小学生の頃、遊びに行っていい範囲が決まっていた。
北側には、1kmくらい先に川が流れて、隣町とを分けていた。
その川を超えて向こう側には行っちゃいけないことになっていた。
自転車を買ってもらったのは、小学校一年生。
しばらくは、橋まで行って、向こう側を見て
帰ってくる日が続いた。
厳しかった親には絶対服従だったからだ。
当時の私が行ける最北端だったわけ。
向こう側はどうなっているんだろう。
好奇心は募るばかりだった。
好奇心が自制心を超えるのに
一ヶ月はかからなかった。
向こう側に、行っちゃったよね。
誇らしげに友達に言いふらしたし
友達も興味を持って聞いてくれた。
行きたくても行けないんだから。
正確には、簡単に行けるんだけど、
制限されてたから、誰も行かない。
何ていうか、やっちゃいけないこと(例えば万引き)は
やっちゃいけないこととして、多分ちゃんと理解していたね。
ただ、向こうに行っちゃ行けないとか制限されてた部分は
積極的に破ってた気がする。
小学校の低学年で、私は使い分けを理解してたと思う。
ませた子供だったのかもしれない。
隣町の親戚の家の近くまで行った。
車でもずい分走って行ったと思っていた親戚の家に
自力で到達してしまった。
自転車って遠くに連れて行ってくれる。
スゲ~。
このスゲ~って気持ち、北海道や見知らぬ土地に
足を踏み入れたときの気持ちと全く一緒。
私の放浪癖は、ここからずっと続いている。