キャリア形成支援の専門職として、

技能を高め続けていくことの必要性についてははっきりとしていることですが、

先日、相互研鑽を行っている心理職の仲間から改めて思慮深い内容を示されましたので、

今回はその一部を記事にまとめて記してみたいと思います。


1級キャリアコンサルティング技能検定試験を受検される方にとっても、

自身のコンピテンシーを知る必要性が如何に大切であるか、理解いただくための手がかりになるかもしれません。


読者の方々のご参考になればと思います。

 


心理職の現場に従事している方には多様なお考えを持った人が存在します。

同じお仕事をされていたり、同じ環境にいらっしゃる場合でも、

当然に物事の捉え方が異なることは沢山あります。

 

勿論、

そしてキャリアコンサルタント職の方々にも同様に様々なお考えがあります。


これは相談者にも同じことが言えるわけで、

画一的な方策では相談者のお役に立てないことも沢山あるのです。

 

私たちは常に専門職としてのコンピテンシーを高めるという課題を持っているわけですが、

かくいう私を含め、

意外と具体的には行動ができていないことも多いのではないでしょうか。

 

相談者は、

私たちにとって予測できないほどの様々な問題を抱えていますし、

また、相談者の周囲の人や環境など関与するものまで広げて考えれば、

相談者の問題に関するものは私たちの専門分野を超え、キリがないほどあり得るわけです。

 

そうした問題を抱えている相談者を目の前にして、

私たちに求められるものは、私たちの中でも、

常により適切な対処を創造していく準備ができることが必要となり学びに終わりはありません。

 

特定の理論などに依拠し、

全ての相談者に同じ論法などで対処をしてしまうことは相談者にとってお役に立たないどころか、かえって問題が起こることもあり、


本来であれば、

相談者が幾つかの対処内容について適切な説明を受けることができ、

そこで初めて相談者自身が対処方法を選択することが可能となるということが重要なのでしょう。

 

そのように考えてみると、

私たちは自分が得意なことだけで援助プランを立てるのではなく、


日々一つひとつ丁寧に、且つ確実に学びながらも、

実践でその新たな学びをこれまで蓄積してきたものと統合して活用できるように、

少しづつでも常に実践的な訓練を行う必要があるのです。

 

多様な知識と技法を修得することや、

その基本を崩さず、

工夫を凝らしてあらゆる理論や技法を組み合わて活用する効果などを実証していくことが技法等の研究に役立つのではないかと思うのです。

 

ただし、気をつけなければならないことは、

やみくもに様々な知識や技法をにわか仕込みのままその場しのぎで独善的に活用することや、

専門職側の利益や価値観、やりたいこと等だけで進めていくことがあってはなりません。

 

あくまでも相談者が選択できるようにかかわることであり、

まさに相談者と共に協働して取り組むことが最大の要点となります。

 

さて、

些か今回の記事のタイトルから離れてしまいましたので、

改めて、

専門職の職業的成長を求めていくため「技能を高めていく」という視点で書きます。

 

先日、

仲間から提供いただいた学びをまとめると、

 

1、反省的実践

2、自身のコンピテンシーの見定め

3、継続訓練・継続学習

4、セルフケア

 

この4点が心理職の職業的成長を求めていくために必要な要件になると聞きました。

 

1の「反省的実践」というのは、

私は少し聞き慣れなかったのですが、


要は、

スーパービジョンやピアスーパービジョン、個人療法等がそれにあたります。

 

自分が実践した事例を基に、

反省的にかかわってみて振り返るワークを行うことは

「より適切な解」を見出す糸口がつかめるかもしれません。


個人的に行うことも、

またそれを他の専門家に聞いてもらいながら気づいていくことも含めて、

専門職であるその本人が反省的であれば学ぶこともきっと多いかと思います。

 

キャリアコンサルタントは面談が終わってから、

《これで良かった》と思うことはなく、

ある程度「反省的」である姿勢が大切なのかもしれません。

※一般的に使われている《反省》とは意味合いが違うと私は認識します。

 


そして、

こうした態度や姿勢が備わっているからこそ、

2の「自身のコンピテンシーの見定め」が可能となるのではないかと思います。

 

この自己評価の視点は、

《自身に甘く誇張》するようなアセスメントではなく、

その活動一つひとつを客観的にみつめ、

自身の能力や技能を見定めて修正をしていくための視点が重要です。

 

例えば、

自分にキャリアポートフォリオを取り入れて、

自身のキャリア・業績・経歴を整理して保管する記録を作成することになります。

 

このキャリアポートフォリオは自分のキャリア形成を助ける有益なツールになります。

内容を例で記すと、

 

・キャリア計画

・自分の受けた訓練

・これまでの業績等

 

こうした要点を整理していくことで自分のことを俯瞰できることでしょう。

 

上記のように自分の技能を高めるには、

反省的実践と自身のコンピテンシーの見定めが必要です。

 

専門職がそうした行動をとれることで、

今よりも基礎的な技能、そして機能的な技能が幅広く深まり、

結果、その人の職業的成長が期待できるという3次元モデルがあります。

 

生涯学習というキーワードを何となく掴んで、

継続訓練として、

例としてフォーマル的な学習だけを受講して満足していても、

とても勿体ないことになるのかもしれません。

 

職業的人生を通し、知識、能力、価値観や理解等を修得し、

それを自身であらゆる場面でエンパワーメントできるように意識していくことが、

私たちの生涯学習の意味ではないかと思います。

 

漠然とした内容となりましたが、

意味深長なテーマでしたので記事にしたいと感じました。

 

次回こそ…

論述選択問題について書きたいと考えています(苦笑)