この時期、第15回1級キャリアコンサルティング技能検定試験に向けて、
学科試験への対策はもちろん、実技論述試験の問題を練習している方は多いと思います。
そこで過去問を把握しておくことは、
1級がどのような試験なのかを理解するうえで重要ですが、
この時に注意しておきたいことがあると考えます。
本来、実践的に事例指導を考えていくうえで、
事例指導者の机上での実技訓練として、
架空事例を使った事例指導プランを考えることはとても有益ですよね。
この際、事例相談者がまとめた事例を掴む(概念化)する作業としてスマートなのは、
事例相談者と事例指導者(受検者)との事例指導面接のフレームをある程度意識しながら、
並行して、事例相談者(キャリアコンサルタント)と相談者(クライエント)の面談フレームも意識するはずです。
その学びのファーストステップとして、
事例指導者が、事例相談者を通じて事例を知る際、
相談者が訴えたこと、相談者の問題解決方法、そしてキャリア形成支援のあり方、
これらを段階を踏んで考える訓練が基盤のひとつになると思います。
要するに、事例指導者が事例相談者を通して事例を「概念化」する訓練を行うとき、
同時に事例相談者が相談者に対して、場面場面で面談フレームのどこにいるのか、
(面談フレームを意識できているか、使えているか)を点検するのは自然だと思います。
※それを最もらしく言葉に表現するかはおいといて。。。
事例相談者からなるべく正確に情報を得て(認識して)、
事例の核(相談者の訴え・相談者の問題解決方針・相談者の支援ニーズ)を段階的に概念化していく。
事例相談者が面談で意識しているフレーム(構造、質問の種類、介入タイミング)を観察しフィードバックすることができること。
だからこそ事例相談者へ具体的な面接改善案(短期・中期の実践プラン)を提示できるように展開されていきます。
このように考えながら、実践的な文字表現としたいものですが、
1級論述試験対策そのものが、試験の設問(各問)の書き方、答え方、試験の捉え方、
試験の解答方法に焦点化されてしまうと、その考え方全体が、
試験設計(測定項目等)を先取りしたような考え方になってしまうように思います。
これでは、試験の微妙な変化等(変化がないかもしれません)に適応できないでしょうし、
残念なことになっている結果やその傾向にはまってしまう可能性もあります。
論述は実技試験です。
事例相談者Bから事例指導をうけるためにまとめた事例を受け取った際、
事例指導者は、その記録から何を読み取っていくべきなのでしょうか。
そこが肝心なのに、解答の記述ばかりに執着してしまうと、
表面的なことしか思いつかなくなってしまうかもしれません。
今夜、日本キャリア・カウンセリング研究会(JCC)主催の
1級キャリアコンサルティング技能士による事例指導講座をオンライン開催します。
お申し込みをいただいた方には、
改めて、事例指導の際の事例の読み取りについてのあり方を、
ご一緒に考えていただきたいと思っています。
事例指導プランを立てる際の基盤となる論述問題の問1から問3について、
実技と実践の実際を行き来しながら考えていただくワークを取り入れています。
※こちらでご用意した架空事例を学習素材にいたします。
ご参加いただく方、何卒よろしくお願いいたします。