かイメージできることが大事です。
一朝一夕にはいかないものなので、試験対策だけの中で文章作りをしているだけではボロが出てしまうと思います。
さらには環境への働きかけについて、
クライエントへの支援だけでは解決できない環境的な問題を、
例えば、クライエントの同意を得ながら、どんな介入が必要であるかをクライエントと共に考えていけるような事例相談者の心構えや視点を補えることで、
今後、この事例相談者が相談者を支援するために必要な能力が高まるのではないかと思います。
クライエントを取り巻く環境は、事例によって様々なポイントがありますが、
単に理想的なことを描いても現実的に難しいことは沢山あるでしょう。
沢山理想的なことを書き並べれば良いわけではなく、
その環境にかかわる関係機関や関係者からどんな協力を得られることが有益であるか、
そのためにはどのようにそれらと関係性を構築していけば良さそうか、
そんなところまで根拠を示して記述できると良いかもしれません。
※この事例相談者がそれを実行できることが前提となります。
この問いについても、
画一的な考え方、表層的ではなかなか難しいのかもしれません。
この事例相談者を主体にして問いの内容を考えてみましょう。