突然の訪問 | ホストファミリー体験日記

ホストファミリー体験日記

日本で海外からの留学生を受け入れるホストファミリーを始めて10年が経過。いつの間にかゲストは25人を超えました。日本は狭くて、やっぱり世界はどこまでも広い。文化の違いに戸惑い、思考錯誤しながらの留学生との生活はどうして??だらけ。そんな多文化な日常の記録です。

シャワーを浴びていたら、突然息子が
「おかーさん、エドきゃはった!!」
と風呂場に知らせに来た。

(えええ?!それは困る!なんで来るかなぁ!?しかしいくらなんでも門前払いにはできない。とにかく私がシャワーを終えるまで待ってもらうしかない。)と即座に判断した私は、

「とにかく上がって待っててもらって!」と息子に指示。

幸いフランス人の女の子が泊まっていたので、『泊めてほしいと言われても断れる』と内心ホッとしたが、まだ夕方だったので、夕食を我が家で食べるつもりならどうしよう、とも思った。シャワーを終えて上がると、エドはまるで自分の家に帰って来たかのようにくつろいでいた。

「どうしたの?」と私。
「ちょっと寄ってみた。」と笑顔のエド。

『連絡なしでいきなり来るなんて、この国ではマナー違反です。』と思わず喉まで出そうになったが、思い直して口をつぐんだ。

「まさか、今日ここに泊まるつもりはないよね?」言われる前に先に聞いた。
「泊まるつもりはないよ。」
「良かった。今、別のゲストがいるから。」

見るとお弁当を持って来ている。
「お弁当を買って来たからここで食べていい?今日は一日中何も食べなかったから、とてもお腹が空いている。ほら、前に言ってた、250円の弁当。こんだけ入ってて250円は安いよね。コロッケ食べる?4つで100円だったから4つ買った。僕は1つ食べるからあと食べていいよ。」と。

コロッケは1個25円なりの味だった。『こんだけしてあげたんだから、コロッケくらい当たり前だ』と思ってしまう小さい自分がいた。彼がいたがいつも通り夕食を作って食べ、後片付けをし、一通りの家事を終えた。そしてそろそろ子供の寝る時間だと察したのか、9時頃に彼は我が家を後にした。

彼のメールや電話は知っているが、今のところFacebookでのつながりはない。つながったら面倒になりそうな気がするので、できれば今後もつながらないでおきたいと、私は希望する...。



220712