今日は、先日このブログにアップいたしました

論述事例「練習問題②」を活用して、問1について考えてみたいと思います。

1級キャリアコンサルティング技能検定実技論述試験に向けた訓練等にご活用いただけると幸いです。

 

念のため、先日のブログ記事URLを下記します。

https://ameblo.jp/cvclab/entry-12938460739.html

 

この練習問題②に描かれている要点を私なりに簡単に整理してみますね。

 

この事例記録(事例相談者Bがまとめた文章)によれば、

Aの状況は、

・金融業界で15年、営業部門リーダーという責任

・仕事と家庭(夫も金融業界、子ども2人)との両立に強いストレス

・家庭では罪悪感(学校行事に参加できない)、夫との役割分担の不均衡による対立

といったことが挙げられます。

 

そしてBのキャリア支援対応に関連する点は、

・共感的に傾聴し、ストレス要因を掘り下げる質問をしたこと

・具体的な解決策を提示できず、Aの話が深まる前に面談終了したという結果

・次回面談を提案したが、Aは「分かりました」とのみ返答しその後連絡途絶したこと

といったところです。

 

さらに、B自身のキャリアコンサルタントとしての課題認識は、

・共感はできたが、解決策提示ができなかった

・次回面談が実現しなかった原因と、今後どう対応すべきかを指導者に相談したい

と、こうした感じです。

 

今回の記事では、

問1 相談者Aが訴えた「問題」は何か、記述せよ。

 

この問いを検討していくのですが、

相談者Aが訴えた問題の核心を捉えていくには、

具体的に、

「子どもの学校行事」「夫との役割分担」「罪悪感」「摩擦」など、

Aの語りに沿った表現が必要かと感じます。

※事例相談者Bが記録で表現している大事なところを活用。

 

また、因果関係の明示も重要で、

「家庭内の不均衡」から「対立」そして「ストレス」

といった流れを明確にすることも必要かもしれません。

 

ただし、

Aにとっての問題の階層性を整理することも重要なことがあります。

 

論述では、わりと事例に描かれた現象を中心に解答を書くことがあるかもしれません。

それだけに留まるのではなく、この事例記録から読み取れることに、

問題の本質として、両立困難による心理的負担が感じられますので、

そこにも触れておきたいものです。

 

事例から、一次問題としての両立困難と、

二次問題としての罪悪感や夫との摩擦等を分けてみると、

より構造的になるのかもしれません。

 

また、Aの価値観や意味づけを反映させることも重要です。

一例ですが、

「子どもにとって親の存在が大事な時期」

というAの価値観が罪悪感を強めていることがあります。

このような視点を含めると、Aの問題認識の背景がより鮮明になるかもしれませんね。

 

さらには、職場要因との関連性も示したいところです。

職場でのプレッシャー(目標達成・マネジメント)もストレスを増幅している様子なので、

家庭だけでなく職場要因も記載することもポイントだと感じました。

 

解答スペースなどの観点も踏まえ、

一例として描くと、

 

「仕事と家庭の両立が困難であることによる強い心理的負担を訴えている。具体的には、子どもの学校行事に参加できないことへの罪悪感や、夫との役割分担の不均衡による摩擦がストレスを増幅させている。さらに、職場での目標達成やチームマネジメントのプレッシャーが重なり、家庭と仕事のバランスが取れない状況に深い悩みを抱いている。」

 

といった感じに表現することもできると思います。

 

また、現象にやや偏った感じで描くとすると、

 

「子どもの学校行事に参加できないことや、家庭内での役割分担の不均衡が問題と感じている。結果、職場でのプレッシャーも相まって、子どもの重要なイベントに参加できないことに対して罪悪感を抱いている。また、生活で身近な夫との役割分担の不一致などから、家事や育児に関する役割分担において意見の食い違いが摩擦を引き起こしストレスを強く覚えている。」

 

といった表現もあるかもしれません。

 

皆様もいろいろな表現をしてみてください。

 

なお、この問1での文字化に時間をかけすぎてしまうことは、

80分間の試験という枠組みで考えてみたとき、勿体無い感じもします。

最初に事例全体を捉えていくことは重要ですが、

それを含め、問1の設問への解答記述は、

せめて試験開始後の15分以内に終えられるよう、訓練を重ねたいものです。

※実践的にもそうした訓練は役立つことがあります。

 

お話しは変わりますが、

今年12月に開催予定の1級「論述」試験の直前対策講座ですが、

現在、横浜会場で1名様、大阪会場で4名様、

オンラインでは前編と後編それぞれ各3名様のお席をご用意できます。

※具体的な日程は下記の通りです。

 

・横浜:12月7日(日)10時〜15時

・大阪:12月13日(土)10時〜15時

・オンライン前編:12月2日(火)19時〜21時

・オンライン後編:12月9日(火)19時〜21時

 

直前対策講座では、第14回の1級論述過去問を活用して、

論述試験の各設問に関する実技としての意味づけを改めて確認していきます。

 

この直前だからこそ、ご自身の考え方をより広げてみたり、

新たな視点を見つけることにつながったり、

また、ご自身の思考柔軟性を高めていくきっかけになることもございます。

ご興味のある方は、下記CVCLABホームページよりお問い合わせください。

※講座費用等の詳細につきましてもご案内いたします。

https://cvclab.jimdofree.com/お問い合わせ/

 

限られたお席の数にはなりますが、

読者の皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

 

特に第15回の1級受検をお申し込みされた方にはおすすめの講座です。

ぜひ、ご一緒に学んでまいりましょう!

 

CVCLAB 小林幸彦