昔新米医師だった頃、確かに医師国家試験に合格した途端、アルバイト先でそこの医療関係者から「久保先生」と呼ばれた際「え、自分は先生なの??」と耳を疑った覚えがあります。
それから4~5年の研修医期間を終え、ある程度医師として仕事が出来るようになり、北海道のとある地方で臨床医として勤務していた頃、僕は仲間医師数名、そして一般社会人とテニスをしていたとき、1人の医師仲間に「お互い一般人の前で名前の下に先生を付けて呼ぶのは止めましょう。。○○先生の代わりに○○さんと呼び合いましょう。」と言われ、僕は内心”なるほど。。”と思いました。
と言うのも医師同士がお互いを先生と呼び合うのは病院内では許されても、一般社会ではかなり違和感があるので、あの時の医師の指摘はもっともだったと今になって思うからです(^_^;
世間には”先生”と呼ばれる業種の人たちが様々おり、医師を始め弁護士、税理・公認会計士、司法・行政書士、建築士、教師、政治家、獣医師、心理カウンセラー、漫画・小説家、塾講師、薬剤師などなど沢山出てきます(O_O)
そして僕が医療業者さんと会食に出かけた際、接待付きのお店で医療業者さんなどが僕を先生付けで呼んだりすると、そのお店の人から必ず「何の先生ですか?」と尋ねられ戸惑います(>_<)
何故なら職業が判明した途端、そのお店の人たちは必ずその職業レッテルを僕に貼り、たちまち先入観を持たれるというか、それから先は医療に関するお決まりの質問をされ、それにいちいち返答しなければならないので、プライベートでお店を訪れている場合は、正直職業を明かしたくないのです。。
なので医療業者さんに僕を”先生”と呼ばないよう、前もって忠告しておくべきなのですが、滅多に会食へ出かけることもないのでついつい忘れてしまい、いつも”先生”と呼ばれた後は気まずい思いをするので、○○先生と呼ぶのは場合によっては一種の差別のような気がしないでもないです(^_^;
一方、外国の友人・知人たちから僕は”Dr”と呼ばれることも少なくありませんが、この呼び方は一種のニックネームみたいなもので、不思議と”Dr”と呼ばれても気まずくもないし、彼女・彼らとは通常単なる友人なので”Dr”もニックネームとなり得るのかと思います(^_^;
そして僕のクリニックにも歯科医師、医師、獣医師などがお客様としてちょくちょく訪れますが、その際僕は”先生”付けで呼ぶようにしていますが、普段から○○先生と呼ばれている方にとっては、”先生”と呼ばれるのが自然でしょうし、そう呼ぶのはあくまでもクリニック内でのお客様と僕との間だけだからです。
このように”先生”と呼ばれたり呼んだりするのは、好ましい場合とそうでない場合があるデリケートな話題でもあり、必ずしも”先生”と呼ばれて居心地が良いものでもないので、もし僕が公的場面で誰かを”先生”と呼ぶ際は、充分に気をつけようと思います(^_^;