良い夫婦は、お互いを信頼できる…は納得。
収入は、夫の甲斐性だが、仲が良いことは最高。 こうあるべき。
夫の暴力は、無しでしょ…。

「いい夫婦」はお金関係もいいとは限らない

 
突然だが、お宅の夫婦仲は円満だろうか?
我が家は結婚して15年目になるが、夫婦共働きで、年代的にも働き盛り。かつ子どもがまだ小さいということもあって、家族全員がとにかく忙しい。ただ、平和に穏やかに日々を過ごしているので、まあ、円満な方なのではないかと思っている。
そして驚くべきことに、世の既婚女性の9割もの人が、自分たちを「いい夫婦」と自負しているそうだ。
株式会社パラサ・エックスが運営する「家計の時間」が、昨年11月22日の「いい夫婦の日」にちなんで、既婚女性を対象に、夫婦関係と家計にまつわるアンケートを実施した。
これによると、自分たちを「いい夫婦」と自負している女性は、約9割(すごく思う27%+まあまあ思う60%)という結果になっている。
とくに「友だち夫婦」タイプや「共働き夫婦」タイプが、「いい夫婦」を自覚しやすい傾向にあり、いわゆる一歩下がって夫を立てるような「亭主関白」タイプの割合がもっとも少ない。
「いい夫婦」と思える条件として上位に挙がっているのが、
 
「お互いを尊重し合える」(36%)
「助け合える」(29%)
「会話・コミュニケーションがある」(25%)
 
ということを考えると、パワーバランスが偏らず、フェアな関係性を築けているカップル=「いい夫婦」だと感じやすいのだろう。
 

夫婦のタイプで家計管理法はがらりと変わる!

 
さらに興味深いのは、夫婦タイプによって、家計管理の方法が異なる点だ。
まず全体で、家計管理法として多いのは順に、
 
「夫婦とも給料はすべて家計に入れ、それぞれお小遣い制」(26%)
「夫婦とも給料はすべて家計に入れ、夫はお小遣い制、妻はなし」(19%)
 
となっている。
夫婦タイプ別にみると、「友だち夫婦」タイプと「共働き夫婦」タイプでは、1位が「夫婦とも給料はすべて家計に入れ、それぞれお小遣い制」と同じになっているが、2位以下の順位が大きく入れ替わる。
「友だち夫婦」タイプの場合、もっとも少ない「夫と妻で担当を決め、それ以外はそれぞれが管理」が、「共働き夫婦」タイプになると2位にランクイン。それぞれに収入があるだけに、財布を分けてそれぞれが管理する方法を行っているカップルも多いのだろう。
そして、「恋人夫婦」タイプの1位は、「家計は夫の給料メイン、妻の給料は妻のもの」である。恋人夫婦だけに妻に甘いのは、家計も同じのようだ。ただし、これは共働き夫婦の3位にもランクインしているので、それだけ夫の収入の方が高いか、あるいは家計における夫と妻のチカラ関係を表しているのかもしれない。
 

夫婦仲と家計破綻度は反比例する

 
もちろん、どの家計管理法を選ぶかは、個々の家庭の状況によってケースバイケースだが、やはり自分で管理すると財布のヒモも緩みやすい。夫婦それぞれに収入があるのであれば、一括で管理した方が、ムリ・ムダがないかチェックもしやすく、節約やお金も溜まりやすいといえる。
しかし重要なのは、どのような家計管理方法を選ぶかではない。
自分たちが幸せになるためのライフプランや目標、目的、希望を、きちんと話し合える信頼関係が築けているかどうかという点である。
なぜ、年収300万円夫婦は「リッチで仲がいい」のか?? PRESIDENT Online なぜ、年収300万円夫婦は「リッチで仲がいい」のか? 
今の時代、効率的にお金を貯めるためには、目標(ゴール)の設定が欠かせない。なかには、使い道がないのでいつの間にか貯まっていた、という人もいるが、それは本当にレアケース。むしろ、無駄遣いしているつもりはないのに、お金が貯まらないという人の方が断然多いのだ。
たとえば、家族4人、ぜいたくもせず衣食住をまかなうだけでも、平均支出額で見れば年間330万円以上のお金がかかる。さらに、平均所得はこの20年で20%も減少しており、生涯年収も減少傾向にある。このような状況では、何のために貯蓄をするのか、どんな暮らしをしたいのか目的・目標を明確にしなければ、お金など貯められるはずもない。
逆に、年収は低くても、自分たちがどんな状態にあればハッピーなのか、価値観を共有しているご家庭は、幸福度や満足度が高い。
これまで1万件以上の赤字家計を再生してきた家計再生コンサルタントの横山光昭氏もこう述べている。
「年収300万円クラスの家計は、やりくりがとても上手です。(中略)必要最低限の支出で十分満足できるものを上手に組み合わせている。だからか、所得の多い人よりも『リッチな気分』で暮らしているように見えます。おまけに、どの(年収300万円の)家庭にも共通していえるのが、夫婦仲がいいこと。使えるお金が限られているから、夫婦間の話合いが多くなるのでしょう」(出所:「実物公開!5大支出を隈なくチェック 家計簿診断 ひと目でわかるお宅の弱点」PRESIDENT2016年9月12日号より)」
 

なぜ、妻は夫のお金を自分の口座に移し替えしたか?

 
とどのつまり、家計のやりくりには、家族全員の協力が欠かせない。いくら妻が家計簿とにらめっこして節約に励んでいても、隣の夫がパチンコやクルマなどに使い込んでいては意味がない。
さらに、夫婦仲が悪く、気持ちが離れてしまえば、将来のことなどどうでもよくなり家計管理の必要もなくなる。
挙句の果てには、妻はストレスで買い物やエステ、外食など散在に走るかもしれないし、夫婦仲をなんとか維持しようと、夫がスイーツのお土産や妻の機嫌取りのプレゼント、旅行など、本来不要な出費がかさむかもしれない。その結果、家計が破綻する可能性も高くなるというわけだ。
以前ご相談に来た女性(50代)は、ご自身も年収100万円程度で働くパート主婦だったが、かなり前から離婚を考えているという。
そのため結婚して20年以上、ご主人の給与が振り込まれるたびに、公共料金等の引落し分を除き、そのお金を引出し、ご自身の口座に移し替えていた。
ご自分の収入も合わせて、すでに口座残高は数千万円にのぼる。ご主人は、自分の口座の残高がほとんどないことには気づいていないのだそうだ。
結婚後、夫婦間で協力して形成・維持してきた財産については、その名義にかかわらず、夫婦の共有財産と考えられるので、「離婚される際には、口座に移し替えていても意味がないんですよ」というと、驚きを隠せない様子だった。
夫婦仲もここまで来ると、女性は先立つモノを確保するのに必死になるのだろう。
さて、あなたの口座は大丈夫だろうか? 家計管理をパートナーにまかせっきりという人は、この際、一度ご確認を。