今回は、
1級キャリアコンサルティング技能検定の面接試験
ロールプレイ終盤の展開例をご紹介させていただきます。
 
前々回から、この記事ではロールプレイ時のケース記録の活用方法と併せて、
事例指導の展開を終盤の手前のところまで書いてきました。
 
事例相談者が自身の問題に気づき、それを事例指導者が概念化していき、
事例相談者の問題解決に向けた目標を達成するため、
ケースを通して具体的に方策を実施し評価していく流れを解説しています。
 
そして今回は終盤の流れとして、
今後も事例相談者が自己研鑽を継続して行えるように具体的に働きかけをしたり、
また、事例相談者のネットワークやクライエントの環境に事例相談者が働きかけを行うことで、
結果、クライエントの問題解決に繋げられる支援にもなることに気づきを促すこと等を纏めて書いていきます。
 
この場面でも事例相談者が持ってきてくれたケース記録を丁寧に扱っていきます。
 
先ず、今後も事例相談者が継続して学習していこうと考えていくには、
現実的なところで色々とハードルがあるかもしれません。
 
今回のように自身の面談傾向等の癖を修正するには、
時折客観的に評価・指導等してもらえる環境等を作ることが必要になります。
 
事例相談者の置かれている環境からどんなことが出来そうか、
どんな工夫をして学びの場を確保していくのかを考えさせていき、
実行していけるように啓蒙します。
 
『〇〇さんは今回ケースを通じてご自身の面談の進め方に色々とお気づきいただきましたが、
今後、そのような気づきの場や学びの場はどのように作っていけそうですか?』
 
このような質問を投げかけてみることで、
事例相談者からいろんな話が出てくるのではないでしょうか。
 
事例相談者が具体的に行動して、スキルアップしていくことは、
クライエントの問題を解決支援する能力が維持促進されていくことになります。
 
また、事例相談者のネットワークに、
例えば今回のケースのクライエントのためになるものはないか検討していく視点も大切であり、
事例相談者がクライエントの職場の契約キャリアコンサルタントだった場合は、
事例相談者が組織への働きかけを行うことで、クライエントのおかれている環境を変化させていくことが出来る場合もあります。
 
勿論、倫理面を十分に配慮した方策でなければなりませんので、
その辺りをどのように企画するかもキャリアコンサルタントの裁量等にかかってきます。
 
企業の場合は従業員全体や部署単位を対象としたメンタルセルフチェックサポートの講座実施や、管理職対象の部下育成の講座実施、
経営者へのセルフキャリアドック制度の導入提案、
組織内キャリアパス制度の見直し提案等々、
色々あるわけです。
 
これが大学のキャリアセンターに所属されているキャリアコンサルタントの場合のネットワークの強みやその具体的な広げ方、
需給調整機関等にいらっしゃるキャリアコンサルタントの場合のネットワークの強みや広げ方、
医療機関等に精通されているキャリアコンサルタントの強みやネットワークの広げ方等々、
 
事例指導者は常に様々な領域での情報収集を機会がある度に行なっておき、
事例相談者がどのような領域で活動しているキャリアコンサルタントでも、
その事例相談者自身のネットワークへの具体的な行動イメージを持ちやすいように支援していくことは重要になることだと思います。
 
そういった視点で事例相談者へ、
『それでは、今回のケースの場合は自身のネットワークを活用してクライエントの問題解決に繋がりそうなことは何ですか?』
と質問していくことも成長に繋がる指導です。
 
以上のように、
事例相談者自身がスキルアップを継続していこうと思い実際に行動に移せる内容を確認していくこと、
そして事例相談者自身のネットワークや環境を活かしてクライエントの問題解決に繋がる方策を検討していくことなどにも意識が広がります。
 
さらには、クライエント自身の環境の問題に焦点を当てることも効果的な方策を検討することが出来る場面のひとつになります。
 
これは、事例相談者がクライエントの環境に直接的に働きかけを行うのではなく、
事例相談者がクライエントを通してクライエントの環境問題に触れていき解決に効果的なものはないか検討していくことです。
 
例えば、事例相談者が直接関わることが現実的ではないような場合を含めて、
 
クライエントの家族の思考性等に問題がある場合や、
クライエントの職場環境等に著しく問題がある場合(事例相談者がクライエントの職場とは全く関係ない時)等、
このようなケースでは、クライエントがどこの誰にどんなことをすれば良いのかを検討して、
クライエントがその行動を起こしやすいように支援していくことも、
クライエントの環境に働きかけを行うということになります。
 
実際に、クライエントがこれまで相談出来なかった家族や上司等に適切な相談のやり方がわかることで、クライエントは行動に移すことが出来、
例えば、これまで頭ごなしにクライエントの事を反対していた人の気持ちがクライエントにとって有利な方向に変化していくこともあるわけです。
 
クライエントの環境の変化によってクライエントの問題の本質が解決しやすくなることもあります。
 
ケースによって働きかけていく内容が異なりますので、
具体的にイメージしやすいようにケース記録を活用して検討していき、
他のケースでも同様に視点を広げていけるという気づきを支援していければ良いと思います。
 
なお、事例相談者にあれもこれも課題を出してしまうとパンクしますので、
事例指導者として優先順位を考えて、
事例相談者の理解度等の状況に合わせ、上手くチョイスして支援していきたいところですね。
 
色んなことを書いてきましたが、一例としてご参考にしていただけたらと思います。
 
書いてきた流れや展開の例は、
ひとつひとつそこにどんな意味があり、どんな支援効果があるのか、
考えていただきながら読んでくだされば、単に進め方としての理解に留まらないと思います。
 
私の現場での仕事の進め方の一例が、
皆さまのお役に立つ情報のひとつになれば幸いです。
 
CVCLAB/小林幸彦