今日は、事例指導の原理とその効果というテーマで記事を書いてみます。
1級キャリアコンサルティング技能検定を受検される予定の方にとっても、
これから事例指導を学ぶ方にとっても、
ひとつでもお役に立てる内容になればと思います。
私がある先生の講義で学ばせていただいた内容を、
私なりの解釈や考え方をまじえて表現してみます。
事例指導者は、事例相談者への共感的、肯定的な姿勢と理解によって、
事例相談者とのリレーションを醸成していき、
事例の理解、異なる視点、新たな視点、戦略策定など教育指導を展開します。
最初に事例相談者の話を聴くということが最も重要です。
事例を話す事例相談者の考え方などを、
意見、事実、論拠を整理しながら効果的な質問と確認、応答を繰り返し、
どのように事例を捉えているのか、またどうしようとしたのか…等、
本人を受容していくことで指導関係が深まっていきます。
そして、事例相談者の自己洞察を深めていきます。
事例相談者の問題の本質となる「ずれ」や「偏り」
「決めつけ」や「価値観の押しつけ」など、
本人が気づいていない感情や認知、行動や技術に成長を促す指摘を行い、
なぜそうなったのか、逆転移の解釈などから自己洞察を深めていきます。
特に情動的洞察が深くなれば指導効果として高い評価ができると思います。
事例相談者が自分の問題の本質に気づきを得られれば、事例の概念化が出来、
問題解決に向けた具体的な目標設定と戦略実行が出来ます。
事例相談者の問題が掴めない方、
どこに焦点を当てて会話を進めればいいのかわからない方、
事例相談者がやる気を示してくれないなどの悩みを持つ方、等々。
その原因は、
事例相談者の話を聴けていないケースが多いとか、
また、事例相談者の自己洞察を深めていくプロセスが弱い等があるかもしれません。
視点を変え、
事例指導で期待できる効果をまとめると、
●事例指導者の前で自身の面談過程を振り返ることで、
自身の考え方、感じ方、捉え方、言語表現等の癖や傾向に気づきを得られます。
●結果、事例や相談者の見立てが深まり、より適切で具体的な対処方法がみつかります。
●コーディネート能力を実践的に考えられ、併せて倫理観の意識も上がります。
以上のような効果が少しでも獲られるように指導出来ると良いですね。
簡単な記事で恐縮ですが、
皆様の事例指導の実践やロープレなどにお役立ていただけたら幸いです。