今回から、

1級キャリアコンサルティング技能検定の実技面接試験の考え方についても

論述に併せて解説していきます。

 
初回は、
「スーパービジョンの進め方」
について、
私の捉え方や、これまで先生方を通じて学ばせていただいてきた考え方を記していきます。
 
「スーパービジョン」や「事例指導」というワードが主体になる講座を受講すると、
先生方から冒頭に、
 
「スーパービジョンは受けていますか?」
 
「スーパービジョンを受けたことのない人がスーパービジョンを行う事は難しい」
 
このように指導をいただけます。
 
読者の皆様はスーパービジョンを受講されたことはございますか?
 
若しくは、スーパービジョンの実際を学ぶ講座等に参加されていらっしゃるでしょうか。
 
 
私も1級にチャレンジする前、
「自己研鑽に努めていくことはキャリアコンサルタントとして必要条件。
スーパービジョンを定期的に受講することはキャリアコンサルタント全員の課題。
アメリカでのスーパービジョンのあり方、キャリアカウンセラーの学びのレベル、質の違い」
 
このようなお話をいただいてドキッとしました。
1級を受ける前に出来る事をどんどんやろうとして空回りもしたものです。
 
私は、先生が教えてくださった通り、
『スーパービジョンを受講していない自分がスーパービジョンをやれるわけがない』
と腹落ちして、その時の自分の気持ちのざわつきがあった事を明確に覚えています。
 
 
実際は、なかなかその手の講座に参加したくても、日程が合わなかったり、
また、何と言ってもその手の講座自体も少なく、殆どの場合が、中心都市圏での開催が多いため、地方エリアでの学習の場が少ない実情はありますよね。
 
 
スーパービジョンを受けたくても先生がいない、
どの人にアクセスすればいいかわからない、
こんな風に悩まれている方も多いのではないでしょうか。
 
 
実は、こんなこともキャリアコンサルタント自身の実際のコーディネート能力でもあるわけですが、
そうは言っても予算の問題や、お互いの距離と時間の問題をどのようにすればいいのか・・・
難しいこともありますよね。
 
今後、志の熱い方々同士が、どんどん外へ活動を拡げて、
キャリアコンサルティングの質の向上に貢献していく場を創造出来ると信じています。
 
私もその一人になれるように日々勉強を重ねております!!
 
さて、お話しは戻り、スーパービジョンですが、
実際、指導を受ける側は、指導者任せではなく、スーパービジョンの実際やその目的と効果、
そしてスーパービジョンを受ける時の準備や受け方や姿勢を基礎学習していないと効果的なものとはなりません。
 
先ず、スーパービジョンを受ける前の事例相談者側が行う準備ですが、
目的をはっきりと伝えられること。何を問題としているのか、何に悩んでいるのか等が必要です。
※CLに許可をいただいた上で、事例を逐語記録かケース記録におこし、指導者に事例が明確に伝わるように準備、自分で何が問題で指導を受けたいのかを明確化する。
 
事例指導者は、これを前提として事例相談に臨めば、大凡の事例指導の流れがイメージ出来ますよね。
 
1、事例相談者との初対面ですべきことを事例指導者として基本的姿勢・態度を通じて示す
2、指導関係構築を図るための空気感を作る
3、事例相談者の持ってきた事例を正しく理解するための働きかけと姿勢を持つ
4、事例相談者がやろうとしていることの理解を含め共感的態度で共有する
5、事例内容の事実関係や根拠等、不明なところ等をうやむやにせず質問を明確に行う
6、質問により事例の振り返りに繋がり、内省させ、問題の本質の気付きを支援
7、何が優先的な問題になるかを検討し、その原因を一緒に捉えていく
8、この事例での問題が、事例相談者の面談の癖や傾向ではないか概念化を図る
9、問題解決のための目標・方策の設定、合意を得て事例を使って方策実行
10、事例の中で今であればどう応答するか、話を掘り下げていけそうか、または異なるアプローチだとどうなったか等、一緒に検討を進めていく
11、実行した内容の評価を双方で行い、今後の面談プロセスに取り込めるように支援
12、他にネットワークや環境への働きかけによってアプローチ出来る方法がないか検討
13、次なる課題があれば共有して次回面談に繋げ、問題がなければ終結
 
1級キャリアコンサルティング技能検定の実技面接試験は、
このような流れが構造的に展開されていないと評価されません。
 
普通、スーパービジョンは、1回当たり50分~70分程度の中で展開していきます。
 
それを1級の検定試験では、
30分間で最後まで展開されていなければいけないのです。
 
口頭試問でフォロー出来れば大丈夫・・・
なんて思っていたら、大変なことになるはずです。
※私の経験上お伝えします。
 
2級では口頭試問で「こうしようと考えていた」に辻褄が合えば、
もしかしたら救済措置??的なことがあったかもしれませんが、
1級は先ずあり得ないと思います。
 
最初から最後まで展開出来て、
初めて1級のステージでの採点をいただけるものだと思いますので、
短い時間の中でロジカルに展開することを徹底して練習しないと厳しいです。
 
CVCLABでは、この30分間の展開方法を具体的に考えていきますので、
ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせ願います。
※メールでのお問い合わせに限らせていただいております。
 
なお、恐れ入りますが、面接対策講座についても、私の仕事柄、こちらの都合で限られた日程でのとなりますので、予めご了承いただきたくお願い致します。
スケジュールの調整にご不便をお掛けして申し訳ありませんが、
ご理解の程、重ねてお願い申し上げます。
 
CVCLAB/小林幸彦