昨日、令和7年大阪会場では最終日となる対面型講座を開催いたしました。
来年2月の1級キャリアコンサルティング技能検定実技面接試験に向け、
次なる流れをつくるとてもよい始まりの時間と場になったと思います。
そして本日と明日の2日間は、横浜にて対面型講座を開催いたします。
講座を予約いただいた受講者様、どうぞよろしくお願いします。
皆様に会場でお会いできること、とても楽しみにしております。
昨夜のうちに伊丹空港から羽田へ移動、横浜に前乗りしています。
昨夜大阪を出発する際はよい天気だったのですが、
羽田に着くと雨が割と激しくて、
横浜でも、宿泊先までの移動でずぶ濡れになってしまいました。
手元にスマートフォンがありながらも、先の天気予報まで確認していないことが、
私自身、なにか抜けているところかな…と思います。
さて、昨日の講座でも少し触れたのですが、
1級の実技に求められる「事例指導者のスタンス」を考えるということ。
事例指導者という役割を担う際、
目の前の事例相談者(キャリアコンサルタント)が主体的・自律的に育つことができる関わりを持つことが必要だと思います。
ここで意識したいところは「育てる」ではなく「育つ」という表現。
これは、筑波大学で岡田昌毅先生が言葉にされていたことにもつながると考えています。
※人を育てるなどというのはおこがましい、人は育つのです…
という考えを言葉にされています。
私はこの言葉を受けたとき、
それほど意識して「育てる」という表現を使っていませんでした。
後輩を育てるとか平気で使っていたのです。
岡田氏の話を受けたとき色々な意味で衝撃が走ったものです。
お話しは戻りますが、
公式の試験実施概要、および直近の試験傾向レポートから、
以下の姿勢が求められていることが想定できると昨日概説しています。
事例指導者の役割を担うとき、その目指したい態度は、
キャリア形成支援者として対等に研鑽し合い、
事例相談者の成長を心から願う育成的な関わりではないでしょうか。
そして何より、その場その時に起きることに誠実に向き合う姿勢こそが大切だと感じています。
試験という特殊な環境下では、つい「正解」らしきものを求めてしまいがちです。
事前にケースを読み込みすぎて予断を持ったり、
相手の話を聞く前に自分の想定したストーリーに当てはめようとしたり…
それでは、目の前の人の言葉を純粋に聴くことができなくなってしまいます。
特に気をつけたいのは、
「指導者対学習者」という上下関係を強調しすぎる態度です。
時折「私は指摘・指示的、教授的な関わりで1級に合格した。指導者とはそういうものだ」
という声を聞くことがあります。
もちろん、ご自身の経験としての真実なのかもしれませんし、
それを伝えたい信念があるのだと思います。
ただ、これを聞いて心がざわつく方がいるのも事実。
冷静に振り返れば、「その関わりをしたから合格した」のか、
あるいは「その関わりにもかかわらず、事例相談者の力によって対話が成立した
(事例相談者の手柄)」のかは検証の余地があるはず。
仮に、自分の指導的態度が優れているから合格したと過信してしまえば、
それは対人支援(心理支援者)の根幹である「相手への敬意」を見失うことにもなりかねません。
1級合格という事実は大切ですが、それにあぐらをかかず、
常に謙虚に相手と向き合う姿勢を忘れずにいたいものです。
面接時に避けたいこととして、
事前に用意したケースイメージ、自分の知っている理論や理屈の押し付け、勝手な見立て、
本題に関係のない世間話(雑談等)、過度な肯定(褒めすぎ)等、
こうしたことは、もしかしたら事例相談者の時間を奪っていることにもつながることがあるから注意したいですね。