今回は、

1級キャリアコンサルティング技能検定
実技面接試験のロールプレイにおける事例指導の終了の方法(例)について書いてみます。
 
私の場合、実際の事例指導の完結は、
クライエントへキャリアコンサルティングを実施する時と同様、
システマティックアプローチの流れに似ています。
 
実際の事例指導の現場では事前のコミットメントの中で、
 
”201X年〇月〇日~201X年〇月〇日の間、指導面接〇回実施。
指導面接の1回の所要時間や場所、方法、事前準備、料金について等明記。
目標の達成状況等により、別途、甲乙の協議により面接回数は変更出来るものとする。”
 
というような設定内容をしっかりと盛り込んで構造化していますので、
検定試験での指導面接終了時の説明ニュアンスと異なる面があるかと思います。
 
また、事例指導そのものの完結と、
その日の事例指導の終了は全く違うことになりますが、
今回の記事では、
1級の実技面接試験における事例指導のロールプレイ終了方法(例)に絞り解説します。
 
なお、試験といっても、
人と人の間でダイナミックに様々な状況変化が起こるので、
”こうすればこうなる”
という意味合いではないこともご理解願います。
ひとつひとつにどんな意味があるのかを捉えていただけたらと思います。
 
前回の記事では、
事例相談者のネットワークやクライエントの環境等への働きかけの考え方等を書きました。
 
例えば、クライエントの環境がどのように変わればクライエントの問題解決に繋がるか、
そうするためには、どこにどのように働きかけていくことが考えられるか等の視点で支援することなどをご紹介しましたね。
 
事例相談者は経歴が浅かったり、一度に受け止められるキャパの問題もあるので、
あれもこれも提示するのではなく、事例指導者が課題の優先順位を決めて、
ひとつかふたつ程度に抑えて気づきを促していくことが大切かもしれません。
 
1級の面接試験は、30分という時間なので、
状況によってはコーディネートの話までは厳しいという方もいらっしゃるかもしれませんが、
私はクライエントの環境に働きかけていくこと、
若しくは、事例相談者が自身のネットワークを通じて自己研鑽に励むように啓蒙することなど、
この視点で、事例相談者の問題解決力アップのためにも、何かひとつくらいは気づかせたり、
すぐに行動に繋がるような働きかけを事例指導でおさえておきたいと思います。
 
そしていよいよ、本日の事例指導の終了に向かいます。
 
『今日は、クライエントの問題の本質をクライエントと共有するための働きかけ方を練習して、その問題を解決するための目標の設定と合意を得るところをやりましたよね。
そして、別の視点として、今回のケースの場合のクライエントの環境を変化させていく働きかけも一緒に考えてみました。
今日はやってみていかがでしたか?
わかったことや気づいたこと、わからなかったことやモヤモヤしていることなどあればお聞かせください』
 
このようなお話しをしていき、事例相談者と事例指導の評価をしていくことも大切です。
 
万一、モヤモヤしていること等が出てきても焦らずに、
 
『そうなんですね、頭では理解出来たけれど、
やれるかどうかがちょっと自信がない感じで…モヤモヤしているのでしょうか?』
 
「そうですね、はい」
 
『それはどのようにして解決していったらよいでしょうか?』
 
「やはり、今日気がついたことを復習して何度も練習した方が良いと思います。」
 
『今日はそこに気がついてよかったです。
実際、先ほど、○○さんにちょっとやってもらったとき、
質問の投げかけ方や関わり方はクライエントにわかりやすくてとてもよかったですよ。
あの感じで意識して面談が出来れば、より良いキャリアコンサルティングになりますよ!
是非頑張りましょう!
また、この面接は出来ますので、もし問題を感じたらいつでもご連絡くださいね。』
 
「はい。そう言ってもらえて良かったです。ありがとうございます。」
 
『では今日はお時間になりましたので、これで終了となりますがよろしいでしょうか。』
 
こんな感じで終了していくのがいいのかなと思います。
 
 
また、事例相談者が特にわからないこともモヤモヤしていることもなく、
 
「今日はすごく勉強になりました!本当に良かったです。」
 
と事例相談者が答えてくれた場合、そこで事例指導を終了するのではなく、
私だったら、
 
『それは良かった。私もそう言っていただいてとても嬉しく思います。
ところで、今回の気づきや面談の進め方等、
勉強になったと思っていただいた点を実践したり、維持したり、
更に自分のものにしてより高めていくには、今後どうしたらいいと思いますか?』
 
と質問を投げかけていきます。
 
これは、事例相談者へ自己研鑽を促す意味があり、
また同じような癖に陥らないようにするためです。
 
「そうですね…。私の場合はあまり勉強する機会がなくて。。。
でもこのような場を作っていなかければと思います。」
 
『そうですよね。私たちも日々自己研鑽出来るように諸々努力しています。
やっぱりクライエントに適切な対処、価値の提供を実現出来るようにキャリアコンサルティング能力は磨き続けて欲しいと思います。
もしよければ、キャリアに精通した先生方が関わる組織団体等でも、様々なテーマで有益な講座が開催されているので、もしお困りの際はいつでもご相談くださいね。』
 
「ぜひお願いします!」
 
絶えず客観的に自己の面談内容をチェックしていくことは重要ですので、
その点をしっかりおさえていくことが大事で、そして事例指導を終了していきます。
 
いかがでしたかでしょうか。
 
何かご参考になる点があれば嬉しく思います。
 
1級の面接試験は早い方だと、あと2週間程度でしょうか。
是非、準備万端にして試験に臨んでください。