これは福井藩士で幕末の維新に大きな影響を与えた橋本左内の言葉である。
彼は啓発録という書の中で
「稚心とはをさな心と言うことにて、俗にいふわらびしことなり。菓菜の類の
いまだ熟せざるをも稚といふ。
稚とはすべて水くさき処ありて、物の熟して旨き味のなきを申すなり。
何によらず、稚といふことを離れぬ間は、物の成り揚る事なきなり」と。
これは左内が15歳の折大人になるための決意を述べたものであるが、
15歳といえば現代では中学3年生であろう。それにしても実にしっかりした、
驚くような覚悟である。
それに対し現代の日本人の若者の意識は実に幼稚な所が多い。
何か言われても「わかりません」、「それは無理です」と実にアッサリと答える。