今回は、

1級キャリアコンサルティング技能検定の実技面接試験について、
ロールプレイの中で守秘義務をどのように示し確認するのかについて書いてみようと思います。
 
わりと多くの講座受講者の方からこの点のご質問をいただくことがあります。
 
なお、ここに解説することは、
私の考え方で1級技能検定試験を認識して書いていますので、
ロールプレイの中でどのように展開するかは個々でお考えください。
 
それでは本題に入りたいと思います。
 
実際の事例指導面接の実施は大凡以下の流れになります。
 
①事例相談者が事例指導者を探し連絡を取る
②事前打ち合わせ(事例指導者が事例指導面接の説明を行い合意を得る)
③契約締結
④事例指導面接実施
⑤相互評価と総括
 
こうして流れを見たとき、
技能検定試験ではどこから始めるのでしょうか。
 
事例相談者が事例指導者に連絡をするところからロールプレイをするのでしょうか。
それとも、事前打ち合わせからでしょうか。
 
私は概ね④と⑤を実施するのではないかと思うのです。
※責任は取れません。。。
 
要は、秘密保持の観点などは②や③の過程で約束されていると考えれば、
面接場面(ロールプレイ場面)で事例相談者の貴重な30分間の時間を使い、
マニュアル化したような守秘義務等の説明をする必要はないのではと感じます。
 
決まりきったような話しを唐突にされると、
人によっては少し馬鹿にされたような感を受けるかもしれません。
 
また、事例相談者はキャリアコンサルタントなので、職業倫理綱領の遵守について、
その必要性を理解していると信じても良いのではないかという見方もできます。
※事例指導者にもそうした責任があることは事例相談者自身は理解しているということです。
 
勿論、法律的/倫理的な面で客観的にみて問題点があれば、
それは事例指導者として適切な対処が必要ですが、
果たして、既に事例指導の契約締結を済ませた事例相談者に対して、
面接を始めた途端に守秘義務の説明をするものでしょうか。
 
例えば、試験実施概要に記載があるように試験の場ではメモが存在するので、
メモを使う場合、その場で事例相談者にメモの使用について承諾を得て、
その取り扱いについて、一言、メモ内容についても守秘義務に相当することを伝える程度で良い気がします。
 
ロールプレイの形式ばかりに意識がいってしまい肝心な目的を見失ってしまうと、
せっかくの30分間が勿体ないことになるかもしれないので、
形にはまらないで目の前の人と共に極自然な流れで自由度のある学びの時間を創造して欲しいです。
 
因みに、
ロールプレイを始めるところで、
ガチガチに形式ばった守秘義務をしっかりと明示して1級に合格されている方もいらっしゃいます。
 
ですから、この記事を読んで
「守秘義務の説明をしたらダメなんだ…」
と感化されやすい方はお気をつけください。
 
説明したらダメだとか、説明しない方が良いとか、
それが1級合格に直接結びつくものなのか、どう考えるかは自由です。
自分主体で物事を考えない方が良いかと思います。
 
結局のところ、どうすればいいかではなく、
目の前の事例相談者との関係性や、この事例相談者が担当する相談者にとって、
これから実施される事例指導面接自体に倫理的原則が保たれていることが大事です。
 
それは、
事例指導面接を通し、事例指導者の姿勢や態度から、
相手(事例相談者)が感じ得ることが出来れば良いのではないかと思うのです。