昨年末インターネット・ニュースでやたらと取り上げられていたのがトム・クルーズの激昂についてで、事の発端は彼の新作映画”ミッション・インポッシブル”続編の撮影中に、撮影クルーたちがソーシャル・ディスタンスを維持していないのを彼がたまたま見つけた途端、まるで堪忍袋の緒が切れたかのようにそのスタッフたちを激しく叱責したのです(O_O)

 

と言うのも米国では、日本を遥かに凌ぐ勢いで新型コロナウイルスの猛威に晒されている真っ最中で、多くの感染者・死者が続出しその社会・経済的損失も前代未聞のレベルとなっており、中でも飲食・娯楽産業が真っ先に大打撃を食らうので、きっとハリウッド映画の産業も壊滅的ダメージを被っているはずです。。

 

そういった現在の厳しい状況下なので、映画撮影中に新型コロナ感染症対策の為のソーシャル・ディスタンスを遵守していなかったスタッフに怒りをぶちまけたトム・クルーズの気持ちも充分に理解出来ますが、その彼の態度について賛否両論意見が真っ二つに分かれているようです(^_^;

 

賛成意見は上述の如く、いつ命を失ってもおかしくない過酷な現状に緊張感を持たずに仕事に携わる映画スタッフに喝を入れたトム・クルーズの行動は勇気ある立派な行動で正しいというものでした。

 

逆に反対意見ですが、トムクルーズのあの態度は不遜から生じている、もしくは彼が超スーパースターにまで上り詰めた傲りによるもので、立場の弱いスタッフたちを頭ごなしに叱る代わりにもう少し謙虚に振る舞うべきと最もらしい見解が述べられていました。

 

そしてハリウッドの別の超スーパースター、ジョージ・クルーニーは「トムクルーズの取った行動に同意出来るが、自分がもしあの立場にいたら同じ行動は取らなかっただろう」と大人っぽいコメントを出しました(^_^;

 

因みに僕の意見ですがどちらかと言うとトムクルーズの取った行動に賛成で、録音された彼の生の叱責を実際に聞きましたが、決してスタッフたちの人格否定・誹謗中傷した訳でなく、あくまで彼らの緊張感の緩みを厳しく指摘する内容だったからで、実は僕も手術中にスタッフの緊張感が緩んでいたら、迷いなく厳しく叱るからです。。

 

何故なら手術は安全最優先で、執刀医の僕は当然ですが治療に参加・サポートするスタッフたちも同様に高い緊張感を維持して貰うことが不可欠で、そういったスタッフの気の緩みを看過すると次第に手術自体の緊張感が緩み思わぬところでトラブル発生しかねないため、そういったトラブル源はその兆しが見えた時点で根絶やしにする必要があるからです。

 

なのでトムクルーズの叱責への反対派は多分、上司から叱責された途端”パワハラ”と直ぐに受け取ってしまう従業員目線での評価と思われますが、実際現代社会は”パワハラ”が大手を振るようになったため、今回の彼の行動はメディアで大きく取り上げられたのでしょう。。

 

ただいざという時に怒り・感情をある程度あらわにするのは、スタッフ(従業員)をまとめる上司の立場にあればやむを得ず、それは決して虐めやストレス発散のためではなく、あくまでレベル高い仕事貫徹とそれに見合った社員育成のための愛の鞭であることをスタッフには理解して頂きたいと思います(^_^)