昨日の記事に続けて、
第8回1級キャリアコンサルティング技能検定の論述試験必須問題を使い、
問2の私の考え方を書いてみます。

昨日は考え方を記事にしましたが、
具体的に相談者Aについてどのような問題があるかといえば、

・父親のお世話やその状態への心配や大変さが重なり、
上司からのプレッシャーと仕事の要求への認識が追いつかず自尊心を高めることが出来ない。
この辛い気持ちへの理解者も見当たらず孤立した感じを抱いている。

・多くの問題を漠然とひとまとめに抱え込み、
全てを自分の中で解決しなくてはならないと考え冷静な思考が働かない状況にある。
役割への葛藤やその不明確さにストレスを強く感じているために目の前の課題ばかりに注目している状況。

例えばひとつの例ですが、
こうしたところにフォーカスすることもできるわけで、
この事例相談者がまとめた記録の要点のどこを使って何を説明するのかを考えることで、
この事例相談者が考えていること、捉えていることと概ね一致できるのではないでしょうか。

上記のポイントは、
・相談者A視点の問題
・事例相談者視点(キャリアコンサルタント視点)の問題
この二点の一部を挙げたものです。

ここで相談者Aのことについて沢山の問題点を提示する方もいらっしゃるかもしれませんが、

事例指導の目的に鑑みると、
事例指導者(受検者)視点だけでの問題提示の力を示すだけよりも、
事例相談者を通して相談者Aを理解していくプロセスを踏んだ方が実技や実践に相応しいと私は感じます。

さて今日は、

問2 この事例相談者の相談者Aへの対応について、どのような問題があるか、あなたの考えを記述せよ。(15点)

この問いについて、
上記問1の考え方と連動した考えを記してみます。

この事例相談者は、相談者Aのことを、
役割への葛藤と不明確さ=役割変化に対する認識不足と不適応を起こしていることや、
ひとりで抱え込む傾向だったり、情報不足等を捉えていると思います。

だからこそ、
相談者Aに対して一つひとつの問題を分解して解決する方法論を提示していますよね。

事例相談者の(地道に訪問を重ねる、相手の懐に入る)とか(後輩指導は日々のコミュニケーション)といった助言内容等と年齢や相談歴などから、
この事例相談者のプロフィール概要や人物像が少し浮かんできます。
※決めつけるわけではなくフワッとでもイメージしていくことは大切です。

事例記録の要点から、
人生の先輩として、問題解決志向によるかかわりが比較的強く出ている感じがありますね。

相談者Aにとってみれば、
それは勿論、上司にも言われていることかもしれませんし、
持ち前の人懐っこさがあるという一面が記されていることから、
後輩との関係性についても他人から指摘されるほどできてないとは思えないのではないかと感じます。

そもそもそんな人懐っこさを持ち合わせているからこそ、
この事例相談者は先輩風を吹かせたくなったのかもしれません。

相談者Aへの対応について、どのような問題があるか。

それは、
相談者Aに対して《こうすれば良いのに…》という事例相談者側の思いを優先していることではないでしょうか。

いくらそれが適切なアドバイスでも、
相談者Aにはそんな風にできない想いがあるのかもしれません。

事例相談者は的確に相談者Aへのフィードバックになればと思い込んでいますが、
そのフィードバックが相談者Aの動機付けを下げてしまっては元も子もないわけです。

相談者Aの想いを、
キャリアコンサルタントが言葉で表現してみることが出来ていないのかもしれない。

それは、
そのようにすることが相談者支援に繋がることを知らないのかもしれません。

その意義がわからなければ、
当然、キャリアコンサルタントの対応としては、
相談者と一緒になって目の前の課題解決に躍起になってしまうでしょう。

切り口が違えど、
見ているところは相談者とキャリアコンサルタントで大して変わらないのかもしれないのです。

この問いでも、
事例相談者のできていないところを事例の中から切り取っていくつも記述することはナンセンスに感じます。

そんなに現象ばかりを拾って問題提起したところで、
事例相談者の成長支援にはならないと思うからです。
実践的に考えていきたいですね。

第8回1級キャリアコンサルティング技能検定試験の論述必須問題の問1について、

私のひとつの考え方で検討します。

 

前回に続き、少しでも読みやすくできるように意識して短めの記事で表現したいと思います。

 

例えば、この事例の場合、

相談者Aが思い通りにいかないことを外在的な要因にしているような面があります。

 

キャリアコンサルタントとしてそれが問題だと感じること自体は自然の感覚なのかもしれませんが、

どうして相談者Aは外在的要因にしているのか、若しくはしてしまうのか、

 

そうしたことを相談者Aの職場環境や個人的要因、仕事以外の要因などから、

相談者A視点で相談者Aにとって何が起きているのか考えることも、

キャリアコンサルタントとして必要な視点だと思います。

 

問1 この相談者Aについて、どのような問題があるか。あなたの考えをその根拠を含めて記述せよ。(15点)

 

という問いが必須問題の先ず最初の質問です。

 

事例相談者がまとめてきた事例内容で検討していくことは、

記録内容の要点をおさえつつも、

事例指導者は自分の勘を働かせる必要もあると思います。

 

かといって…

 

妄想とは異なります。

 

せっかく事例相談者が記録を起こしているのですから、

そうした情報内容等を生かして、背景やストーリーを考えたいところです。

 

だからといって…

 

事例を読むことに時間をかけ過ぎると、

実践的にもセッションが偏ってしまいがちになります。

 

実際の事例指導の場面においても、

事例の説明等に時間をかけさせ過ぎだと感じることがあります。

 

事例相談者は一つひとつ何があったか伝わるように説明したいという考えや思いもありますが、

お互いにとって共通した限られた時間を過ごすわけですから、

その時間が、事例相談者にとっての成長につながる充実した時間にしていくことは事例指導者の使命のひとつにもなるかもしれません。

 

論述も実技です。

 

欲張ってあれもこれも事柄の一つひとつを摘まんで色々と解釈をすることがありますが、

実はその負の事柄や状況は、

たった一つの本質的な問題に繋がっていたりするのかもしれません。

 

事例指導者としてできることには、

 

相談者Aの問題を考えるとき、

そして、

事例相談者の相談者Aへの対応の問題を考えるときも、

 

事例に記録された事柄や状況ばかりに注目するのではなく、

相談に来ている人のことを純粋に考えてみること、わかろうとしてみることで、

事例に記されたことだけではない何かを感じることができるような気がします。

 

必須問題の問1は、

そんな考えで、相談者Aの訴えとキャリアコンサルタントの捉え方を合わせて相談者Aの問題の核心を記述したいと思います。

 

なお、キャリアコンサルタントの捉え方とは、

この事例相談者の視点、及びその事例記録から考える事例指導者(受検者)の視点を指します。

 

次回は、必須の問2について短めの記事で書いてみます。

いよいよ明後日から受検申請の受付開始です。

 

1級キャリアコンサルティング技能検定試験の受検への想いや気持ちがさらに高まる方、

それにあわせ不安等が増幅したりする方も多いのではないでしょうか。

 

また、

受検を迷っていたけれど

「まず、やるだけやってみよう!」

と意を決する方もいらっしゃると思います。

 

それぞれの事情等で異なりがあるかと思いますが、

1級挑戦が個別建設的な意味合いとなるためにも、

キャリアコンサルタントのひとつの発達課題としてポジティブに達成していけることを心から願っています。

 

さて、

昨年度実施された第8回1級キャリアコンサルティング技能検定の論述試験問題を使い、

事例指導のあり方を検討していきたいと思います。

 

今回は事例1【必須問題(全員解答)】の分について、

考え方のひとつをここに書いていきます。


ショートバージョンの記事にして、

少しでも読みやすくできればと思います。


この事例相談者がまとめてくれた事例では、

今年になって相談者Aにとって様々な出来事が起きてることがわかります。


職場環境や個人的なことで大きな負荷がかかっている状況にあり、

対してコーピングスキルが乏しいことや、目の前の課題が重なっていて八方塞がりの状況が伝わってくる事例記録ですね。


これに対してこの事例相談者は問題焦点型でのかかわりを主体にして方策を提示している傾向があり、

それがもっともであったとしても、この相談者Aにとって情動的なところで一致しないところがあるとすれば、

助言などに納得感は得られず行動レベルに繋がらないこともあるのでしょう。


相談者Aは、

このキャリアコンサルタントに何を聴いて欲しかったのでしょうか。


何をわかって欲しかったのでしょうか。


それをこの事例相談者がどう捉えているのかをベースに考えてみると、

わりと問題を抱えている相談者Aを理解でき、

さらにはこの事例相談者が何を支援しようとしたのか、

どこにボタンのかけ違いがありそうか、


事例指導者として見えてくることもあるのではないでしょうか。


実技として事例を何度も何度も読み返して考えることではなく、

事例相談者の記録を通して事例相談者を理解する努力を進めることで、

事例全体が把握できてくる気がします。


事例の理解に時間をかけることではなく、

この事例をまとめてきた事例相談者の理解を深めていくことが重要なことではないかと思っています。


こうした考え方を基本にして次回から各問を検討いたします。