ECBのspecialised stress testの結果が公表されている。P24を見ると、多くの銀行が、Collateral SwapやLCRの定める30日を超えるTerm Deposit等によってLCRの最適化戦略を取っていると述べられている。LCRでは30日のストレスに耐えられるよう流動性のあるHQLAの保有を義務付けるものだが、31日以降この比率が急速に悪化する銀行が多いということだ。つまり、規制上の比率をかさ上げしていると指摘されているということになる。

このような行動を取っている銀行に対しては、さらに詳細を求めていくということなので、今後流動資産の確保について欧州銀行の行動が変化するかもしれない。

米国ストレステストに際しても、基準日となる頃にCollateral Swapを行うことによってCCARを避ける動きがあるという内部告発が話題になっていた。

ここまで来ると、いちいちルールを細かく定めても、細かい抜け道ができてしまうので、金融庁が進めているように、ルールベースからプリンシパルベースへの金融行政の移行が進むことになるのだろう。プリンシパルベースであれば、例えLCRが年末時点で100%を大きく超えていたとしてもそれ以外の日にそれを下回っていれば、その銀行は流動性不足ということになる。ただし、こうなると現場ではどうしても疑わしきは罰するという方向になるため、さらにConservativeになりがちである。いかにこのバランスを取っていくかが今後の規制の鍵になるだろう。