前回に引き続き、
1級キャリアコンサルティング技能検定の実技面接試験
口頭試問の件について書いてみます。
前回は、受検者の方々に予め郵送されたロールプレイケース内容の表面、
「試験実施概要」の中に例として紹介されているものを対象に私の考え方を書いてみました。
今回からは、
私がキャリコン仲間や先輩、そして自身の経験から得ている情報内容を基に、
1級の口頭試問でこのような質問があったらどう考えていくかという視点で、
色々書いてみたいと思います。
先ずはありがちかな…と思われる内容として、
『今回の事例指導において、事例相談者との関係構築の程度はどうでしたか』
という感じの質問があった場合。
これは、前回の記事に書いた、
今回のロープレで良かった点、改善したい点を聞かれた際に、
答えの中のひとつの項目として回答していく場合もあると思いますが、
具体的に関係構築の程度として絞り込まれての質問がある場合もあるのかなと思います。
この場合、聞かれていることは、事例相談者と相談者の関係構築の程度ではなく、
受検者(事例指導者)と事例相談者の関係構築(指導関係)の度合いを聞かれているわけですね。
そんなことはわかっているよ!
と思われるかもしれませんが、
試験会場の受検室の空気感で、
日頃当たり前と考えていても惑わされてしまうことがあります。
勿論、質問をよく聞いて、
”事例相談者と相談者の関係構築の程度は”
と聞かれているのであれば、
事例相談者の関係構築力についての評価が出来るかを聞かれているのでそのまま答えれば良いのですが、
私の経験等から言えば、
事例指導がどれだけ出来ているか、受検者自身の自己評価を問われていると思うので、
『今回の事例指導において、事例相談者との関係構築はどれだけ出来ていると思うか。
そしてそれはどんな根拠からそう言えるのか。』
というように捉えるようにして準備していました。
準備というのは、
型にはめることを準備するのではないです。
私は、
イメージトレーニングや日頃の仕事の実践の中等で、
事例相談者との指導関係構築が成り立っていない自分を想像することはしていません。
ですので、
先ず関係構築が出来ている自分を前提として答えられるように準備します。
※勿論、出来ていない場合はきちんと自己分析して課題として伝えます。
その出来ているという根拠をどのように示していくのかをしっかりと掴んでいただきたいです。
ロープレの練習をしたりイメージトレーニングをしたりしていると思いますが、
ただ30分間の面接の練習をするのではなく、
その30分のセッションのどこを口頭試問で使うのか、
ある程度自分でポイントをおさえ、
どこに自分の特徴が出ていて得意または上手なのか、
客観的に人に表現出来るようにトレーニングして欲しいと思います。
関係構築の点でどの程度出来てたかの根拠は、
意外と表現が難しいですよね。
これは1級の関係構築力の評価区分を見直すと良いかと思います。
先ず、
『相談者との人間関係を構築』
と記されています。
ここは、初対面の事例相談者に対して、事例指導者がどんな態度や姿勢なのか、
雰囲気を作ろうとする努力は大切です。
また、事例指導者の自己紹介が事例相談者の為(安心や信頼等)に繋がる情報であるのか。
この点を、私だったら口頭試問で、
最初にどう工夫して関わり、そして事例相談者にどんな変化があった、
ということを答えとして伝えていきます。
そして、
『事例相談者に気づきや成長を促す関係を作ることができること。キャリアコンサルティングの進め方を体系的に理解したうえで、キャリアコンサルタントとして、事例相談者に対して受容的・共感的な態度や誠実な態度を維持しつつ』
とあります。
これらがロールプレイでどのようにできたのか、
事例指導として意図的にやったことや事例相談者の変化等の事実を基に、
説明が出来る事が望ましいです。
気を付けて欲しいのは、
”気づきや成長を促す関係を作ること”
という視点ですので、
先走って、
”気づきや成長を促して問題に気づくためにやったこと”
を答えてしまうと、
事例指導での問題把握の視点にかかってしまいますので、
後から出てくる口頭試問の質問で答えがタブってしまいます。
口頭試問で同じことばかり答えている気がするということはないでしょうか。
早とちりすると、
こんなところで答えがかぶってしまうわけですね。
事例相談者に気づかせていくことや成長を促す関係を作るためにどうしたのか、
私はこのような関わり方をしてこんな工夫をしたからこそ、
事例相談者がどこどこの場面でやる気を見せてくれた、
結果、問題を見つけていきたいと事例相談者のモチベーションがあげられた、
と答えていくと良いですよね。
これは例としてですが、
事例相談者のやろうとしたことを面談プロセスにそって確認していきながら、
場面場面で出来ているところを根拠をもって承認したり、
その時やろうとした事例相談者の気持ちを受け止めていく等、
色々とやる気を出させていく点や気づかせていく機会等々はあります。
『事例相談者の面接の課題に気づき成長できるよう、様々な理論とスキルを用いることができること。』
という点は、
事例相談者が相談者との面談で特徴が出ている点に焦点を当てながら、
例えば、
○○さんは、この部分とかこのところで、相談者に寄り添って質問をしていますよね、
相談者はこの時どんな表情になられてましたか?
「ああ、その時は安心した表情で色々と気持ちの面を出してくれました」
とても感情的なアプローチが上手なのですね!
と言う感じで上手いところを承認していったり、
○○さんは、
ここでこうしましょうと相談者に提案していますよね。
これはどんな効果が相談者にとってあると思ったのですか?
「これは、相談者が色々と調べることでもう少し冷静な判断も出来るし、
情報が沢山集まれば、メリットデメリットも検討出来ると思いました。」
それはキャリア理論でいうと、
意思決定論的なアプローチですね!
意識してやられているのですか?
「いや、なんとなくですけど…」
すごく自然で上手だと思いますよ。
このクライエントにとって有効な選択だと私は思います。
等々。
こんなやりとりをロープレでやっていたならば、
口頭試問で関係構築の程度を聞かれた場合、
気づきや成長を促す関係、そして事例相談者のやろうといたことを理論と併せて気づかせていったり、
承認していくことで指導関係が深められたと答えられると思います。
このようにロープレでやったことや展開の意図を説明出来れば、自己評価の点が出来ていると評価されるでしょうし、
関係構築の程度で出来ているという根拠を客観的に説明出来ます。
ここに書いたことを全部答えるのではなくて、
どこか自分の得意な点をきちんとケースに合わせて伝えられる練習をした方が良いという考え方です。
納得感のある方は是非やってみてください。
口頭試問は、ロールプレイが上手くいけば何とかなるだろう…
みたいに考えていると、もったいないことになると思います。
口頭試問もロープレ同様にやれること、
やるべきことをしっかり準備して臨んで欲しいと私は考えます。
次回は、
事例相談者の担当している事例はどのような事例で相談者の問題はなんでしょうか。
若しくは、
事例相談者の抱えている問題にはどんなことがありましたか。
そして事例相談者にどのような目標を設定してどんな指導プランを立てましたか。
みたいな質問がきたら…
という想定で考えてみたいと思います。
もし口頭試問の質問内容について記事にして欲しいというリクエストがありましたら、
是非、下記HPのお問い合わせからお気軽にメールをいただければと思います。
https://cvclab.jimdo.com/
※ご期待に沿う事が出来ない事もございます。予めご了承願います。
どうぞよろしくお願い致します。
CVCLAB/小林幸彦
1級キャリアコンサルティング技能検定の実技面接試験
口頭試問の件について書いてみます。
前回は、受検者の方々に予め郵送されたロールプレイケース内容の表面、
「試験実施概要」の中に例として紹介されているものを対象に私の考え方を書いてみました。
今回からは、
私がキャリコン仲間や先輩、そして自身の経験から得ている情報内容を基に、
1級の口頭試問でこのような質問があったらどう考えていくかという視点で、
色々書いてみたいと思います。
先ずはありがちかな…と思われる内容として、
『今回の事例指導において、事例相談者との関係構築の程度はどうでしたか』
という感じの質問があった場合。
これは、前回の記事に書いた、
今回のロープレで良かった点、改善したい点を聞かれた際に、
答えの中のひとつの項目として回答していく場合もあると思いますが、
具体的に関係構築の程度として絞り込まれての質問がある場合もあるのかなと思います。
この場合、聞かれていることは、事例相談者と相談者の関係構築の程度ではなく、
受検者(事例指導者)と事例相談者の関係構築(指導関係)の度合いを聞かれているわけですね。
そんなことはわかっているよ!
と思われるかもしれませんが、
試験会場の受検室の空気感で、
日頃当たり前と考えていても惑わされてしまうことがあります。
勿論、質問をよく聞いて、
”事例相談者と相談者の関係構築の程度は”
と聞かれているのであれば、
事例相談者の関係構築力についての評価が出来るかを聞かれているのでそのまま答えれば良いのですが、
私の経験等から言えば、
事例指導がどれだけ出来ているか、受検者自身の自己評価を問われていると思うので、
『今回の事例指導において、事例相談者との関係構築はどれだけ出来ていると思うか。
そしてそれはどんな根拠からそう言えるのか。』
というように捉えるようにして準備していました。
準備というのは、
型にはめることを準備するのではないです。
私は、
イメージトレーニングや日頃の仕事の実践の中等で、
事例相談者との指導関係構築が成り立っていない自分を想像することはしていません。
ですので、
先ず関係構築が出来ている自分を前提として答えられるように準備します。
※勿論、出来ていない場合はきちんと自己分析して課題として伝えます。
その出来ているという根拠をどのように示していくのかをしっかりと掴んでいただきたいです。
ロープレの練習をしたりイメージトレーニングをしたりしていると思いますが、
ただ30分間の面接の練習をするのではなく、
その30分のセッションのどこを口頭試問で使うのか、
ある程度自分でポイントをおさえ、
どこに自分の特徴が出ていて得意または上手なのか、
客観的に人に表現出来るようにトレーニングして欲しいと思います。
関係構築の点でどの程度出来てたかの根拠は、
意外と表現が難しいですよね。
これは1級の関係構築力の評価区分を見直すと良いかと思います。
先ず、
『相談者との人間関係を構築』
と記されています。
ここは、初対面の事例相談者に対して、事例指導者がどんな態度や姿勢なのか、
雰囲気を作ろうとする努力は大切です。
また、事例指導者の自己紹介が事例相談者の為(安心や信頼等)に繋がる情報であるのか。
この点を、私だったら口頭試問で、
最初にどう工夫して関わり、そして事例相談者にどんな変化があった、
ということを答えとして伝えていきます。
そして、
『事例相談者に気づきや成長を促す関係を作ることができること。キャリアコンサルティングの進め方を体系的に理解したうえで、キャリアコンサルタントとして、事例相談者に対して受容的・共感的な態度や誠実な態度を維持しつつ』
とあります。
これらがロールプレイでどのようにできたのか、
事例指導として意図的にやったことや事例相談者の変化等の事実を基に、
説明が出来る事が望ましいです。
気を付けて欲しいのは、
”気づきや成長を促す関係を作ること”
という視点ですので、
先走って、
”気づきや成長を促して問題に気づくためにやったこと”
を答えてしまうと、
事例指導での問題把握の視点にかかってしまいますので、
後から出てくる口頭試問の質問で答えがタブってしまいます。
口頭試問で同じことばかり答えている気がするということはないでしょうか。
早とちりすると、
こんなところで答えがかぶってしまうわけですね。
事例相談者に気づかせていくことや成長を促す関係を作るためにどうしたのか、
私はこのような関わり方をしてこんな工夫をしたからこそ、
事例相談者がどこどこの場面でやる気を見せてくれた、
結果、問題を見つけていきたいと事例相談者のモチベーションがあげられた、
と答えていくと良いですよね。
これは例としてですが、
事例相談者のやろうとしたことを面談プロセスにそって確認していきながら、
場面場面で出来ているところを根拠をもって承認したり、
その時やろうとした事例相談者の気持ちを受け止めていく等、
色々とやる気を出させていく点や気づかせていく機会等々はあります。
『事例相談者の面接の課題に気づき成長できるよう、様々な理論とスキルを用いることができること。』
という点は、
事例相談者が相談者との面談で特徴が出ている点に焦点を当てながら、
例えば、
○○さんは、この部分とかこのところで、相談者に寄り添って質問をしていますよね、
相談者はこの時どんな表情になられてましたか?
「ああ、その時は安心した表情で色々と気持ちの面を出してくれました」
とても感情的なアプローチが上手なのですね!
と言う感じで上手いところを承認していったり、
○○さんは、
ここでこうしましょうと相談者に提案していますよね。
これはどんな効果が相談者にとってあると思ったのですか?
「これは、相談者が色々と調べることでもう少し冷静な判断も出来るし、
情報が沢山集まれば、メリットデメリットも検討出来ると思いました。」
それはキャリア理論でいうと、
意思決定論的なアプローチですね!
意識してやられているのですか?
「いや、なんとなくですけど…」
すごく自然で上手だと思いますよ。
このクライエントにとって有効な選択だと私は思います。
等々。
こんなやりとりをロープレでやっていたならば、
口頭試問で関係構築の程度を聞かれた場合、
気づきや成長を促す関係、そして事例相談者のやろうといたことを理論と併せて気づかせていったり、
承認していくことで指導関係が深められたと答えられると思います。
このようにロープレでやったことや展開の意図を説明出来れば、自己評価の点が出来ていると評価されるでしょうし、
関係構築の程度で出来ているという根拠を客観的に説明出来ます。
ここに書いたことを全部答えるのではなくて、
どこか自分の得意な点をきちんとケースに合わせて伝えられる練習をした方が良いという考え方です。
納得感のある方は是非やってみてください。
口頭試問は、ロールプレイが上手くいけば何とかなるだろう…
みたいに考えていると、もったいないことになると思います。
口頭試問もロープレ同様にやれること、
やるべきことをしっかり準備して臨んで欲しいと私は考えます。
次回は、
事例相談者の担当している事例はどのような事例で相談者の問題はなんでしょうか。
若しくは、
事例相談者の抱えている問題にはどんなことがありましたか。
そして事例相談者にどのような目標を設定してどんな指導プランを立てましたか。
みたいな質問がきたら…
という想定で考えてみたいと思います。
もし口頭試問の質問内容について記事にして欲しいというリクエストがありましたら、
是非、下記HPのお問い合わせからお気軽にメールをいただければと思います。
https://cvclab.jimdo.com/
※ご期待に沿う事が出来ない事もございます。予めご了承願います。
どうぞよろしくお願い致します。
CVCLAB/小林幸彦