改めて、
1級キャリアコンサルティング技能検定における実技面接試験での
ロールプレイの構造を整理していただくヒントにしていただければと思い記事にします。
 
私が先生方から学ばせていただいた一部コンテンツを随所に盛り込んでお伝えします。
 
基本的に事例相談のプロセスは、
キャリアコンサルティングのプロセスとほぼ同様であると私は教えられてきました。
また、実践でもそれを意識している場面はとても多いです。
※私がお世話になっているスーパーバイザーの方々は、
各々独自の事例指導スタイルがあり、必ずしもプロセスが同様ではありませんが、
システマティックアプローチの構造をとても効果的に使われていて勉強になります。
 
今回は、これまでと少し異なる表現で、
大凡の目的別に事例指導の構造を解説してみます。
 
◆事例相談者の問題の発見
⇒事例の中でつまづいている点を見立てる
 
◆事例相談者との協議
⇒事例を通じた支援内容と方法、その範囲を決める
 
◆事例相談者への介入
⇒事例を活用して実践、状況に応じて助言や指導を行う
 
◆事例相談者を見守る
⇒支援した結果とその経過状況を確認する
 
事例指導はこのサイクルを機能させていくわけです。
 
上記のプロセスを達成していくために、
 
事例指導者は、
事例相談者との人間関係を構築・維持しつつ、
事例相談者の問題の共有化を行い解決に向かう意欲を向上化させ、
適切な対処が出来るように指導的視点で関り、出来たことを評価し合い、
またそれを維持促進出来るように働きかけていく。
 
これらをひとつひとつ限られた時間の中で丁寧に扱っていくことが大事です。
 
掘り下げていくと、
事例指導を行う上でとても重要な点は
『課題がある』
とうことです。
 
事例相談者の成長課題が明確にあり、
それを事例相談者と共有出来ていなければ支援は成り立ちません。
 
その課題とは、
①技術的なもの
②知識的なもの
③倫理的なもの
が折り重なるようにして存在します。
 
これらを適切に見立てていくためには、
どんなプロセスを踏めば良いのでしょうか。
 
ある先生に、
事例指導における見立てと手立てのプロセスというわかりやすい構造を教えていただいたことがあるので、
少し触れてみたいと思います。
 
事例指導を行うということは、
事例相談者の事例を通して事例相談者の気づきや理解を促し、
専門家としての成長支援を行うことです。
 
そこで事例指導者が先ず行うことは、
1、事例概要を把握
となります。
 
事例をある程度掴んでいくのは、
事例相談者との会話や文字、
事例相談者の表現等を通じて、
間接的にクライエントの問題に関わる諸情報を収集整理するのが主な方法です。
 
事例理解の始まりの部分なのである程度正確に輪郭を掴みたいですね。
 
そして次に事例の問題の本質を捉えるため、
2、事例を明確に把握
というステップへ進展していきます。
 
事例相談者から得た情報等に対して、
疑問や確認を問いかけていくことにより、事例相談者は受け答えを繰り返し、
事例の振り返りを促すことで気づきが得られます。
事例指導者はこれらを循環させていくことで、
クライエントの問題と事例相談者のストラテジーを正確に把握します。
 
ここで全体像を要約していき、
3、事例全体の評価
へ進みます。
 
事例相談者の主訴、そして目指したいところ、背景等、
これらを現状として受け止め、主要な課題を把握し合います。
仮の目標としてでも良いので現状を共有して評価し合い、
解決のための支援案を連鎖、事例相談者の気づきを促し具体化します。
 
4、支援目標設定
 
事例相談者と事例指導者で検討した幾つかの目標から優先順位を決めていき、
その目標を達成することでの評価を確認し合います。
事例相談者の取り組みの意欲を再確認して目標設定を明確化します。
 
5、支援方法策定
 
事例相談者が現実的に実行出来る内容を支援方法として企画して、
具体的に価値提案をします。
内容に合意を得て、実行していきながら指導を進めていきます。
 
簡略化して書きましたが、
 
1~2は、見立てのプロセス
3は、見立て・手立てのプロセス
4~5は、手立てのプロセス
 
という感じで、
事例指導の構造についてイメージしやすく学んだことがあります。
 
このような学びが、
今のキャリアコンサルティングの事例指導に活かせていると思っています。
 
何かご参考にしていただけたらと思い書いてみました。
 
次回も1級キャリアコンサルティング技能検定の実技面接試験に関することをアップしていきます。