今回は改めて事例指導を学ぶことについて書いてみます。


1級キャリアコンサルティング技能検定試験を受検されることで、
様々なネットワークや書籍等を通じてキャリアコンサルティングの事例指導(スーパービジョン)を学ぼうとされていると思います。
※キャリアコンサルティング職種の事例指導は、スーパービジョンの概念とは必ずしも一致しているものではないと言われていますが、スーパービジョンの概念等を勉強することで有効な面が多々あると思います。
 
「事例指導とはなんだろう」
こんな疑問を解消してくれる情報…、
 
驚くほどに少なく、
キャリアコンサルティングに関する事例指導の書籍等も、
なかなか見つからないのが現状ではないでしょうか。
 
正直、キャリアコンサルティング自体の情報も、
多様且つ潜在的なニーズが広く存在するわりには世間一般的に少ないのが実態です。
 
私は仕事柄、
キャリアコンサルティングをご存じない方にお会いする機会もあり、
 
「小林さん、キャリアコンサルタントって一体なんですか?」
 
「国家資格というけれど、何が基準ですか?どんな資格なんでしょうか。」
 
「キャリアコンサルタントの役割は、企業内等で既に上司や先輩がやっていることに思えるのですが…」
 
「キャリアコンサルタントとキャリアコンサルティング技能士ってどんな違いがあるんですか?」
 
キャリアカウンセラー、メンター、アドバイザー、職業相談員等々、
様々な表現もあり、キャリアコンサルティングに精通した方でなければわからないし、
一般の方にとって興味を持つきっかけすら本当に少ないと思います。
 
国と様々な組織団体、キャリア支援に関わる先輩方等の精力的な活動・活躍によって、
例えば大企業の一部の部署には相当な割合で浸透していますが、
その実態は同じ会社でも部署が変わると、まるで意識が異なっていたり、
キャリア形成についての考え方に、組織としても個としても意識がない状況もあります。
 
今年はセルフ・キャリアドックのお陰で、
中小企業の経営者の方々に、
「キャリアコンサルタント・キャリアコンサルティング」というワードに、
少しは興味を持っていただく機会が増えたかと思いますが…。
 
これは、助成金がキーになっていることが多く、
我々は、これをきっかけとして、キャリアコンサルティングの良き評判やその有用性を拡げていく使命があると思います。
 
様々な視点から、
国がキャリアコンサルタントを増加させていく計画があり、
キャリアコンサルティング提供の内容の質を資格によって選別して、
「役に立つ」「専門性」等の質の保証を示していく方策がとられています。
 
我々は、基本的に自助努力によって、
様々な支援を有益に変えていく意識と行動を持つ力がなければ、
キャリアコンサルタントの資格の保証が出来ないこととなります。
 
では、キャリアコンサルタントの課題はどのようなものがあるのでしょうか。
 
今、これからの社会において、
どんな役割を担うのか、キャリアコンサルティングの必要性はどんなところにあるのか、
キャリアコンサルタントの責任はどのようなものになるのか、
我々は自覚をもって日々の仕事を進めていく覚悟がなければと改めて感じます。
 
平木典子先生、宮城まり子先生から講座等を通じて教えられたことですが、
 
「面談はすべてが個別であり、すべて新たな事例、同じものはなく、仮に主訴が似ていてもすべて個別である」
 
「毎回、専門性や実力、その適正が問われる」
 
「どんな経歴者、熟練者でも、同じ面談は出来ない、出来るとは限らない」
 
「より良き面談を目指す努力が必須」
 
「自分の面談を客観的に評価するには事例指導は誰にでも必要」
 
このような刺さるメッセージを講座だけではなく、各々の論文や書籍等を通して訴えて下さっています。
 
進化し続けていく理論や事例等を積極的に取り入れて、
自分がやっている面談が、よかったのか、もっとよくなるにはどうしたらいいのか等、
自己研鑽を行うことが絶対ですが、
我々が後輩キャリアコンサルタントの見本となっていけるのか、
面談の基本フレームがずれていないか、面談が偏ってしまっているようなことはないか、
 
絶えず自問自答できる姿勢が必要になりますよね。
 
自身の仕事に誇りがあるからこそ、色々と勉強をしようと努力を進めます。
 
長年の経験がある人も経験の浅い人もスーパービジョン受講は絶対的に必要であり、
それを怠れば、結局自分の経験と知識だけに頼った我流の面談となることが考えられます。
 
キャリアコンサルティングは、人財育成に重要なポイントを担う行為であり、
それを実施するキャリアコンサルタントは、専門家として正しい思想を持ち、
いつもクオリティーアップを図る役割と使命があると自分に言い聞かせています。
 
事例指導を学ぶこと、
これは、自分自身が、我流ではなく、常に点検を行い、問題点を見つけて、
スキルアップの研鑽に努めていくこと。
 
こうした姿勢があって、
事例指導を行うことが出来るのではないかと学んでいます。
 
一度、宮城先生や平木先生のスーパーヴィジョンの関する書籍を読まれることをお勧めします。
 
そうすることで、
1級キャリアコンサルティング技能検定試験へ向かうモチベーションが高まったり、
1級に挑戦する意義が新たに見つかったり、
色々と触発されることも増えるのではないかと思います。
 
漠然とした内容の記事になりましたが、
何かお役に立つ面があれば幸いです。