1級キャリアコンサルティング技能検定の実技(論述・面接)試験では、

事例相談者が専門家としてより適切な諸活動ができるよう、

その方の成長を目的とした指導面接を展開していくセッションが求められます。

 

実践的にいえば、

事例指導がより効果的なのは、

事例相談者が自己評価を適切にできているか否かが重要なポイントになります。

 

自己評価が適切にできている場合、

今の自分ができていることや、何が足りず何を学ぶべきかがわかっていることが多く、

多面的な角度から体系的に振り返ることができ行動変容に繋がっていきます。

 

しかし問題は、

事例相談者はキャリアコンサルタントとして、その自己評価が本当にできているのでしょうか。

 

できていないからこそ、どうして良いのかわからなかったり、

これで良いのか確認を求めてきたりすることにもなるのではないでしょうか。

 

あるいは、自分の問題が漠然とわかっていたとしても、

どうして良いのかわからないという場合もあります。

 

自己評価や適切な行動ができていない、わからない状況の事例相談者に対して、

事例指導者が適切だと考えるアドバイスや指摘をしたところで効果的なのでしょうか。

 

先ずは、事例相談者が自分のことを適切に評価できるように、

事例指導者は、効果的なフィードバックを考えることが大切だと思うのです。

 

フィードバックとは事例相談者が言ったこと等を返すことではなく、感じていることや考えていることを、

例え言葉にできていなくとも事例指導者から確認したり質問したり伝え返すことなどにより、

事例相談者が改めて自分のこととして考えてみる機会となり効果的な振り返りや気づきに繋がります。

 

こうしたセッションが事例相談者の自己コンピテンスを知ることにもなり、

事例指導面接による利益を得られるのです。

 

最後に、事例相談者の自己評価だけではなく、

事例指導者自身が、適切な自己評価ができてないこともあるかもしれません。

 

そんなことにも意識をもち、

適宜、自分から他者によるフィードバックを求めていくことも大事です。

 

それは自身の指導者レベルキャリアコンサルタントとしての、

職業的発達課題を明確にしていくために必要なことだと思うのです。