今日は、
1級キャリアコンサルティング技能検定の論述試験【必須問題】について、
事例をより深く検討することを考えてみます。
1級論述試験の事例1は、
受検者の全ての方が解く共通の問題ですね。
この問題(問いの内容に対しての解答)が必須とされているのは、
一体どのような意味合いがあるのか全体的に少し考えてみましょう。
「この相談者Aについて、どのような問題があるか、あなたの考えをその根拠を含めて記述せよ。」
「この事例相談者の相談者Aへの対応について、どのような問題があるか、あなたの考えを記述せよ。」
「あなたが、この事例相談者の立場なら相談者Aにどのように対応するか、あなたの考えを記述せよ。」
この試験の各問を、そのまま受け身意識で捉えていると、事例指導者の役割としての事例記録(ケース記録)の扱い方や、
上記の3つの問いの意味合いを深く考えられないことになるかと思います。
単にそのまま問いを読み、
解答だけを検討し始めてしまうかもしれません。
1級の技能検定試験として設計されているのですから、
指導レベルのキャリアコンサルタントに必要な能力を問われているので、
2級の論述問題とは異なる見方をそれぞれの考え方で検討し、
もう少し踏み込んでみて欲しいと思うのです。
合格基準の60点を目指すのではなく、
その事例を使った学びや経験が実践で役立つよう、
少しでも高い評価を目指して欲しいと考え、
この記事を書いてみます。
なお、
実際にどうすれば試験で高い点数が得られるか…
これは模範解答や正解等が存在するわけではないと思いますので、
試験のうえでただ高い点数を取るという視点で書いているのではありません。
しかし、
1級論述試験で70点以上の結果を出している方の思考特性や、
そうした方々の1級論述試験問題の事例の捉え方等を踏まえ、
それらを纏めて整理していくと、
これから書くような姿勢が取り組み方のポイントになるかと私は思います。
※試験問題の解答の考え方として正しいと断言できることではありませんのでご了承ください。
前回60点以上で到達出来ているから、
次も私は大丈夫だろう…
特段勉強しなくとも前回と同じ考え方でやれば良い…
等など。
こうした考え方の人もいらっしゃるかと思いますが、
私はそれで良いとは思えません。
ご本人が論述は大丈夫と自信をお持ちであることは、
ご本人だけの中では素晴らしいことかもしれませんが、
《60点~70点とれればこれまでの考え方でよいはずだ》
という試験結果ありきの発想自体、
キャリアコンサルタントのロールモデルとしては成り立たない気がしています。
『より良い事例指導面談が提供出来るように、もっと深く物事を捉えられるようにしよう…見方を変えて考えてみよう』
というような発想意識がなければ、
成長はそこで頭打ちなのかもしれません。
試験結果だけでなく、
その意味を深めていくようなご自身の提案型思考を育んでいくことが、
面接力・実践力の向上や安定感を生み出すものだと思います。
少し厳しいことを書けば、
過去に論述試験でいくら到達していても、
もしその方にその面で成長がなかったらどうなるか。
実技面接試験で未達ということは、
どんな原因があったのか…。
例えば、
論述で取れていなかった数十点の要素が、
実は、
面接で上手く出来ていない点と合致していることに自身が気づいていない等、
こんなことだってあります。
たまたまそれが論述では到達していて、
面接では惜しいような点数になっていたり、
その逆だったり。
こうした自己理解不足のまま、
安定した実践能力を試験の場で出せるのでしょうか。
もし、
論述が100点満点のうち70点だったとすれば、
その30点の差にはどんな意味があるのでしょうか。
到達していれば良いということでは無いのです。
論述の足りない点が、
自身が気づけていない点だったら、
面接能力での自身の適切な課題が見つけられるでしょうか。
そうしたいくつもの盲点が絡み合って指導面接に影響しているとすれば、
これまで合格基準に到達していた論述の事例問題の見方自体を、
変化させてみる、変えてみることに意義があるのではないかと私は思います。
もし今の学びが、
内向きな情報や感覚・価値観等だけに頼って判断しているのであれば、
異なる世界に目を向けた方が有益な気づきが生まれることに繋がるのかもしれません。
論述も面接も連動しているからこそ、
同じステージでの統合的な評価となるわけで、
いくら論述や面接の片方の結果が出ていたとしても、
ご自身の実技の課題について、
その試験結果だけをみて判断しているとすれば、
大きな落とし穴に躓くことになるのではないかと感じることがあります。
自己理解が足りないことになりますし、
また、環境理解不足にも繋がります。
1級論述試験問題の《解答にあたっての注意事項》という項目に、
【事例は、事例相談者(キャリアコンサルタント)が相談者に対してキャリアコンサルティングを行った結果をもとに、事例相談者が事例指導を受けるためにまとめたものです。】
と明記され、
また、
各事例の冒頭にも、
【次の文章は、事例相談者が事例指導を受けるためにまとめた事例である。】
と太字で記載されています。
この文章から、何かの理解を深めようとするには、
実際にご自身で、事例指導を受講するためにケース記録を起こしてみれば体感できることがいくつもあります。
そうすれば各問をどう捉えればよいか、
ご自身の考え方が引き締まっていくかと思います。
試験の問題を単なる試験問題と受け身意識だけで捉えるのか、
それとも立体的に考えてイメージできるのか、
随分と結果が異なる気がします。
これからCCの育成指導者になろうと考えられている方は、
ご自身で色々と検討してみてください。