やはり、実効支配は、ロシア・・・か。
 
 

国後島進む「ロシア化」 インフラに加え教育環境充実

北海道新聞 8月28日(日)7時30分配信
終戦71年、現島民も「ここがふるさと」
 北方領土の「ロシア化」が着々と進んでいる。ロシア政府は近年、インフラ整備に加え、ロシア人島民2世、3世の教育環境の充実にも力を入れる。終戦から71年。ビザなし交流で訪れた国後島には、北方領土が日本人の元島民だけでなくロシア人の「ふるさと」にもなっているという厳しい現実があった。

 「多くの住宅が建ち、公共施設やスポーツ施設の建設も進んだ。島を離れた若い人に『大都市にも劣らない』と感じてもらい、戻ってきてもらいたい」。20日、国後島古釜布の文化会館。国後、色丹両島と歯舞群島を管轄する南クリール地区行政府のアレクセイ・ザジラコ副行政長は、日本側ビザなし訪問団(64人)に強調した。

 ロシア政府は2007年以降、北方領土を含む千島列島(クリール諸島)の社会資本を整備する「社会経済発展計画」を進める。昨年7月には16年から25年までの新計画も承認し、総額約700億ルーブル(約1120億円)を投じる方針だ。

 国後島でも空港や風力発電所、病院、学校などの建設が相次いでいる。4年ぶりに島を訪れた福永和也団長(41)=鹿児島市立緑丘中教諭=は「砂利道だった日本人墓地までの道も舗装され、商店の品ぞろえも段違いに良くなった。路線バスの停留所も整備されており、どんどんロシア化が進んでいる」と振り返った。

 旧ソ連が南クリール地区の設置を一方的に宣言したのは終戦翌年の1946年6月。そしていま、島内には同地区の70周年を祝うポスターが目立つ。

 北方領土問題が解決しないまま、島で生まれたロシア人は年々増える。同地区の人口約1万700人のうち、小中学校(日本の高校までに相当)の児童、生徒は計6校で865人。五つある幼稚園・保育園には419人が通っているという。(東京報道 小林宏彰、写真も)