年の頃は、20歳。
学校に行ったら、その日は、2限目は休講、3限目は最初から空き。
4限目は、特講。
 
少し早い昼メシ(朝飯?)を食べようとしたら、麗しの彼女。 
”たまには、乗せてよ。”   今日も、ビーエムで通学してきた彼女が、
構内にヘルメットを持ち込んでいる。   ”何だよ?”   ”何よ。”
 
”外で食べたい。  4限目まで、時間あるし…。”
”また、本牧?”    
”良いね、海を見て、缶コーヒー、付き合ってあげる…。”
ちょっと意地悪したくなった。  というか、その本牧の店は、
火曜日が定休日だ。
 
本牧のかもめ町に行って、港湾関係者の行く売店の横に止めた。
港湾に勤めている方が、次から次へと入ってくる。
 
彼女は、バイクから降りると足早に売店に入った。 
”2個で良い? 3個?”と彼女。
”2個で良いや…。”と僕。
何度か、売り切れになっていたのを覚えていて、
速攻で確保に行ったのだ。    
”やるじゃん。” 僕。
”エヘヘ…。”  彼女、(笑)
 
・・・卒業後、約束もしていなかったのに、彼女と偶然に会った。
卒業式振りじゃなかった…。   彼女とは、就職して、
何度か会っていたのだが、会社入って、3年目。 
海外出張で、イギリスに行った時の事。
日系の航空会社を選んだのは、彼女と会えるかもしれないと
思ったからだ。  そんな気持ちはなかった…と言えば、嘘。  
就職先は、当然知っていたわけで…。
 
キャビンアテンダント、当時風に言えば、スチュワーデスになっていたのだ。
”xx様、ご搭乗、ありがとうございます。 お飲み物は、何になさいますか?”
”Cokeをお願いします。"  ”どうぞ。” ”どうも。”     
”…気が付けよ。”
卒業式のあと、何度かあってはいたものの、
すっかり、大人になって良い女になっていたね。
そんな風に思っていたのを見透かされたように、
”偉いのね…、ビジネス乗れるんだ?”
<否、エライ…は、あんまり関係なくて、誰でも、飛行時間が10時間以上だと
ビジネスだったのね。>
 
今回のスケジュールを少し話して別れた。 現地の法人がHOTELまでの迎えを
手配してくれていたからだ。
誘うなんて、今なら、ともかく、昔は、そんな度胸はなかった…。
 
10日間の出張、一週間が過ぎるころ、彼女から連絡。 
”予定通り、帰れそう?”   ”おう…。”   
”ロンドン観光、付き合って。”
 
会社入って、3年目。  出張中に、ロンドンでデートかい?
アメリカ外資系会社勤務と日系航空会社のスチュワーデスのロンドンデート。
その頃のトレンディードラマを地でいってたかも知れない。(笑)
”カンチ…。”