口頭試問の記事をひと休みして、

今回は、
私自身がキャリアコンサルティングや事例指導を行いながら陥りやすいことをベースにして、
1級キャリアコンサルティング技能検定面接試験で参考になりそうな内容を書いてみます。


キャリアコンサルティングとは、

『自身(クライエント)のキャリアプランを明確にして、そのために必要な能力を得たり仕事選択を行うなど、自身(クライエント)が希望するキャリアのプロセスを実現していくための手段のひとつ』

という内容が定義されていて、
それを支援実行するのがキャリアコンサルタントになります。

クライエントへキャリアコンサルティングを提供する際、
例えば、インテークに大なり小なり誰でも不安はつきまといますよね。
私はいつも物凄く緊張します。

これが何ともないと思われる専門家がもしいらっしゃるのならお会いしてみたいくらいですが、
私には決して真似できないと思います。

私はトータル23年間、人のキャリア形成支援に関わる仕事に関与していますが、
未だに慣れることはなく、はっきり言って様々な人に会って、私の態度や発言等の関わり方で様々な影響を及ぼしてしまう感覚が実はストレスになっています。
※勿論、良い意味も含めてです。


今回書きたいことは、
キャリアコンサルタントとして、クライエントの話しを聴かせていただく際、
いくらキャリアのことを支援していくとはいえ、
面談の最初は、ラポールを形成していくことに努めていくことが、キャリアコンサルティングを効果的に進めるための重要なポイントになることから、
大抵の方が傾聴技法を適宜取り入れて面談を進めていくと思います。

そこでキャリアコンサルタントとして、
クライエントの気持ちや解決したい問題などを把握していき、
キャリアコンサルタントがクライエントのことを理解して受け入れているからこそ、
クライエントは安心安全を感じてさらに価値のある話に発展していくわけです。

ここでキャリアコンサルタントが陥りやすいのが、
クライエントの主訴以上に、
キャリアコンサルタント視点のクライエントの問題(クライエントの問題の本質)ばかりを探そうと考えたり、
その問題に気づかせようとするあまり、
視点がそこだけに狭まってしまい、クライエントとの想いや話が噛み合わず何度も行き来してしまう状況です。

そのクライエントの問題というものが、
例えば、
家族に相談出来ているのか、
上司に相談したのか、
相談はどのレベルまでおこなったのか、
先輩や同僚や友人等、周囲のお手本はいないのか、
周囲のサポートはどうなのか、きちんと調べたのか、
等々。

こんな風にキャリアコンサルタントとして色々な視点で見立てていると、
一応に問題の本質の手掛かりを掴んでいるように思えてしまいます。

事例指導を行う際、
このような事例相談者と面談した場合、

目の前のキャリアコンサルタントはクライエントに上記のことをクライエントへ気づかせているのだろうか、
実際やっていたとしても何だか浅く漠然としていて、
クライエントが具体的に行動出来るようにもっと掘り下げて聴くべきではなかろうか、

というような視点で見立てを行えば、
何だか指導者としての視点になっているような感じもしてしまいます。

●キャリアコンサルタントとしてクライエントに関わった時のキャリアコンサルタント視点の問題把握

●事例指導者として事例相談者に関わった時の事例指導者視点の問題把握

これらの問題の本質把握の視野が狭くなってしまう状況を書いてみました。

勿論、事例指導では、
事例相談者のやっていることを肯定的に受け止めていくという点から、
事例相談者と同じ目線で、その視点からもっと聴けてるのか、
という見立ても有効ですが、

それが、

”何故クライエントは行動出来ないのだろうかの原因をもっと掘り下げて、クライエントが納得して行動出来るように働きかけていく”

というような視点だけの指導になってしまっている場合、
ワンパターン化してしまうし虫の目だけに陥ってる可能性があります。

このような状況に悩んでる場合は、
一旦、キャリアコンサルティングとは何だろうかと改めて初期化することをお勧めします。

そうすることで、
クライエントの個の重要性に気がつき、
基本的な支援のあり方をベースに事例指導に繋がるのではないかと思います。

事例相談者は、クライエントのキャリア形成支援を適切に出来ているのでしょうか。
鳥の目で見てみてください。

事例指導は、
先ず、事例相談者の面談で出来ているところがあるはずなので、
そこを根拠をもって評価、承認出来る関係を強化し、
さらにもっと良いキャリアコンサルティングを行うにはどうしたらいいのでしょうかという視点で事例相談者とともに臨んで欲しいです。

そしてそれは、クライエントのキャリアが中心に展開されていくのだろうかと見守って欲しいところです。
様々な事情に振り回されることはありますが、
原点はそこにあると思います。

漠然とした日記になりましたが、
もしロープレをやっていてしっくり来ない、
何か違うと感じている方は、
このあたりの見直しから入ると解決するかもしれませんね。

事例指導は、
事例相談者の成長を促す支援であるということです。

最終的にはクライエントの役に立つのですが、
それは目の前の事例相談者が成長することにより、
事例相談者が担当するクライエントに、より高い価値を提供するという実現に向かうことが出来、
そこで初めて間接的にクライエントへの価値提供となります。

事例指導者は事例相談者のクライエントには会えないので、事例相談者を育てることが最優先になると思います。
※一部例外がありますが、ここでは基本的なことを記しています。

皆様の技能検定合格を心からお祈りしています。